150万円どうにかしろ。
はい 神崎ですけど…。
あ…菜緒です。
おお…。
なんか ちょっと久しぶりだね。
ああ ごめん ななんか…ちょっといろいろバタバタしててさ。
それどころじゃなかった。
「それどころ」…。
あっ ごめん 別にそういう意味じゃなくて。
「バタバタ」って?
あ ちょっといろいろあって…。
あっ そっちはどう?
風邪? うん少し…でも平気。
うん 気をつけてな。
うん 明日会える?
あ ごめん…ちょっと明日は無理だ。
そう…。
なんか私 いたいけな乙女に迫ってる
脂ぎったオッチヤンみたいな気分に なってきたからもう切るね。
うん…。
また電話します。
はい。
ごめんよ 力になりたいけど うちもね…。
お願いします 悪いけど無理だよ。
いや なんとかすぐ都合つけますんで ホントにお願いします
勘弁してくれよ。
ちょっと無理だな~ 他当たってくれよ。
いや…でも ホント少しでいいんで。
いや 無理だって ごめんね。お願いします
俺これだけ…。
俺…俺はこれしかなかった…。
サンキユ。
全然ホントに…ホント助かるわありがと。
必ず返すからさ。
いつでもいいから。うんうん そう いつでもいい…
っていっても 1万7000円しかないけど…。
十分 ホント助かった。
ありがとう。
ごめん…。
もしもし。
ああ はい…はい
ヒロ君 電話 千葉の吉井さん
30万円ならなんとかなるって ホントですか?
すいません。
ご無沙汰してます。
ありがとうございます…はい。
とりあえずよかったな。 ああ。
あいつも いろいろ大変だなあ。ああ…。
あいつは頑張るなあ。
お前も頑張れよ 仲直りしろよ 裕子ちゃんと。
いや 俺はもうダメだって。
だって裕子ちゃん家 何やってつか知ってる?
神戸の芦屋で開業医だよ。
医者の娘だから…。
なんか…怖くてさ。
持ち逃げ?
そう 金策で大変だったんだ。
もう めどはついたみたいだけどね。
私…何も知らない。
相談してくれれば私だって…。 それは したくないんだよ。
分かってやってよ ね?
分からなくはないけど…。
寂しいような。
嫌われるのが怖いんだ。
え?
菜緒ちゃんに嫌われるのが 怖いんだよ。
優しいね 亜裕太君。
なんか ここに来るとホッとするな。
また今度 来てもいい?
もちろん。フフ。
あ…分かった じゃあ 俺は年中無休だから。
えっ?
菜緒ちゃんには年中無休。
フフ…24時間営業。
ウツソ~ちょっと それは勘弁してよ 寝させて。
あ~つやっぱ仕事後のビール染みるわ。
オヤジくさ~。
いやあのね 俺 最近ねたまに思うんだけど。うん。
俺 このまま一気にオヤジじゃねえかと思って。
だってさ何もないのに朝から晩まで
トラック転がして配達して もうこれ配達人生ですよもう。
何いってんだか。
キツイよ~。 ちょっと待ってお前卵2個食うなよ。
え これ2個目?うん だって俺食ってないもん。
ウソだ~。
おっ 来た来た。
誰? ヘヘ…。
は~い。
誰が来たのか…。
ごめんね迷つちゃって。うん どうぞ。
あ~。
ああ
ごめんね…。
あの時…
私 立ち止まって「彼です」って 紹介すればよかったのに…。
いや…しょうがねえよな。
だって 俺が彼氏じゃ恥ずかしいもんね。
いやだから 全然いいよもう…気にしなくて平気。
合コンとかも行ってみたの。
でも なんかやっぱり違くて…。
私 甲君じゃなきゃダメなの。
甲君じゃなきゃ…ダメなの。
俺も…電話しなくて悪かった。
なんか…電話で何ていわれんだろうとか考えたら
怖くなっちゃって…。
悪かった。
あんなことぐらいで ヘソ曲げて…
ガキで…悪かった。
これからも よろしく。
でも お前 合コンだけは もう行くなよ。
あっ。
はい。
はい。
俺は おせっかいおじさんかよ…単なるおせつかいおじさん。
ダメだな~。
24時間営業…だもんな~。
一緒だなコンビニくん 頑張ろうな。
ホントに ありがとうございました。
亜紀子さんにも よろしくね。 はい ありがとうございました。
ああ よかった。
あっ そう よかった~ お疲れさん
ハハハ じゃあ はい また。
ふう…よかった。
はい もしもし。
あ 弘人。
あ…どうした?
