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作者:日-北川悦吏子 当前章节:10024 字 更新时间:2026-6-15 19:54

おい みんな飲み会行ったぞ。

お前行かないのか?

よく働くなあ あんまり根詰めるな 今日はもう帰れ。

もう少しだけ。

なんで そんなに頑張るんだ?

弟…

弟をちょっと大学まで 行かせてやりたいなと思って。

ああ 野球やってる弟か。

はい。ピッチヤーだつけ?

あ この間 関東大会出たんですよ ウチの弟 ピッチヤーで。

結構すごかったんです。

お前の嬉しそうな顔は いつも あれだな。

ひとのことばっかり。

もっと自分のことで楽しめ。

少しはなあ 自分のための人生生きろ。

なんか…よく分かんないんすよね 自分のためって。

今まで そういうふうに 生きてこなかったんで…。

安いよ 安いよ 残りわずかだよ 持ってって

いらっしゃ~い

すいません。

ありがとうございました ありがとう

あの…。

あの~。

いや あの…月丘さんじゃありません?

ええ。

元町の『スタージユエリー』の?

そうですけど…。

あの…いえ 何でもないんです。

前に雑誌でお見かけしたことがあって思わず。

すいません…。

いえ。

あ…廉 いないんだった。

あ あいつ合宿いつまで?

え?廉。

ああ 明後日までだよ ほら。

なんで そんなボ~つとしてんの?

ん?いや…。

なんだよ…。

新郎様 お待たせいたしました ご準備 整いました どうぞ。

ホントに おきれいで。

菜緒さん。はい。

ちょっと その辺 腰かけませんか?

はい。

あのドレス 足りなかったなあ…。

似合ってたけど 何か足りないと思いました。

あ…ちょっとシンプル過ぎるん でしょうか?デザイン。

違います。

足りないのは…菜緒さんの笑顔です。

え?

これから僕がいうこと間違ってたらいってくださいね。

僕らは もともと社長に…

あなたのお父さんに引き合わされた。

僕だったら お父さんは

いや お父さんもお母さんも お兄さんも安心する。

どうやら悪いひとでもなさそうだし 仕事もちゃんとする。

浮気は?しそうもない違いますか?

ちょっと そう思ったところも…。

じゃあ 僕も本当のこといいます。

菜緒さんはメチヤメチヤかわいい。

常識もあるし どこに出しても恥ずかしくない。

それに…

社長の娘さんです。

将来 おいは会社の中で

よかボスト もらえるのかもしれない。

いや 継げるのかもしれない。

おいだって人間じゃて 最初は そんな打算もありました。

ただ…ひとつだけ

僕は菜緒さんと違ったんです。

僕は あなたのこと 本当に好きになったんです。

本当に好きになったからこそ

あなたの気持が 僕にないのは分かるんです。

付き合い始めに いいましたよね。

「ゆっくりでいいです」

「ゆっくり好きになってもらえればいいから」って。

祈るような気持でした。

斉藤さんがあんまりに真つすぐだったんで

真っすぐ私に来てくれたんで

私は…いつかの自分を見ているような気がして…。

やめましょう 結婚は。

社長には僕から話します。

でも…。

おいに任せつくれよ。

最後ぐらい カッコつけさしてください。

じゃあ。

…が6500

CRPは9.5にて 感染性胃腸炎を疑い

現在精査中です。

本宮さん。はい。

感染性胃腸炎の原因を君は知っているかね?

ウイルス性感染や病原性大腸菌などの

細菌性によるものがあります。

まだ2年生だったね よくできました。

では続けます。

おとといのタ方から…。

あもしもし裕子?ごめん授業中だった?

ううん もう平気。

どうした?

私ね 北海道の養護学校 やっぱり行ってみようと思うの。

え?

え?本当によろしいんですか?行かれるんですか?

はい。

前々から考えてたみたいですよ。

え?

就職した頃から家を出て 1人でやってみたいって。

あの子は自分の将来の図面を引いてたんですよ。

独り立ちしょうって。

あなた知らないでしょ?

家にもお金を入れて それで貯金もしてたのよあの子。

しかし 切ないな…お母さん。

金を出せなくなったら一体 私は何をしたらいいんだ娘に…。

弱気ですね いつになく。

体が弱くて ちょっと時間がかかったけど

やっと大人になってくんですよ。

そうだな…。

どうした?

