饭饭TXT > 海外名作 > 《恋空(日文版)》作者:[日]美嘉【完结】 > koizora.JP.txt

第五章 命.3

作者:日-美嘉 当前章节:8041 字 更新时间:2026-6-15 17:36

病室に お母さんがやって来た。

「今からお父さんとお姉ちゃんに伝えてく るから…」

そう言い残し、 去っていった。

一人で窓の外をボーっと見ていた時、 病室のドアが開く音が聞こえて振り向く。

アヤとノゾムだ。 二人はお花を持って、

お見舞いに来てくれたみたい。

アヤの目は すごく腫れている。

「お母さんから聞いたよ…美嘉、辛いけどあ たし美嘉のそばにいるから」

「俺絶対誰にも言わねぇしアヤが言う通り俺 らがそばにいっから」

ノゾムとアヤは 励ましの言葉をくれる。

「ん……ありがとね」 無理に笑うことしか

出来ない。

まだ信じられないよ。 だってまだお腹に赤ちゃんいるんだよ??

なんで動かないの??

ねぇ… ずっと気付かないふりしてたけど、

ヒロがいないよね。

「…ヒロ…は??」 目を合わせて気まずそうな顔をする二人。

「ヒロ君美嘉のお母さんから流産したって 聞いた時走ってどっかに行っちゃったの…」

「俺追い掛けたけど、追い付けなくて…」

「そっかぁ………」

ヒロも辛いよね。 赤ちゃんすごい楽しみにしてたもんね…。

その時

♪ブーブーブー♪

枕の下に置いてあった PHS のバイブが鳴った。

ヒロかも…。 枕の下に手を入れる。

【受信メール 1 件】

震える手で

受信 BOX を開く。

…地元の友達から。

がっかりしながらふと PHS の裏側を見た時 昨日四人でとったプリクラが貼ってあるこ とに気付いた。

この時はもう赤ちゃん動いてなかったのか な。

昨日まであんなに楽しかったのに…。

「もう大丈夫だから、ありがとねっ!!」

アヤとノゾムにお礼を言い、玄関まで見送った。 二人と入れ違うかのようにお姉ちゃんとお

父さんがお見舞いに来た。

二個上のお姉ちゃんはいつも学校やバイト が

忙しそう。

お姉ちゃんとは姉妹と言うより仲のいい友 達みたいで、 今回の妊娠のことも何度か相談しようと迷 ったけれど結局話せなかった。

お姉ちゃんは美嘉が退屈しないようにと お菓子やマンガを買って来てくれた。

プチ家出をしてしまった手前、 お父さんの顔が見れない

親を裏切ったから バチが当たったのかな。

布団を深くかぶり、 窓のほうを向く美嘉。

お父さんは何も言わずに布団の中から美嘉 の手をそっと取り出し 両手で包むようにして握った。

そっぽを向いていたからわからないけれ ど、

きっと…泣いている。

だってね、 握った手が震えていたから…。

お父さんお母さん 言うこと聞かずに勝手なことしてごめん ね。

お姉ちゃん、 いつも1番に相談してたのに話せなくてご めんね

美嘉が、 美嘉がもっと強かったら肩を押されたくら いでシリモチついたりはしなかったのか な。

赤ちゃん助かったかな…

夜になり面会時間も終わる頃、 お父さんとお母さんとお姉ちゃんは心配そ うな顔をしたまま家へと帰って行った。

ヒロは結局 来なかった。

連絡もない。

ヒロは美嘉がピンチの時に助けに来てくれ る

スーパーマンなのに…。

不安な時はずっと手を繋いでいてくれたよ ね。

おかしいな。

病院の夕食に手をつけず窓の外をじっと眺 めていた。

雪が降っている。 昨日指輪をプレゼントしてくれて、

外でマフラーを巻いてくれたね。

「赤ちゃんに」って 黄色い手袋を買ってくれてた。

昨日の出来事なのに、 昔のことのよう…。

ヒロのことを考えると胸がぎゅっと締め付 けられて、 それと同時にお腹がズキッと痛む。

ヒロ… ヒロに会いたいよ。

いつもの笑顔で

「産んで」って言ってほしいよ。

「大丈夫だから頑張れ」って言ってほし い…。

赤ちゃんはどうなっちゃうの?? 一人じゃ不安だよ…。

ひんやりと冷たい布団にくるまり、 窓の外を見つめながらヒロを待っていた。

気付けば朝。 ベッドの周りに、

昨日は無かったはずのカーテンがかけられ ている

まわりがとても ざわついている。

カーテンを開けて入って来る看護士。

「まわりうるさくてごめんね。みんな今日 手術予定の人達なんだよ!」

そう言って慣れた手つきでお尻に注射を打 ち、

点滴をさしていなくなった。

手術って、 中絶手術??

