饭饭TXT > 海外名作 > 《唯爱(日文版)》作者:[日]北川悦吏子【完结】 > 书香门第★《唯爱(日文版)》.txt

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作者:日-北川悦吏子 当前章节:15376 字 更新时间:2026-6-15 19:54

お兄ちゃん?

廉 ほら 飯出来たから食うそほら。

早く そこ片付けて ほら 廉。

よっし。

じゃあ ここで。ああ…。

あ…あの。

ぼ…僕はもう一度会いたいと思ってます。

は?お父様から…あっ

社長からは 何も聞いてらっしゃらないんですね?

お父さん どういうこと?

「どういうこと」って そう固く考えなくていいんだ。

ちょっと ぶきっちよだけど いい青年だろ?

お父さん 何考えてるの?

お前の結婚だ。

現実的なお前の結婚だ。

結婚?

結婚なんか するわけないじゃない

ふんっ。

あの弘人ってコと結婚するつもりか?

冗談じゃない。

お前にそんな潰れそうな工場の嫁が務まんのか?

あんな母親と やっていけんのか?

息子自身が驚くようなことをする母親だ。

息子自身にあきれられるような 母親だぞ。

お父さん弘人に会ったのね

お母さんのこといったのね

弘人のお母さんがお金借りに来たこといったのね

お前と息子の写真でゆすったこともな。

なんで そんなひどいことするの 本当のことだ。

傷つくわ… 弘人が傷つくわ

何が「傷つく」だ。

自分の母親のしたことだ知って当然だ

ひどい…私 おとなしくしてたじゃない

許してもらおうと思って毎日…。お前…

そんなことを思ってたのか

もう一度許すなんて 冗談じゃない

いいかげん分かるんだ お前のためなんだ

明日からもう外には出さん

ひどいわ 子供じゃないのよ

まだまだ子供だ

もう二十歳よ

出ていくわ。

出ていきたいんだったら出ていきなさい。

分かったわ。

菜緒

あなた…。

菜緒。

待って 菜緒。

行かないで お父さんのいうことを聞いて。

お母さんあなたに幸せでいてほしいの。

あの日 約束したわよね?お母さんと。

お母さん あなたに一日だけあげたわ。

だから 帰ってきたじゃない

今 また出ていこうとしてるでしょ

お母さんを裏切るの?

小さい時から あんなに病気で大変な思いをして…

もう苦労させたくないわ。

私の人生は 私のものだわ

私の病気も私のものだし

ひどいことをいうのね。

何があなたをそこまでさせたの?

あの男のコに恋をしたこと?

だとしたら 恋って怖いわね。

今度は お兄ちゃんなの?

ホントに行くのか?

お母さんの涙 捨てて 行くのか?

そうなのか?

そうよ

はい もしもし。

もしもし?

もしもし?

あ…ヒロ君?

棚田さん?ああ…

ヒロ君 すまなかったな…。

ねえ 今どこ?

ごめんな…

俺 高校中退してオヤジさんに拾ってもらって

お世話になって 恩を仇で返す ようなことしちまって…。

棚田さん?

前にオヤジさんに連れてきてもらった

箱根の旅館に来てんだけど…。

あの頃はヒロ君の所もまだ羽振りがよくてな。

よくオヤジさんに連れてきてもらったんだ。

刺し身がうまくてな…。

でもダメだわ 全然うまくねえの一人で食ったって。

棚田さん。

最後にちゃんと謝っておこうと思って。

「最後」って…。

ねっ 棚田さん ちょっと何考えてんの ねえ ダメだよ そんなの

すまなかったなあ ヒロ君。

ごめんなあ…。

おかみさんにも謝っといてね。

棚田さん?

菜緒 お姉ちゃん。

弘人…いる?

いない…。

そう…。

乾杯~

ごめんなさい。

あっ ねえ母ちゃん ねえ 何だよ あんた店に

棚田さん ほら ねえ。えっ ちょっと すいません。

昔 父ちゃんとさ ほら 箱根のほう行ってたろ?

えっ?社員旅行か何かで ほら 箱根のほう。

あれ どこ泊まってた?

何?箱根行ってたじゃんか

あれ どこ?

もう家には帰らない。

駆け落ち…とか考えてんの?

私は家を捨てる。

弘人君にも家を捨てさせるつもり?