あっ 菜緒ちゃんがさ。

菜緒ちゃんが結婚やめて 北海道行くらしいんだ。

は?

え?あのコんとこに?

うん…この間偶然会ってさ。

亜裕太と甲も集まるみたいだから ちょっと…。

ああ なんか どっか遠く行くみたいでさ。

そう…。

弘人…。ん?

おかあちゃんも…おかあちゃんも連れてってくんない?

え?

なあ…。大丈夫だって。

おばさん…。

ごめんなさい。

あら どうしたの?

あら。

え…?

弘人の母です。

あ…この前。

『松坂屋』の地下で…。

あの時 本当は名乗り出て謝りたかったんです。

本当に申し訳ございませんでした。

あ…あの もう頭上げてください どうぞお上がりになって。

ねっ。でも…。

こんにちは おいっす

お~弘人 あれ?おばさん。

もう みんな来てたんだ。

あ じゃあ お母さん

ちょっと神崎さんと近所でお茶飲んでくるわね。

あ…あ でも。

だって ここは若い人達ばつかりで落ち着かないわ。

菜緒 お母さんのコート持ってきてくれる?

はい。

その節はウチの母が本当に申し訳ありませんでした。

ううん 菜緒にも話聞いてたけど

廉君…弟さん 治って 本当によかったわ。

私 あなたのお母さんの気持よく分かるわ。

子供が体が弱いって 本当に悲しいものよ。

まして お母さん1人で…。

大変なこと たくさんあったのよね…。

私 あなたのお母さん決して悪いひとじゃないと思うわ。

はい お母さん。ありがとう。

じゃあ あとお願いね。

ワインも出てるし あとはカズさんと。

はい。

じゃ いってきます。いってらっしゃい。

行きましょう。

どうぞ。

菜緒ちゃん 頑張って 乾杯 乾杯

このトマト超うめえぜ。マジで?

あそこにさ…。でっかいどう?

大丈夫か?亜裕太。ヤバイ こぼした こぼした

こぼすな亜裕太。おい おい

お前じゃないっつの。

乾杯

菜緒ちゃん おめでとう 頑張って。 はい

危ない お前飲み過ぎだし酔い過ぎだよ。

いや だってさ 大ロの契約 初めて決まってさ。

分かったよ それ32回目 しつこいよ

いいじゃねえかよ 俺は嬉しいんだよ 嬉しいの

久々に昔の仲間に会って。

ちょっと飲み過ぎじゃない?

あ 水持ってくるよ。

うん こっちある。

でもさ かなり思い切ったよね 1人で北海道でしょ?

うん。いや でもね すごくいいと思う。

いいよいいよ…そういう 「夢がある」みたいのいいと思う。

でも 分かんねえもんだな人生。

まさか こういう展開になるとは思わなかったよ。

うん…あの頃 まだみんな子供で 若くて…。

なんか ちょっとかわいかったね。

そうそう…覚えてる?

みんなで昔 祭りに初めて行った時さあ

菜緒ちゃんが「あのオレンジの欲しい」とかっつってさ

弘人 戻ったべ?

ああ あった あったね?

あ…うん。

んなことあったっけ?

あったじゃんか天神祭り。

菜緒ちゃんが「あのオレンジの やっぱり欲しい」とかっつってさ

なんか こう水風船みたいなやっ。

あった?全然覚えてないんだけど。

なんで?

なんで そんな大事なこと忘れられるんだろ?

は?

気にしないで 独り言だから。

いや 独り言になってないから みんなに聞こえてんじゃん。

だから ちょっとビックリしただけ。

なんで あんな大切なこと忘れられるんだうって。

ちょっと 亜裕太君が変なこというからでしょ。

すいません…。

あの時 私達 初めて手つないだんだよ。

そうだっけ?

つうかさ 手えっないだとかさ 中学生じゃねえんだから…。

信じらんない。

ねえ 私の思い出返してよ 大事にしてたんだから

何それ…何?その言い方。

だって勝手に結婚してくのそっちだろ?結婚やめたじゃない

やめたって結婚しょうとしてたじゃんかよ。

やめて とっとと 北海道行くのそっちじゃん。

「とっとと」って何よ

北海道行くのやめてほしいなら

「やめてほしい」っていえばいいじゃない

「行くな」とかいわないの?