今さ やっと 仕事がひと段落して。
うん…。
今日の夜とか会えない?
うん
分かった サンキユー。
意外と手 小さいね。
えっ 何?
ちょっとね。
あ ねえ ホントに ここでよかった? ほら どつか別の場所とかさ…。
うん ここがいいの。そっか。
風邪 治ってねえの?俺 薬持ってこようか?
ううん 大したことないの 病院行った時もらうし。
この前親父さんに会った。
えっ?
やっぱ聞いてねえんだ。
知らない…。
菜緒のこと いろいろ話した。
体のことも聞いた。
体のことって みんな?
えっ…「みんな」って?
だから…。
子供のこととか。
うん。
ごめん… 隠してたわけじゃないの。
隠してたね…。
関係ないよ。
関係ないの…?
大事なことよ ちゃんと考えた?
うん。
ちゃんと考えた。
ほら 前にさ あんたに話したじゃん。
家族みんなで一緒に暮らすのが 俺の夢だって。
だから ちゃんと考えた。
けど どんなにどんなに考えても 同じ答えで…。
すぐに答え出んだ。
俺さ…。
あんたじゃなきゃダメなんだ。
でも…。
私 死ぬかもしれないよ?死なないよ。
その可能性…だって ごくわずかでしょ?
調べたの?
調べた。
でも…。
でも もし…。
それでもいい。
ってことは 私達 結婚とかするの?
俺さ あんた以外の人といるところ想像できないから。
そっちは?こっちは…
フフ…弘人とずつといること想像したらすごい嬉しい。
嬉し過ぎて死ぬ…フフっ
そういうこと全部 いわなくていいから。
なんか タックルされまくってる感じ。
もうとっくに倒れてんのにさ。
え…?
タックルって こういう感じ?
じゃスリーパーホールドって こんな感じ?
えっ?何だよ。
こういう感じ? 強いから それは。
強ええんだっつうの。
楽しいね…。
楽し過ぎて なんか怖いね。
なんか いつか なくなっちゃう気しない?
君の言葉の切れ端が心に刺さる
スツて紙で手切った時みたいに…痛い
なんだか神崎様という方が…。うん。
やあどうも いらっしゃい。 あ…ああ。
どうぞおかけになって…僕にコーヒーください。
かしこまりました。アハハ…。
これ見て。
菜緒お姉ちゃんイブが誕生日なんだって。
知ってた?
そういや聞いたことなかったな。
ダメだな お兄ちゃん そういうことはすぐ聞かないと。
ごめん。
あ…で何だつけ…クジラ?うん。
えっ 入院ですか?
そう なかなか風邪治らないでしょ?
ほら フフフ…。
はあ…。
ね?ここは大事を取って入院しときましょう。
こんなことで変に こじらせちゃつまんないでしょう?
うん…でも先生。うん?
私 去年も風邪で入院しましたよ?
だから今 元気でしょね。
今回も大事を取って入院して もうちよちょっと治しちゃいましょう。
はい。うん いい返事だ。
あっ 子供扱いだ。アハハ ごめんごめん。
ついつい 小さい頃から見てるもんだから。
ハハハ ごめん。フフフ。
いや…だから何…そんな難しい話じゃないんだよね。
お金をね ちょっと 用立ててほしいっていう…。
そちらの従業員の方が持ち逃げをして
そのお金をつてことですか?
「ですか」って あんた。
いいじゃない こんな大きなビルでさ。
おたくにとっちゃ はした金でしょ?
100万円や200万円。
それに おたくの娘さんとウチの…。
なんかねえ こうねえ…。
おっしゃってる意味が よく分かりませんが。
これ。
これね ほら…見てこらん。
おたくの娘とウチの息子。
おたくの娘きれいだねえ 育ちが違うとこうも違うって。
あれだろ?『スタージユエリー』の広告塔ってやつ
よく雑誌とか出て。
そのお嬢さんがウチみたいなのと…。
マズイんじゃないの~?
ゆすり…ですか?
やだわ 人聞き悪い。
ちょっとさ…ちょっとね お金をね 都合してもらえれば
それでいいんだよ。
えっと…パジヤマ入れた?