何?その言い方。

だって そういう方向に行くしかないようなことしてるから。

じゃあ どうすればいいの?教えてよ

ごめん…。

こんなこと私がいうのも何だけど…。

やっぱり…無理なんじゃないのかな。

もう諦めたほうがいいんじゃないのかな。

裕子までそんなこというの?

だって…

私達 まだ二十歳だよ。

誰かまた違う人 好きになるかもしれないし…。

そんなふうに思うんだったら 最初から付き合ってないよ。

ごめん…そうだった 菜緒は そういう人だった。

あ…外冷えたでしょ?お風呂入れてくるね 温まって。

また風邪ひくと大変だから。

菜緒 パジヤマとか着替え…。

どうしょう…。

すいません 棚田っていう人泊まってないですか?

はい少々お待ちくださいませ。

菜緒ちゃん。

ごめん…。

どうしたの?

まいっちゃった…行くとこない。

あちらでございます。すいません ありがとうございました。

ヒロ君…。

棚田さん。

一緒に帰ろう ねっ?

ほら棚田さん…。

あ 大丈夫?

こっちに座ろう。

大丈夫?

優しいね。

亜裕太君 優しいね…。

私もう…

ホントはどうしたらいいか分かんなくって…。

突然 ごめん…。

だから…俺は年中無休だから 平気だよ。

亜裕太…君…?

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亜裕太…君…?

俺…。

ごめん…。

好きなように使っていいから。え?

行くとこないんでしょ?俺 友達んとこ行くから平気。

鍵ここ置いとくから。亜裕太君?

じゃ。亜裕太君

亜裕太君?

あのさ…俺から弘人に連絡つけといたから。

3時半に横浜港に行って。

横浜港?

お兄ちゃん出かけるの?

ああ…。

ふ~ん…。

なあ 廉。

廉は お母さんのこと好きか?

え?

だってほら さつき一緒に寝てたじゃんか。

違うよ あれは つい眠くなって一緒に寝てただけだよ。

内緒ね。

誰に内緒にすんだよ?

そっか。

でも好きだよ。

お母ちゃん好きだよ。

だってお母ちゃん 今は あんなだけど

ホントは きれいだし優しいし 自慢のお母ちゃんだよ。

そっか。

そうだな。

よう…。

家 出てきた。

出てきたの。

何考えてんの?

家 捨ててきた。

私は あなたが大事よ 何よりも誰よりも。

何に代えても すべてを捨てても 弘人が必要なの。

私にとって 弘人が一番大事よ。

どうするつもり?

一緒にいるわ。

一緒にいたい…。

ずっと。

じゃあ このまま どつか2人で行くってこと?

ねえ 3日後考えてみ。

どこ行くのかも知んねえ。

じゃあ例えば 地方行くとすんじゃん。

小さいアパートにさ 2人で一緒に暮らすとするじゃん。

でも3日後…

窓の外見ながら きっと泣くよ。

お母さんのことを思って泣くよ。

お兄さんのことを思って泣く。

お父さんのことを思って泣くよ。

菜緒は泣くだろ?

俺にはさ…

そんな菜緒を どうすることもできないんだ。

大人だね。

冷静だね。

大人になれよ。

冷静になれよ。

私のこと好きじゃないの?

それ本気でいってる?

中学生かよ…。

だって…不安なの

不安なのよ

私は あなたみたいに いっぱい恋してない

今それ ずるくねえ…? 今よ

今一緒にいたいの 今一緒にいなきゃ

ダメになっちゃう 信じろよ

私のために何かを捨ててよ

あなたの大切なもの 1つ捨てるくらいの私にしてよ

俺は捨てれない。

捨てれない…。

弟も母親も…

捨てられない。

親父亡くしてさ

俺までいなくなるわけ いかねえんだ…。

誰…?

お母さん…。

もしもし…。

あ…菜緒ちゃん?

お母さんよ。

元気なの?

うん。

そう よかった…。

お母さん 外なの?

ちょっとお父さんと ケンカになっちゃって。

え…どうして?

だってお父さん あんまり分からず屋だから。

あなた あんな格好で出てって寒くないの?

体 大丈夫?

大丈夫だよ 元気だよ。

そう。

菜緒…帰ってらっしゃいね。

お母さん待ってるわ。

じゃあね。

はい。

ごめん。

ホント私 中学生みたい。

俺達はさ…。

それぞれの場所に帰るんだよ。

それって…。

さよならする…ってこと?