美嘉… 中絶なんてしたくない。

産みたいよ…。

この病室で産みたいのに産めなくなった人 って、何人いるのかな…??

隣のベッドからは、 カップルの楽しそうな笑い声さえ聞こえて くる。

どうして 笑っていられるの??

一人の命がもうすぐ絶たれようとしてるん だよ?

あんな小さい体で一生懸命生きていて、 いつか明るい光見る事を夢見て頑張ってる

のに…

産めない理由は人それぞれだからしかたな いね。

でも 美嘉は笑えない…。

例えヒロがここにいたとしても笑ってな い。

看護士が 再びカーテンを開けた。

「手術室へ移動しますよ~。」 心の準備が出来ていないまま、

タンカに乗せられる。

枕元に置いておいたヒロからもらった手袋 を持って行こうと手を伸ばしたが、 結局あと少しというところで届かないまま 手術室まで運ばれてしまった。

美嘉は 一人ぼっちだ…。

薄暗い電灯に 手術台を囲む二人の看護士。

手術台に乗せられ、 パンツを脱がされる。

手足をベルトみたいなものできつく固定さ れた。

レイプで手足を押さえ付けられた時の記憶 がよみがえる。

これから始まる手術の不安が押し寄せ、 体は震えていた。

逃げたくても もう逃げられない。

看護士は 腕にチクッと注射を打った。

「目を閉じてゆっくり 3 秒を数えて下さい ね。1‥2‥3」

意識が なくなってゆく…。

夢を見ていた。 ヒロが赤ちゃんを優しく抱いていて、

ヒロも赤ちゃんも幸せそうに笑っている。

美嘉はなぜかそんな二人を遠い場所から 見ていた。

そんな夢…。

眩しい太陽の光で 目が覚める。

気が付くと、 目からは涙がこぼれ落ちていた。

ガバッと勢いよく起き上がろうとしたけれ ど まだ麻酔が切れていなかったようでベッド に倒れこんだ。

「大丈夫?」 お母さんが

美嘉を抱き起こす。

「お母さん…」

「手術無事成功したよ。お父さん仕事でお 姉ちゃん学校あるから…みんな心配してた よ!」

ズキッと痛むお腹。 そう言えば手術して…

それで赤ちゃん…

「お母さん…ヒロは………??」

重い体を支えながら か細い声で小さな望みを託す。

黙り込むお母さん。 それは悲しい結果を表している。

ヒロ…来てくれなかったんだ。 嫌われちゃったかな…。

「もう少しで麻酔さめると思うから、それ まで寝てなさい」

お母さんに優しく布団をかけられ、 そのまま眠りについた。

目が覚めたのは夕方。 麻酔は

すっかり切れている。

服に着替え直し、 病院を出る準備を始めた

まだ少しだけ出血していたので、 トイレに駆け込みパンツにナプキンをつけ る。

お母さんに支えられながら、 看護士に挨拶をして病院を出た。

眩しい夕日に目を 手で覆ったその時…

「……ヒロ」 病院の玄関前に

ヒロが立っている。

「先帰るから何かあったら電話しなさい よ。ちゃんと家に帰っておいで、待ってる からね!」

気をきかせてくれたのかお母さんは帰って 行った

「ヒロ…!!」 痛むお腹をおさえながらヒロがいる場所ま

で走りヒロが着ているコートのそでを強く 引っ張った。

「なんで来てくれなかったの??美嘉一人 で寂しかった…怖かったよ…」

立ち尽くしたまま ヒロの手を握る。

氷のように冷たい。 背伸びをして

ほっぺを両手で触る。

やっぱり冷たい…。 頭にはたくさん雪が積もっている。

「どうしたの?なんでこんなに手もほっぺ も冷たいの??」

ヒロは遠くを見つめながら話し始めた。

「ずっと お祈りしてた…」

「…お祈り??」 右手を前に出し、

グーに握りしめていた指をゆっくり開くヒ ロ。

ヒロが握っていたのは、小さなお守り。

【安産】 と書かれている。

ずっと握っていたのか、ヒロの汗で少しし めっていた。

「ずっと神社でお祈りしてた…俺と美嘉の 赤ちゃんが、助かるように…ずっとお祈りし てた…」