うん入れたよ 2枚。 ふ~ん。
はい タオル。はい。
お嬢様 ローズの香りのって これですよね?
ありましたよ バスルームの棚の奥のほうに。
ありがとうカズさん。いいえ。
あなた入院するのに アロマオイル持っていくの?
うん…だって これくらいしか楽しみないもん。
ふう…。
いらっしゃいませ。
月丘ですが。 こちらでございます。
おっ悪いな 突然 呼びつけて。いや。
でも珍しいね お父さんが。
うん…ちょっとな。
参った…。
じゃあ息子ともども 売ろうとしたってこと?
ああ。
あんなもの どこに持ってったって 別に いくらにもならんと思うけどな。
とんでもない母親だな。
参ったよ。
お父さんには黙ってたけど 菜緒 一度襲われかけたんだ。
えっ?
あの弘人ってヤツの 友達だか同級生だかに
うちの金が目当てで…。
なんで それをすぐにいわない
そうですか…。
君は知ってたのか?
いえ…。
じゃ 私から菜緒に…。あなた待って。
あの子 もう休んでます。
明日から病院なんです。
いくら ただの風邪っていっても心配です。
時を見て 私からいいますから。
とにかく もう勝手なマネは 許さんからな。
あ…まだ起きてたの?
廉 何作ってんの?
菜緒お姉ちゃんのクリスマスプレゼント。
よし…。
あっ お兄ちゃん やっと仕事終わったの?
うん 進んだ? うん待ってたんだ。
ここ。おお。
よし…じゃ着替えてくるから 待っててな。
ああ疲れた。
ここ全部 針金で留めて。うんOK。
何色にすんの?青がいいな。
青。
あ…神崎と申しますが 菜緒さんいらっしゃいますか?
お嬢様は いらっしゃいません。
あの…じゃあ 何時ぐらいに帰ってきますかね?
入院されてますので お帰りにはなられません。
え?
単なるお風邪ですので ご心配には及びません。
お電話のあったことは お伝えしますので。
失礼します。
神崎という男性からです。
これでよろしいですか?
あ…ああ。
お兄ちゃん。
菜緒お姉ちゃん クジラの目 何色がいいって?
ん?
どうしたの?
ああ…。
あっ よし じゃあ作るか な。
よしこれは?どうだ 廉 何かあるか?
これとか ほら。うん。
よし。
フフ…。フフ…。
お兄ちゃん。ん?
おっ 俺も見つけたぞ ほら。
よし…。
乾かそう。
OK。
うん よし 何も異常なし。
風邪のほうも もう大丈夫だね。
よかった。
来週あたり退院しますかね。
ああ
はい ハハハ。
あ…ねえ お母さん
これ糸の後始末って どうやってやるんだつけ?
もう一回 教えて。
はい。はい。
えっと これをここに…
入れて…そうだ分かった 貸して。
ちょっと待って。
貸して ちょっと待ちなさいよ。
お母さん やりたくなったんでしょ?
菜緒が聞いたんでしょう?
できるだけ自分でやりたいの。
ありがと。
あ そうだ お母さん ケータイがね なんかおかしいの。
壊れてるっていうか通じない。
一回力ズさんにいって 持ってってもらえるかな?
菜緒…。ん?
ケータイ…おかしいんじゃなくて お兄ちゃんが契約止めたの。
え?
ケータイ使えなくしたの。
なんで?
お母さん ちょっと菜緒にお話があるの。
何?
あなたの付き合ってる 弘人君のことよ。
彼とは もう会わないでほしいの。
どうして?
そのコのお母さん お父さんの所に来たらしいわ。
えっ 何しに?
お金を借りに。
そして あなたと…その自分の息子さんの写真を見せて
お父さんをゆすったの。
それを外に出したくなかったら お金を出せって。
お母さん 何も知らなかった。
でも お兄ちゃんにも聞いた。
あなた襲われそうに なったんですってね?
そのコの友達に。
友達じゃないわ ただの同級生よ。
お父さんも それを知ったのよ。
菜緒には退院して帰ってきたら
ボディーガードのために運転手さんを つけるっていってるわ。
私…監視されるの?
守られるの。
お父さんに守ってもらうの
お母さんも…
お父さんの味方なの?