だよね?

ああ。

クジラ見に行きたかったなあ… 一緒に。

いないかなあ。

いるわけないか。

なんで笑うの?

いやなんか…かわいいなあと思ってさ。

もういいよ いわなくて そんなこと。

もういわなくていいよ。

いいてえよ…。

一生分いいてえよ。

バカ…。

泣くなよ。

切なくなんじゃんかよ。

こっちだって泣きてえんだから。

当船は あと15分で横浜港に到着します。

当船は あと15分で横浜港に到着します。

あと15分…手つないでてもいい?

いいよ。

ねえ 1つだけさ

お願い事してもいい?

何?

菜緒さ 骨髄移植して

5年で もう大丈夫なんだよな?

うん。

今ちようど3年目だったっけ?

うん。

菜緒がちゃんと元気で生きてるかどうかさ

やっぱ心配だからさ 3年だけ

クリスマスイブとかにさ

あのベランダからさ

俺に あのオレンジのイガイガ 振ってくんねえかな?

振ったら振り返してくれる?

うん。

分かった…。

私 弘人の手 好き。

温かくて いつも握り締めてほしい時は

ギユってしてくれて

それがすごい好きだった。

僕達は長い長い残りの人生の

その中の15分間だけ手をつなぐ

こうして 僕の二十歳の恋は終わったんだ

く今も鮮やかによみがえる恋

あの船の上で本当は僕は こういえばよかったんだ

「時間をかけて整えようよ お互いの立場を」

「菜緒だって大学を卒業して」

「僕だって工場を軌道に乗せて…」

「そしたら僕達を取り巻く状況も」

「変わってくるかもしれないだろ?」

どうもすいませんでした。

本当にすいませんでした

もういいよ。

いってくるよ。

だけど あの時あの船の上で

あの強い瞳の前で僕は黙った

君の瞳は僕に時間の猶予なんて許さなかった

危ねえ。

もう ここで応えてもらわないと

この気持は死んじゃうという勢いだった

なんで?

「なんで」って? なんで別れたんだよ?

なんで諦めたんだよ

仕方ねえじゃん。

つうか お前だって前に「やめとけ」とかいってたよな?

俺は決心したんだよ お前らを応援するって。

なのに なんだよ 「仕方ねえ」じゃねえよ

お前は そうやって 自分を追い詰めるなよ

自分ばつか大人ぶりゃがって。

そんなんじゃなかったじゃねえかよ

子供の頃はそんなんじゃなかったじゃねえかよ

つうか おめえうるせえよ…。

ここ片付けといてよ。おい

ちょっと待てよ

菜緒ちゃん あんなに お前のこと好きだったのに

ひでえじゃねえか

もっとさ自分に自信持てよ

自分の人生 生きろよ 犠牲になるなよ1頼むよ

つうか お前 何そんな熱くなってんの?

つうか おめえ菜緒のこと好きだったんじゃないの?

何してんの。 おい 早く立てよ。

おめえみたいに お気楽に生きてるヤツにさ

俺の気持が分かるわけねえじゃんかよ なあ

亜裕太が 菜緒を好きだったことには

まるで気づいていなくて

こういっちゃなんだけど笑った

その時の俺らのケンカは3年ぶりぐらいのケンカで

なかなか激しかった

けど俺らのケンカは 子供の頃から3日と持たない

終わった?うるせえ。

あのケンカも 今となってはいい思い出だ

そういえば 釣りも行かなくなったな

よろしくお願いします。

とうとう僕らは

借金で回らなくなった工場を手放すことにした

決めてしまうと それはいい決断のように思えた

父親の残した工場を守ることが自分の務めと思ってたけれど

僕が一番に守らなきゃならないのは

弟と母親だ

母は水商売をやめ

廉の体調も安定し中学への進学を決めた

オレンジの…

あのオレンジのイガイガは

クリスマスイブに2年ほど光った

俺ももちろん 懐中電灯を振った

横浜中を照らす勢いで

3年目…オレンジは光らなかった

僕は光を見つけることができなかった

真つ暗だった

僕の心も真つ暗になった

僕は彼女が死んだとは思えず 「僕を忘れたんだ」と思った

なぜか何の迷いもなく そう確信した

死んだのは彼女ではなく

彼女の心の中の僕だ

今でも未練がましく思い出すんだ

「何かを捨てても私が欲しいといってよ」といった君

僕は…応えられない

僕は…何も捨てられなかった

母も弟も仕事も

君を連れて逃げる

…なんてことも できたのかもしれない

でも できなかった

所詮二十歳だった

僕達は やさしすぎて 幼すぎて

どうしょうもなく二十歳だった

こうして僕の二十歳の頃の恋は終わっていった

それにしてもあの頃…

ねえ 僕は君をちゃんと愛せてたかな?