美嘉は その場で泣き崩れた。

我慢していた涙が 一気に溢れ出る。

「ヒロ、もう赤ちゃんはいないの。美嘉の お腹に赤ちゃんはもういないんだよ…」

ヒロの手からは 安産のお守りがポトリと落ちた。

雪の上に座り込む。

もう 赤ちゃんはいない…。

わかってた。 だけど…。

例え生きていなくても… ずっとお腹の中にいて欲しかった。

二人の赤ちゃん。

ずっと一緒に…。 座り込み

美嘉の体を強く抱きしめるヒロ。

落ちた涙が 雪を溶かす。

二人は抱き合ったまま、子供みたいに声を あげて泣いた。

地面に落ちた安産のお守りの上にはいつし か雪が降り積もり、 だんだん見えなくなっていく…。

涙も渇き落ち着いてきた頃…

「やべ…美嘉のコートに鼻水たくさんつい ちゃった」

涙と鼻水でぐじゅぐじゅの顔を見合わせる 二人。

「俺かっこわりぃな」

「ヒロっ鼻水すごいよ!!」

「お前も出てんぞ~鼻水!」

お互いの鼻水を指で拭きながら二人はクス ッと笑い 大粒の雪が降るなか手を繋いで家へと帰っ た。

ヒロとの絆が深くなった…そんな日だった。

それからしばらくは家で安静にして、 ヒロは毎日お菓子を持って会いに来てくれ た。

ヒロのお父さんやお母さんも美嘉の家に来 て、 親同士で話し合いをしているみたいだっ た。

アヤ・ノゾム・ヒロのお姉ちゃんのエリさんは毎日 のように連絡をくれる。 心配してくれているのだろう。

流産したことは、 とてもショックで辛くて苦しい…

だけど 家族や友達やそしてヒロがいて良かったと 改めて知ることができたんだ。

手術から 5 日後の

12 月 30 日。

今日は 手術後の検査日。

普通検査は手術から一週間後にするはずな のだが明後日から正月ということもありこ の日にしてもらったのだ。

ヒロと病院へ行った。 受付をして、

診察室に呼ばれ診察台に乗る。

冷たい器具を入れられるのは大分慣れてき た…。

診察台の横にあるモニターを見て、

もう赤ちゃんがいないことを実感する。

診察室に戻り、 医者の言葉を待った。

「異常はないですね。大丈夫です。」 とりあえず

胸を撫でおろす。

「しかし…」

「えっ??」

「もしかしたらこれからは赤ちゃんができ にくいかもしれないですね…」

「………それって…」

「絶対できないわけじゃありません。ただ、 できにくくはなってしまうかもしれません ね…」

「それって流産したからですか?!」

「できる方法はたくさんあります。大丈夫 です。もっと詳しく検査したほうがいいと 思います。明日病院に来てもらえますか?」

「わかりました……」

できにくいって?? もう赤ちゃん できないの??

流産したら次から流産しやすくなるって聞 いたことあるけどそれが原因??

会計をして医者の衝撃的な言葉を思い出し ふらふらしながら帰ろうとした時、 一人の看護士に呼び止められた。

「これね、あなたのお母さんから預かった ものなんだ。お母さんはどうしたらいいか わからなかったみたいでね、私が預かった の。どうしようかなぁと思って…本当は処分 しなきゃならないんだけどどうしてもでき なくて…」

差し出したのは 二枚の写真。

赤ちゃんの、 エコー写真。

「まだ生きていた時の写真だよ!」 そっと

写真を受け取った。

「…ください……」

二枚の赤ちゃんの写真。 白黒だけど、

形ははっきりしている。

写真の中には、 小さい文字で何か書かれていた。

【’00/12/09*17:08:18】

…きっと 12 月 19 日 17 時 08 分 18 秒に この赤ちゃんの写真が撮られたんだ。

【’01/07/16】

…7 月 16 日が 産まれる予定日だったのかな。

【7 ㎜】

…赤ちゃんの大きさが

7 ㎜だったのかな??