私は母親だから あなたを守る義務があるの。
あなたが二十歳だからって まだ守るの。
だって母親って そういうものよ。
弘人君…お父さんの所に 来た時にね
自分の命と引き換えても あなた 助けたいっていったそうよ。
だから お父さん…しばらく様子見てたのね。
お母さん お嫁にくる時に覚悟したことがあるの。
『スタージユエリー』の嫁にくるんだってそう思ったの。
あそこの店が大好きだったのよ。
おばあちゃまと その先代とお父さんで あそこまで大きくして。
お客様に愛されて大きくなって…。
私 そこに傷をつけるわけにはいかないわ。
お父さんと お兄ちゃんは気にしてないけど
お母さんは怖いと思ってる。
あなたのスキヤンダルは怖いと思ってる。
お母さんは あなたとうちを守りたいの。
でも…。
でも お母さん…
私 弘人のこと本気で…。
菜緒…お兄ちゃんを裏切らないで。
あなたに骨髄をくれた お兄ちゃんを裏切らないで
お兄ちゃん…命懸けで あなたを助けたのよ。
お母さん 今それいうのずるいよ
ずるい…。
無人島の飾りこの辺でいい?
うん OK。
もう…会えないのね?
はあ…でも菜緒 クリスマスイブ来てくれつかな?
当たり前じゃない イブは「恋人達の日」だよ。
バ~力。
会えないのね?
そうして…ください。
お母さん 私力フェオレ飲みたい。
えっ…?
いつも飲んでるやつ この病院の中ないの。
ほら私 朝はカフェオレじゃなきゃダメじゃない?
信号んとこのコンビニで買ってきて。
明日の朝 飲むのよね?
うん…。
明日飲むのよね?
うん。
分かった お母さん買ってくる。
月丘さん…?月丘さん
はい もしもし。
ごめん 久しぶり 元気?
菜緒?
「元気?」って…そうじゃねえだろ 全然連絡取れないし。
弘人 今から来て 丘公園の上。
お金ある?
いきなりそれかよ。今日泊まるから泊まるお金。
いや ないことないけど…。
病院 抜け出してきた。
お前 大丈夫なの?
平気 ただの風邪で もう退院していいって先生。
そっか。
お財布 置いてきた 小銭だけ握って。
メチヤクチヤだな お前。
靴履いてるだけマシでしょ?
ちょっと こうしてていい?
泊まる泊まらないは置いといてさ ちょっとここで。
ん…置いとかないで泊まろうよ。
置いとけよ。
だから もうちょっとここで…こうしてていい?
どうした?
どうした?
安心したいんだ。
ケータイに ずっと電話してんのにつながんねえしさ。
家に電話しても入院とかいって取り次いでもらえねえし。
俺どうしょうかと思ったよ。
けど今…「菜緒はちゃんと 俺の腕ん中にいる」って。
何か あんのかと思った…。
何にもないよ 大丈夫だよ。
あの…娘は明日の朝には 戻りますので
どうか大目に…。
ちょっと急用があって…。
ちょっと こうしてていい?
もうちょっと ここで こうしててもいい?
はあ~
ねえ 私 指輪とか欲しい。
だって 自分家 宝石屋でしょ。
そういうことじゃないの。
女のコは みんな欲しいんだよ。
はい。
ねえ こういう時ってさ
なんか…チュっとか したりするんでしょ?
してみて はい いいよ。
えっ 横位置なの?
ダメ?
いや いいけど…。
じゃあ はい
フフ…ちょっと待って。
うん はい
フフフ…。
早く~ はい
フフフ…ちょっと待って。
もう いいかげんにしてよ
痛っ。
大丈夫?
ああ…大丈夫。
フフ…フフフ。
フフフ…。
じゃあね もう行くね。
5回目。
今度はホントのホントに 行くからね。
はい。
じゃあね。
6回目。
じゃあね。
またね。
うん。
またすぐね。
うん。
もう会えないのね…
そうして…ください…
ヒロ君 何かいいことあったの?
え?いや。
よし
はい うん… うん ちょっと待って。
おい 達也からだ。
今ゼミが終わって 7時くらいになるそうだ。
「何か買ってくるものないか」って。
ええ 何にも 気をつけて帰るようにいって。
お兄ちゃん 7時だったら
もうローストビーフ 火入れちゃおうか?
うん 私やる。
菜緒
ちょっといいか?