弘人

おお~久しぶり

ウイツス。

ハハハ…お前 それ笑える。

お互いさまじゃんかよ。

慰め助け その命ある限り 誠実を尽くすことを誓いますか?

誓います。

新婦モリタミカさん。

あなたは こちらの男性を夫とし

神の御旨に従って 夫婦になろうとしています。

おめでとうございます

ありがとうございま~す ありがと。

おめでとう ミカ おめでとう

ありがとう。

おお~ おい おい おい。

ごめん ごめん… 構えなくてごめん。

何いってんだよ 主役が。

あ でも仕事忙しいんじゃねえの?

まあ 俺は雇われの身だし 今は楽。 ああ 前よりは。

もうすぐ4年目だろ? おう。

主任よ 売れてんの?車。

売れてねえ 売れてねえの?

セールスマンなんて もう大変だよ。ああ 確かにな。

あ この後さ一緒に飯食うの?

うん まあ。 じゃあ 俺も合流するわ。

「合流」って だって お前新婚だろ。甲

ほら早く…。 大丈夫 任せとけ。

しかし 甲が できちゃった結婚とはね。

あ 俺こないださ 子供のもの買いに付き合わされたよ。

マジで?

俺が浜松行ってる間に えらいことになってんね。

世も末だね…で 何買ったの?

なんか こういう手袋あんじゃん親指だけのやっ。

子供がほつべた こうひつかかないように…とかいって。

親バカだね。あいつ 親バカだな。

おっ いたいた。

傷をつくったらさ嫁に出せないとかって…。

お待た~

あ お前 本当に来たのかよ

大丈夫 大丈夫。

奥さんさ なんかちょっと疲れちゃったみたいで

ホテル帰ってバタンキユ~だからさ。そっか。

とりあえず 生でいい?生。

すいません すいません

生1つ。かしこまりました。

急ぎでお願いします。はい。

乾杯 乾杯

お疲れちゃん。おめでとう。

おめでとう ありがとう。

ああ うめえ

やっぱさ 男同士で飲む酒 超うまいね ああ。

実は…もう1人来るんだ。

どうしても お前に おめでとうっていいたいってさ。

え?誰?

裕子ちゃん。

は?リアリー?は?なんで?神戸から?

お前知らせたろ?結婚するって。

いや…だって ねえ 何もいわないのも水くさいべ。

だから一応 ハガキは送ったけど…。

電話かかってきてさ。

だから ここ教えといた。

そっか…。

なんか…なんか緊張すんね 緊張する なんか。

なんか いい関係なんだな。

え?

別れてもさ…。

別れてもいい関係なんだなあとか思って。

いや…別にケン力別れじゃねえし。

ほら お前が…。

お前が菜緒ちゃんと別れてから

俺らもこう…疎遠みたいになって まあ 自然消滅つつうか…。

向こうも大学卒業してから 神戸行つちゃったし。

あ でも こうやって 連絡は取り合ってて。

で 近況報告とか し合ってたんだけど。

家継いで 医者になるからっづって

医学部入り直すっつった時は ビックリしたけどね。

で まあ そうやって相談乗ってて

だんだん友達みたいになってったっていうか…。

なんかそんなこともあんだなあと思って。

弘人は?弘人は菜緒ちゃんと…。

こいつは無理だよ だってそんな器用じゃねえべ。

あ すいません

はい。たばこ…。

あ ここ置いてないよ。 あ…ごめんなさい。

じゃ 俺買ってくるわ。じゃあ 俺も

『LUCKYSTRlKE』

俺は お前のパシリか。

いいじゃん だって俺今日結婚式よ。

疲れてんの~

OK OK ボックスでいいんだよな?ボックス。

OK OK。

飲むの?これ グラスで渡せばいいのに…。

「飲め」ってことだよ。飲むよ。

菜緒さん

お待たせ…お待たせしました ハハハ

お待たせしました。はい。

弘人…。

こっち

おめでとう 甲君

ご…ごめんなさい あ…ありがとうありがとう…。

どうしたの? 何?