小さいね。 そんな小さい体で生きてくれてたんだね。

写真を握りしめて ヒロのもとへ走った。

赤ちゃんが生きていた頃の写真を握りしめ て…。

荒い息のままヒロに写真を手渡すと、 ヒロは写真をじっと見つめたまま受け取っ た。

「この写真…」

「うんっ………」

「…俺らの赤ちゃん?」

「そうだよ!!」

「ちっちぇーな。美嘉に似てちびっこじゃ ねぇ?きっとかわいかったんだろうな…」

ヒロは下を向き、 写真の上にポツリと涙を落とした。

「手袋はめさせてやりたかったな…」

本当はね、 もう赤ちゃん出来ないかもしれないって言 われちゃった。

でも、 今は言わないほうがいいよね…。

「またいつか産まれる二人の赤ちゃんを、 この子の分まで幸せにしてあげようね…!!」

ヒロは下を向いたまま、大きくうなずいた。

次の日。

12 月 31 日、 今日は大晦日。

お昼にヒロと 待ち合わせをしている。

水子の供養に行くのだ。

病院へは行かない。 もう赤ちゃんが

出来ないかもしれない…

結果を聞くのが怖い。

「…かもしれない」ならまだ望みはあるか ら。

ちゃんとした結果を知りたくないから病院 へは行かなかったし、 誰にも相談しなかった。

インターネットで水子供養をしてくれるお 寺を調べ二人で行くことに決めた。

列車に乗って 予約した時間にお寺を訪れた。

お坊さんが優しく中に案内してくれて、 座布団に座りながら流産したことを伝え る。

供養は終わり、 お坊さんは話し始めた。

「赤ちゃんは女の子だったみたいですね。 亡くなった赤ちゃんのことは、ずっと忘れ

ないであげて下さいね。それが赤ちゃんに とっては1番の供養なんですよ」

正座をしたまま おそるおそる質問する。

「赤ちゃんは、天国に行けますか??」

お坊さんは 優しく笑って答えた。

「大丈夫ですよ。赤ちゃんはちゃんと天国 に行きます。あなた達を怒ったりはしてい ません。またいつか、あなた達の所へ戻っ て来てくれますよ」

美嘉とヒロは涙目のまま顔を見合わせ、 お坊さんに何度もお礼を言ってお寺を出 た。

帰り道…

「赤ちゃん、女の子だったんだなー」 寂しげに言うヒロ。

「うん……」

「場所決めて、毎年クリスマスにお参り行 かねぇ?そしたら赤ちゃん喜んでくれるか もな…」

「それいいね!!でも、どこにする??」

「そうだな~俺らが出会った場所が学校だ から、学校近くに公園あったよな。そこに しねぇ?」

「うんっ、いいよ!!」 コンビニで小さい花を買い学校近くの公園

へと向かう。

「ここいいんじゃね?」

ヒロは公園のはじっこにある花壇を指さし た。

「うん!!」 花壇に花を置き、

手を合わせる。

赤ちゃん… 産んであげられなくて

ごめんなさい。

小さい体で一生懸命生きてくれていたね。

また… またいつか

会えるよね??

少しの間でも生きてくれてありがとう…。

「またいつか産まれて来いよー!」 空に向かって大声で

叫ぶヒロ。

「産まれて来てね!!」 美嘉もヒロのマネをして空に叫んだ。

「そしてこの公園で、パパとママと三人で 遊ぼうなー!」

「遊ぼうねっ!!」

「マネっ子美嘉~!」 ヒロは美嘉の頭を

軽く叩いた。

「あっかんべ~♪」

「美嘉、また来年ここに来ような。」

「来年~?毎年だよ!!来年も再来年もずっ とずっとずーっと二人で来るの!!」

「ははっ、そうだな!」 少しだけ、

大人になれたかもしれないね。

二人は、 隣に並んだまま新しい道を歩き始めた。

目录
设置
设置
阅读主题
字体风格
雅黑 宋体 楷书 卡通
字体大小
适中 偏大 超大
保存设置
恢复默认
手机
手机阅读
扫码获取链接,使用浏览器打开
书架同步,随时随地,手机阅读
首 页 < 上一章 章节列表 下一章 > 尾 页