はい。
菜緒…お母さんから 聞いたと思うが
これからしばらくひとをつける。
運転手兼ボディーガードだ 移動はすべて車だ。
はい。
お前が襲われそうになったなんて
お父さんは知らなかった。
あのコとは…神崎弘人とは
もう会うな。
いいな?
はい。
お兄ちゃん ん?
クジラの目 くっつけたよ。
おお すげえじゃんかよ 廉
何やってんの?
ん?ちょっとな。
いっつもかぶってる帽子をね 洗い忘れてて。
ウソ~?あ…。
あ~…お迎え。
あっ ねえ 裕子も乗ってかない?
あ…でも…。ちょっと待ってて
ヤマモトさん。はい。
裕子も乗ってって 大丈夫ですか?はい 裕子さんなら大丈夫です。
はい。
大丈夫 裕子なら 乗ってってもいいって。
ねえ 『ハーバーカフェ』行こう。
私 最近 全然外出させてもらえてなくて。
行こっか うん 行こう
うん。
はい どうぞ。ありがと。
いただきま~す。
なんか大変そうだね。
ちょっとね 不良娘だから仕方ない。
私ちょっと ごめんね 甲君…。
あっ もしかして…裕子甲君と会うはずだったの?
ううん 気にしないで。
裕子…悪いことしちゃったなあ。
菜緒ちゃん ひとのことはいいからさ
自分のことだよ どうするつもりなの?
弘人にね…弘人に伝えてほしいの。
「しばらく連絡できないけど」
「必ず…必ず説得するから」って ねっ。
それ 弘人に。
分かった 伝えとくよ。
でも頑張るな…。ん?
そんなに頑張って 大丈夫なの?
亜裕太君…みんなに内緒にしてくれる?
ん?
弘人のお母さん ウチのお父さんに お金借りに来たの。
私達の写真持ってゆすりに来たの。
そう。 弘人は知らないから 弘人には…。
いわないよ。
ダメだ…やだな。
お嬢さんなのに 強ええな 菜緒ちゃんは。
応援するからさ 最後まで。
ありがと…。
弘人君
どうしたの?どうしたの そんな3人で。
いや 俺一人でいいって いったんだけど みんな来るって。
ん? 私 来たほうが話分かるかと思って。
菜緒の近くにいるの 私だし。
ああ…。
いやほら 俺はいてもいなくても 一緒ならいてやろうみたいな。
何いってんだよ。ごめん。
ありがと でも そんないい話じゃないでしょ ねっ。
こんなふうに 3人して 心配して来てくれてるわけだし。
親にな… 反対されてるんだって。
しばらく待ってくれって 親 説得するからって。
菜緒 襲われそうになったんでしょ?
それをお父さんが 知っちゃったみたいで…。
あっそうだ これ 菜緒の新しい番号一応。
いい。
それ知ったら かけたくなるからさ。
いい
菜緒が決めたことなら 俺 待つからさ。
はあ…。
何だ? その恨みがましいため息は。
だってあなた… 5歳の子供じゃないのよ。
送り迎えしてケータイ替えさせて あんまりだわ。
もう少し自由に…。
ダメだよ お母さん 甘い顔しちゃ。
菜緒 一度ウソついて 会ってたからな あの男と。
「あの男」なんてやめなさい 達也。
いい?ここは厳しく ビシっと いつとかないと。
菜緒のためにならないんだから。 そうだ。
よしつ。
お兄ちゃん どうしたの?
ん?何でも…何でもないよ。
うるさかったな ごめんな。
ううん…よし…。
お兄ちゃんも早く振り返さなきゃ。
えっ?
菜緒お姉ちゃんでしょ?
はい
ほら早く~。
早く
知ってるよ。
あの光は 菜緒お姉ちゃんと お兄ちゃんのクジラの声なんだよね。
クジラってさ クジラ同士で 200キロ離れた所からでも
話ができるんでしょ?
クジラだけに 届く声があるんだよね。
菜緒お姉ちゃんとお兄ちゃんも そうでしょ?
だからさ だからもうちょっとだけ待ってよ。
ホントに おばさん当てあるんだろうな?
ああ…ああ 一応 今月の給料から こんだけ。
こんだけかよ。はい。
本社の各セクションからも ローテーシヨンを組んでもらって
各シヨップにヘルプに入ります。
おお もうみんなに 当たってくれたのかい?
