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作者:日-二叶亭四迷 当前章节:1488 字 更新时间:2026-6-16 03:24

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浮云

二叶亭四迷

 浮雲はしがき

 薔薇(ばら)の花は頭(かしら)に咲て活人は絵となる世の中独り文章而已(のみ)は黴(かび)の生えた陳奮翰(ちんぷんかん)の四角張りたるに頬返(ほおがえ)しを附けかね又は舌足らずの物言(ものいい)を学びて口に涎(よだれ)を流すは拙(つたな)しこれはどうでも言文一途(いっと)の事だと思立ては矢も楯(たて)もなく文明の風改良の熱一度に寄せ来るどさくさ紛れお先真闇(まっくら)三宝荒神(さんぽうこうじん)さまと春のや先生を頼み奉(たてまつ)り欠硯(かけすずり)に朧(おぼろ)の月の雫(しずく)を受けて墨摺流(すりなが)す空のきおい夕立の雨の一しきりさらさらさっと書流せばアラ無情(うたて)始末にゆかぬ浮雲めが艶(やさ)しき月の面影を思い懸(がけ)なく閉籠(とじこめ)て黒白(あやめ)も分かぬ烏夜玉(うばたま)のやみらみっちゃな小説が出来しぞやと我ながら肝を潰(つぶ)してこの書の巻端に序するものは

 明治丁亥(ひのとい)初夏

二葉亭四迷

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 浮雲第一篇序

 古代の未(いま)だ曾(かつ)て称揚せざる耳馴(みみな)れぬ文句を笑うべきものと思い又は大体を評し得ずして枝葉の瑕瑾(かきん)のみをあげつらうは批評家の学識の浅薄なるとその雅想なきを示すものなりと誰人にやありけん古人がいいぬ今や我国の文壇を見るに雅運日に月に進みたればにや評論家ここかしこに現われたれど多くは感情の奴隷にして我好む所を褒(ほ)め我嫌(きら)うところを貶(おと)すその評判の塩梅(あんばい)たる上戸(じょうご)の酒を称し下戸の牡丹餅(ぼたもち)をもてはやすに異ならず淡味家はアライを可とし濃味家は口取を佳とす共に真味を知る者にあらず争(いか)でか料理通の言なりというべき就中(なかんずく)小説の如(ごと)きは元来その種類さまざまありて辛酸甘苦いろいろなるを五味を愛憎する心をもて頭(アタマ)くだしに評し去るは豈(あに)に心なきの極ならずや我友二葉亭の大人(うし)このたび思い寄る所ありて浮雲という小説を綴(つづ)りはじめて数ならぬ主人にも一臂(いっぴ)をかすべしとの頼みありき頼まれ甲斐(がい)のあるべくもあらねど一言二言の忠告など思いつくままに申し述べてかくて後大人の縦横なる筆力もて全く綴られしを一閲するにその文章の巧(たくみ)なる勿論(もちろん)主人などの及ぶところにあらず小説文壇に新しき光彩を添なんものは蓋(けだ)しこの冊子にあるべけれと感じて甚(はなは)だ僭越(せんえつ)の振舞にはあれど只(ただ)所々片言隻句(せっく)の穩かならぬふしを刪正(さんせい)して竟(つい)に公にすることとなりぬ合作の名はあれどもその実四迷大人の筆に成りぬ文章の巧なる所趣向の面白き所は総(すべ)て四迷大人の骨折なり主人の負うところはひとり僭越の咎(とが)のみ読人乞(こ)うその心してみそなわせ序(ついで)ながら彼の八犬伝水滸伝(すいこでん)の如き規摸の目ざましきを喜べる目をもてこの小冊子を評したまう事のなからんには主人は兎(と)も角(かく)も二葉亭の大人否小説の霊が喜ぶべしと云爾

第二十年夏

春の屋主人

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 第一編

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