なんか む…昔に戻ったみたい…。

昔?私達 普通に付き合ってたじゃない。

いやいや違う もっと昔 はるか昔のこと…。

どんだけ戻れば気が済むんだよ。

昔の彼女の前であがるな 頑張れ 甲

アハハ相変わらず… 元気そうだね 亜裕太君。

あ…誰かお知り合いですか?

ちょっと…。

ああ…じゃあ 先 車回してきますから。

はい。

ビックリした。

結婚式…だったんだ。

え?

いや あ…甲の。

ああ…。

今 裕子ちゃんも来るって。

そこのレストランでいんだけどさ。

あ…私はちょっと…。

だよな。

うん 明日裕子には会うの。

あ そう…。

あっ…。

結婚すんの?

あ…うん まだ分からないけど。

今 いろいろ見てる。

そう。

あ…俺亜裕太達待ってるからさ 行くわ。

みんなによろしくいつとくね うん。

じゃ…。あ…。

俺は今 世界一カッコ悪いそ…

はい どうも~。

ねえ ちょっと飲み過ぎだって もうやめなよ。

大丈夫だって…。飲み過ぎだよ。

正体なく飲んで頭が痛くて吐いた

神様 いくつになったら人は大人になれるんだ?

教えてくれ

いくつになったら俺は

何かに傷ついたりヘコんだり あがいたりしなくなるんだ

吐くなよ 絶対吐くなよ

もう二度と会うことないと思ってたのになあ。

本当に結婚してくんだね。

うん…まあ

おばあちゃんのこととかあるしね 元気なうちに。

うん…。

でも どうして…どうして斉藤さんなの?

優しくて いい人だったから。

なんか いつもいるみたいで 安心できた。

ああ…。

私が甲君好きになった時みたいな 感じ…かな。

うん…。

あれから5人バラバラになっちゃったし

大学出て裕子も神戸に帰って

一人は寂し過ぎた。

社会に出て一人で立つっていうのはすっごく大変で。

あ もちろん家族の支えはあったけど

なんか いろいろ心配かけたくなくて

弱音吐けなかった。

そんな時 近くにいてくれた人だったの。

そっか。

菜緒の手紙とかメールに斉藤さんの話が増えてるなとは思ってた。

うん。

あ ねえ。

あの後 弘人と一緒だったんだよね?

ああ…。

気に…なる?

いや 別に

今はね あの工場たたんで

1年くらい前に磯子のほうに引つ越したんだって。

え…?工場やめたの?

うん あの工場って借地だったから

人件費と家賃…じゃないけど 借地代とコストかかって。

大体知ってたけど…。

今 お母さんは水商売やめて デパ地下のお総菜売り場。

安いよ~本日最後 30%引きですよ~

弘人君は大手の造船所に 採用してもらえたんだって。

今日から造船部に配属された 神崎弘人です

よろしくお願いします

そう…。

廉くんっていたでしょ あの 喘息だった…。

うん。

中学上がって 野球やってるんだって。

え?じゃあ よくなったんだ。

ああ…そっか~。

自分の家族みたいね。

え?

自分の家族みたいに心配して喜んで。

だって…。

菜緒も再発5年間なくって

もうすつかり大丈夫よって 弘人君に伝えたよ。

そう…。

そっか…あの工場もうないんだ。

なんか来年の春には 新しいマンションが建つらしいよ。

マンション?

うん 工場の機械とか まだ置いたままになってて

処分するの忍びないって いってた。

そう…。

ねえ 弘人君荒れてたよ。

菜緒が結婚するかもしれないって聞いて。

もうそんな…仕方ないよ。

リピートアフターミー。

はい…この『ロミオとジユリエット』から抜粋した文には

「as」が並列して 何回か使われていますが

何回使われていても 同じように訳すことができます。

おう。

元気じゃったけ? おう 元気しちよったよ。

おう 持つよ持つよ。仕事…?

お~すごくよか…。

はい もしもし。

斉藤です。

あ あの…明日の食事会の件聞きましたか?

あ…はい。

あの…いいでしょうか?

あ…はい。

本当にいいでしょうか?

なんで?

あ いや…。

おかしいよ 斉藤さん。

私達もう付き合って 随分経つのに…他人行儀。

こうしか喋れなくて…すみません。

謝らないでください。

あ…ああ 親父もおふくろも楽しみにしてますから

明日は よろしくお願いします。

ねえ これでいいかしら?