行けば?

別に「やめてほしい」なんて これつぼつちも思ってねえし。

だって養護学校の先生になるのが お前の夢だったんでしょ?

じゃあ 頑張ればいいじゃん。

だから今日も こういうふうに みんなで集まってんじゃないの。

ふ~ん…。

自分の気持はないんだね。は?

弘人って いつつもそうだよ

壁つくって ひと入れないようなとこあるんだよ

ひとの陣地に入ってこなくて 自分の陣地にも ひと入れないんだよ

弘人はちゃんとひとを好きに なることなんてできないんだよ

タバコどうしたつけ…。

持ってなかったっけ…。

じゃ 俺帰るわ。

弘人…。

弘人は ちゃんと ひとを好きになることなんて

できないんだよ

ったく 勝手なことばっかいいやがって…。

3年目 振らなかったの そっちだうつつうの。

じゃあね。

バイバイ。じゃあね 気をつけてね。

また。気をつけて。

菜緒ちゃんさ。うん。

来月の末?…に ほら 北海道行くっていってたじゃん。

ああ。

どうする?うん?

いや たぶん 俺 どうせ近くにいるし

あれだったら 見送りに 行ってやろうかなと思って…。

ああ じゃあ俺も もう1回出てこようかな。

裕子ちゃんの大学も春休みだし 呼べば出てくるんじゃないか?

ああ。何だよ

いやさあ 全然みんなで 会ってなかったわけじゃん?

なんか 1回会っちゃうと なんつうか離れるの惜しいっていうか…。

ああ。

なんか もう ああいうの できそうでできないんだよね。

仲間っつうの? ああ。

でも 1回できただけでもよかったんじゃないか?

うん そうだな。

というわけで

私も皆さんと一緒に この学校を卒業して

北海道の養護学校に 行くことになりました。

そう 頑張ってくださいね。

はい ありがとうございます。

もう お兄ちゃん…。ほら これ お母さんがガムテ。

サンキユ。

あ ここに積んどいた荷物全部送っといてね。

お前 ギリギリだな 発つその日まで。

いいでしょ 間に合ったんだから。

いよいよ 行くんだな。

うん。

頑張れよ。

うん。

つうか お前 マジしつけえな。

だって 俺 電話でも 行かないっていったじゃん。

ホントは怖いんだろ?

この前 菜緒ちゃんもいってたけど。

自分で壁つくって

傷つかないようにするようなとこ あるもんな?

つうか マジうぜえんだけど。

いや…ほら だって もうやったじゃん送別会とかさ。

それで十分じゃん。じゃあ もういいよ。

俺 間に合わなくなるとヤバイから もう行くわ。

何やってんの? ん?

まあ一応 思い出の場所なんで。

ふ~ん。

あ ねえ リムジンバスの時間まで まだあるよね?

うん 大丈夫。

私ね 実はもう1つ 行きたいとこあるんだけど。

付き合ってもらってもいい?

うん。

懐かしい。

潮風の匂いがたまにするの 風向きで。

変わってない。

いいの?置いてって。

何を?

あなたの大事なもの。

持ってけないよ 大っき過ぎて。

思い出だけ持ってく。

えっ 何?

何だろ?

クジラ?

菜緒の誕生日に 渡すつもりだったんだね。

かわいいね これ。

ホントだ かわいい。

お礼…いいたかったな これの。

え?は?弘人の工場?

そうよ 今すぐ 弘人の工場…。

だって…え?リムジンバス 出るとこじゃねえの?

自だから それは 「行かない」って聞かないのよ。

私も電話したし 亜裕太君も電話したけど。

で 弘人の工場。

そう 最後のチヤンスなんだからね 分かった?

分かったけど え~裕子ちゃん それ できっかな…。

ハードル高くない?

「できるかな」じゃないの 何がなんでもなの…

ごめん ちょっと切るね。

電話 そこね。 すいません。

はい。

すぐ…すぐ来てくれ

どうした?

嫁さん…嫁さんが産気づいちゃって。

このままじゃ…このままじゃ死んじゃう

甲 落ち着け 今どこにいんの?