はい。
社長 斉藤さんはすごいんです。
連日徹夜で…
どうしても60周年を締めくくる 今年のクリスマスは
大成功させなきゃって。いいんだよ。
うちの商品というのは商品に愛を持ってる
これまでかかわってきた すべてのスタッフが
お客様の手元にまで渡すっていうのが これがやっぱり
理想なんじゃないかと。
ありがとう。
しかし 少しは寝なさい。
はい…。
なんかこう… 俺達で できることねえのかな。
見守るしかないんじゃねえか?今んとこ。
「見守る」って 何かして…。ごめん
待った?
全然大丈夫 時間前だし。
菜緒ちゃんと買い物だって?
うん…菜緒が会うの許されてるの3人しかいないの。
みんな女友達。
私 その内の一人だからさ 出番多いの。
何つうかさあ…。
あの2人が幸せじゃねえと
なんか俺らもこう 心ん中 カッと晴れねえっていうかさ。
うん…。
でも好きだよ。
ん?あん~…はい。
甲君は?もう そんなでもない?
いやいやいや…あの…あの 裕子ちゃん 日々かわいいよ。
あの 日々好きです 好き…。
何それ?
はい
はい
行こっか。うん。
何かこ用でしょうか?
アハ…。
派手な格好をした 中年の女性です。
店に入るわけでもなく ウロウロしていて
不気味なんですけれど。
この前も来てたんです。
今度来たら 私を呼びなさい。
お嬢さんがウチみたいなのと…マズイんじゃないの~?
ゆすり…ですか?
ちょっとね お金をね
都合してもらえれば それでいいんだよ
水上さん…。
ホントすいません。
棚田さんがいなくなつちゃってから
水上さんの仕事 増えちゃって。
アハっ。
俺 あの…船体修理俺がやるんで。
ああ…。
はい『神崎造船鉄工所』ですが。
月丘と申します。
はい…。
少し話がしたいんですが。
会えますか?
これでもう 娘とは別れてほしい。
さあ中を確かめてくれ。
これ どういうことですか?
そういうことだ。
ひとをバカにするの やめてください。
こんなの受け取れるわけないじゃないですか。
もう少し僕のこと…。
僕達のこと分かってくれてるのかと思いました。
甘いこといっちゃいけない
いや すまなかった。
これは手切れ金なんかじゃないんだ。
君のお母さんに頼まれた金だ。
君のお母さんは私に無心をしに来た。
知らなかったかね?
まさか…。
それだけじゃない。
そうだ これは君からちゃんと お母さんに伝えてもらおう。
写真のデータは 破棄してください。
写真…?
君とウチの娘の写真だ。
君のお母さんは 私の娘と君を売ろうとしたんだ。
頼む もう うちにはかかわらないでくれ。
頼む…。
何だよ ビックリするじゃないの 明かりもつけないで。
あ 珍しい 飲んでんの?
母ちゃん。何?
菜緒の親父さんとこにさ金借り行った?
いやまあ…ちょっと。
もう終わりだよ…。
もう終わりだよ。
弘人…。
これは受け取りません
母のことは謝ります
ホントにすみませんでした
二度とこんなことはさせません
娘とは別れてくれるね?
あっ…。
えっ お見合い?
いや お見合いってほどのことでもないんだけどな
2人でまあ 飯でもと思って。
あなた何考えてるの?
菜緒 今 そんな気持じゃないでしょ?
なんでそんなことを軽はずみに。
いや 軽はずみってわけでもないんだ。
彼は…斉藤君は 勤務態度もいいし何より誠実だ。
いい青年だなあと思って。
あ…なんかあの 社長急に仕事のことで
用事ができたみたいで…。
どうぞ。
あ…あんまり食欲ないので。
失礼いたします お口に合いませんでしたか?
あ…。あ いえ おいしいです。
置いといてください。
あっ じゃあ これも いただいちゃおうかな フフフ…。
う~ん おいしい。
大丈夫ですか?
大丈夫です。
暑い…。
ふ~ん フフ…。
ダン
どう?お兄ちゃん きれい?
ああ…。
よかったね 間に合ったね イブに。
なあ 廉。ん?
菜緒姉ちゃん もしかしたらイブ来れないかもしんないな。
えっ どうして?
ん?ほら なんかいろいろ 忙しいかもしんないでしょ。
「忙しい」って なんで?
ほら 大学とかさ…家とか…
店とかさ こう なんかいろいろ。