甲州屋という木賃宿は下田の北口をはいるとすぐだった。私は芸人たちのあとから屋根
裏のような二階へ通った。天井がなく、街道に向かった窓ぎわにすわると、屋根裏が頭に
つかえるのだった。
「肩は痛くないかい。」と、おふくろは踊子に幾度もだめを押していた。
「手は痛くないかい。」
踊子は太鼓を打つ時の手まねをしてみた。
「痛くない。打てるね、打てるね。」
「まあよかったね。」
私は太鼓をさげてみた。
「おや、重いんだな。」
「それはあなたの思っているより重いわ。
あなたのカバンより重いわ。」と踊子が笑った。
27
我回过头去,看见舞女和千代子并肩走着,妈妈和百合子稍稍落后一些。千代子似乎没有发
觉我回头,说道:
“那倒是。你就那样对他说,怎么样?”
她们好像在议论我。可能是因为千代子说我牙齿长得不整齐,舞女才提出装金牙的吧。
她们谈论我的长相,我心里倒是感到亲切,并没有为此而苦恼,也不想仔细倾听。她们继续
低声谈了一会儿,我听见舞女说道:
“是个好人哪。”
“是啊,像是个好人。”
“真的是个好人哪。好人就是好嘛。”
这话语听起来单纯而又率直,是天真地倾吐情感的声音。这使我自己也由衷地感到自己
是个好人了。我心情舒畅地抬起眼来望了望明朗的群山。眼睑隐隐作痛。二十岁的我一再深
刻反省,觉得自己的性格被孤儿根性扭曲了,我无法忍受那种令人窒息的忧郁,才来伊豆旅
行的。因此,有人根据社会上的一般意义把我看作好人,我实在是感激不尽。群山明亮起来,
快到下田的海滨了。我挥动刚才的那根竹子,削着秋草尖。
途中,各个村庄的入口处都竖着一块牌子。
——乞丐、巡回艺人不得进村。