お前ん家の昔の工場。

なんで?

いや あの ほら 嫁さんとドライブしてたら

「あんたの青春時代の思い出の場所見たい」とかって…。

おい お前 今 弘人来っからな 待ってろお前

おい 寝るな お前 寝たら お前死ぬぞ

分かった?お前

あ そうそう それでさドライブしてて近く通ったからさ 寄ってみたの。

なれしてそしたら「お腹痛え」とかって産気づいちゃって。

焦ったら 機械の下敷きになつちゃったの

は?

鉄板 こう曲げる機械あったろ あれの下敷きになつちゃった。

マジ?じゃあ 分かった 俺 すぐ行くからさ

あ その前に お前救急車…。

それは呼んだけど 呼んだけど…じゃあ お前もすぐ来て

すぐ 分かった じゃあな

あ ちょっとごめんなさい 俺ちょっと早退します。

いや でも どうかな?これ無理あんべよ。

これで来たら あいつ 相当バカだな。

あれ?あいつは?

思い出の場所に来て 産気づいて機械の…機械の下敷き?

なんだ それ。

はあ~騙された。

なんだよ でも なんで?

「弘人…」

「ここから弘人が明かりを振ってくれてたのかな?」

「もしかしたら3年目も見てくれてたかな?」

「入院してて振れませんでした」。

「そのことを伝えるすべもありませんでした」。

「でも もう1年待ったの」。

「4年目 私 振ってみたんだ」。

「そしたら応答はありませんでした」。

「私は どこかでずっと」

「弘人が私を見ててくれるような気がしてた」。

「そんなわけないのにね」。

「でも だからシヨックでした」。

「勝手なことばつかりいってるね」。

「ひとに頼ってばつかりで」

「こんな根性のない自分とさよならするために」

「ここはひとつ1人で頑張ってみようと思います」。

「北海道行きます」。

「弘人も頑張ってね」。

「もう会えないのかもしれないけど」。

「私 あなたのこと忘れません」。

「ねえ 弘人」。

「私 あなたが大好きでした」。

「そして 今もやっぱり好きです」。

「でも大丈夫」。

「あなたと過こした時間が」

「いくつかの思い出は私の宝物です」。

「弱虫で泣き虫で どうしょうもない私の」

「たったひとつの よりどころです」。

「ねえ 私は 本当に本当に」

「心の底からあなたを愛してたんだよ」。

「いつまでも話してたいけど さよなら」。

「時々 心の中で あのオレンジの明かりを振ります」。

「あなたには」

「弘人には分かるような気がして振ってしまいそう」。

「そしたら もし感じたら 振り返してね」。

「菜緒」。

行つちゃったね。なあ。

よお

弘人? 弘人だ。

行こう。 行こう。

荷物 持つ。 ありがとう。

バス 待って そこのバス

待って

菜緒

弘人…。

バス…バス

運転手さん 止めてください

どうした?弘人。

「どうした」じゃねえよ…。

勝手に行くなよ。

あんな手紙残してさ

勝手に行くなよ。

だって…。

つうかいえよ「入院してて振れなかった」ってさ。

ちゃんといえよ。

だって…。

「だって」じゃねえよ…。

頑張れねえかな?

今から俺達 頑張れねえかな?

前は無理だったけどさ

今だったら その壁つつうか 一緒に越えられねえかな?

すみません ちょっと時間が…。

私降ります 行ってください

お前バスいいの?

いいよ 飛行機はいつだって飛ぶもん。

弘人は今しかいない。

頑張る 乗り越える2人で頑張る

もう1回頑張る でも

うん 養護学校の先生はちゃんと頑張んだからね。

うん。

応援すっから。

うん。

でも俺達 付き合うからな。

うん。

遠距離恋愛ってやつ?

フフ…でも いつも一緒だから。

うん。

そいで…そいで一緒になるから。

うん

「うん」って返事早え~よ。

一応 プロポーズなんだからさ。

いいよ 了解

了解。

え?

スーツケース

スーツケース忘れた

どこに? バスん中…。

マジで?

マジで。フフ…バカ。

どうした?

スーツケース え~?

スーツケース

弘人 どうした?

僕は 君といると

探し物ばかりしてるんだ…

よし

よいしよ じゃあ行ってくんね。

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