いいんじゃないか?

また 1秒も見てないんだから。

お兄ちゃん どう思う?

ああ…ちょっと若過ぎない?

あら失礼ね。

菜緒は どんな格好で行くつもりかしら?

お兄ちゃん何着ていくの?

えっ 俺も行くの?

うん。

越しちゃったのか…。

あっ…。

また会ったね あっ

一日で2回も会うなんてさ運命かな

待って 待てよ

そんなとっとと行くなって

見間違い…。

懐かしい…。

何してんの?

そっちこそなんでいるの?

機械売れたから整備してた。

なんで いるの?

そっちこそ何しに来たの?

弘人に会いに…。

それ…それダメでしょ。

だって あんた結婚すんでしょ?

痛いとこ突くな…。

結婚式いつなの?

まだ未定。

でも 今年中にはって…。

そっか。

幸せになれよ。

なんだよ その顔。

なんだろ…どんな顔してた?

お前はホントにずるいな。

そういうこと いうなよ。

ひどい どこがずるいの?

会いにきたりすんなよ。

最後の最後に…

そうやってひとの気持 もう1回かき回すようなこと すんなよ。

大丈夫 菜緒だったら どこに行っても幸せになれるよ。

どうして?

ん?

かわいいし

いっつも

ひとの気持に真剣に向き合ってそらさないし

誰でも愛したくなるよ。

大丈夫 頑張れよ。

弘人は?

ん?

弘人は大丈夫なの?

俺は…。

俺は…

別に何も変わんないつすよ。

これからも 今まで通りゃってくよ。

私の心配はいらないの?

あんたさ…結婚すんだろ?

そんな よその男の心配して どうすんの。

そっか…。

分かった。

じゃあ 行くね。

ああ。

あ 「ごめん」とかいうなよ。

「ごめん」は いうなよ。

なんで?

いや なんか いいそうだったからさ。

いわないよ。

ちょっと いいそうだったけど…。

ほら。

フフ…。

困るね。

こういうとこで笑つちゃって 楽しくなるのは違うよね。

菜緒…俺 別に楽しくねえ。

必死こいて こうやって 自分つくってんだ…。

だからカッコ悪くなる前にさ

行けよ…。

うん…。

好きだったよ。

知ってる。

何よ それ…。

じゃあ 行けないけど…行くね。

うん。

アハハハ…

達也さんは海洋生物学を専攻ですの?

はい。 まあ それは素敵なことでねえ。

いえいえ いや もうホント店を継ごう なんて気は全くないんですよ。

まあ…。 困ったもんです。

今はねえ しょうがないです。

お兄ちゃん。

あ…すいません。

あ ちなみにアンコウですけど

アンコウの仲間は 約25種類あります。

僕達日本人が食べてるのが

ほとんどが 「キアンコウ」という種類ですね。

大きな口にはたくさんの歯がついていて肉食性です。

あ~…。

ああ…斉藤さん。

ごめんなさいあの…できれば ちょっとお話ししたいんです。

今度あらためて。

あ はい…。

haveloved haveプラス過去分詞。

過去のある時からずっと

動作状態が現在まで続いてることを指します。

え~ つまり…。

アハハ…

過去のある一点から…。アハハ…

あ…。

ごめん ホントに当たると思わなかった。

あ 俺当たってないつすよ。お前じゃねえだろ。

じゃあ スタンドアップ プリーズ。

当たりついでに クロキ君 あそこ訳して。

ここ ここから訳してください。

え…私がですか?

はい 月丘先生は昔から

養護学校に行きたいっていう 希望があったでしょ?

北海道の初山別に 私の友人がやっている

養護学校がありましてね そこをどうかと思って。

ああ…。

行ってみますか?

あ…いえ あの…

私 今度 結婚するんです。

おい 無理すんな はい 全然大丈夫です

楽勝です。

足場悪いから気をつけろよ。はい

危ない

大丈夫か?

ケガないか? すいませんでした

神崎いなかったら死んでたぞ

ちょっとのことでもな事故につながるんだ。

やめろ

いや…原田さん 誰もケガしないで済んだんで…。

大丈夫か?大丈夫で~す。

分かりました。

気を悪くなさった?

いえ…僕もちょっと 気になってたんです。

お話が聞けてよかったです。

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