饭饭TXT > 海外名作 > 《伊豆的舞女》作者:[日]川端康成/译者:叶渭渠/唐月梅【完结】 > 书香门第论坛《伊豆的舞女(中日对照)》作者:川端康成【完结】.txt

第一章

作者:日-川端康成/译者:叶渭渠/唐月梅 当前章节:1246 字 更新时间:2026-6-15 18:50

道がつづら折りになって、いよいよ天城峠に近づいたと思うころ、雨足が杉の密林を白

く染めながら、すさまじい早さで麓から私を追って来た。

私は二十歳、高等学校の制帽をかぶり、紺飛白の着物に袴をはき、学生カバンを肩にか

けていた。一人伊豆の旅に出てから四日目のことだった。修善寺温泉に一夜泊まり、湯ヶ

島温泉に二夜泊まり、そして朴歯の高下駄で天城を登って来たのだった。重なり合った山々

や原生林や深い渓谷の秋に見とれながらも、私は一つの期待に胸をときめかして道を急い

でいるのだった。そのうちに大粒の雨が私を打ち始めた。折れ曲がった急な坂道を駆け登

った。ようやく峠の北口の茶屋にたどり着いてほっとすると同時に、私はその入口で立ち

すくんでしまった。あまりに期待がみごとに的中したからである。そこに旅芸人の一行が

休んでいたのだ。

突っ立っている私を見た踊子がすぐに自分の座布団をはずして、裏返しにそばに置いた。

「ええ…。」とだけ言って、私はその上に腰をおろした。坂道を走った息切れと驚きとで、

.ありがとう。.という言葉が喉にひっかかって出なかったのだ。

踊子とま近に向かい合ったので、私はあわてて袂から煙草を取り出した。踊子がまだ連

れの女の前の煙草盆を引き寄せて私に近くしてくれた。やっぱり私は黙っていた。

踊子は十七くらいに見えた。私にはわからない古風の不思議な形に大きく髪を結ってい

た。それが卵型のりりしい顔を非常に小さく見せながらも、美しく調和していた。髪を豊

かに誇張して描いた、稗史的な娘の絵姿のような感じだった。踊子の連れは四十代の女が

一人、若い女が二人、ほかに長岡温泉の印半纏を着た二十五六の男がいた。

私はそれまでにこの踊子を二度見ているのだった。最初は私が湯ヶ島へ来る途中、修善

寺へ行く彼女たちと湯川橋の近くで出会った。その時は若い女が三人だったが、踊子は太

鼓をさげていた。私は振り返り振り返り眺めて、旅情が自分の身についたと思った。それ

から、湯ヶ島の二日目の夜、宿屋へ流しが来た。踊子が玄関の板敷で踊るのを、私は梯子

段の中途に腰をおろして一心に見ていた。―あの日が修善寺で今夜が湯ヶ島なら、明日は

天城を南に越えて湯ヶ野温泉へ行くのだろう。天城七里の山道できっと追いつけるだろう。

そう空想して道を急いで来たのだったが、雨宿りの茶屋でぴったり落ち合ったものだから

私はどぎまぎしてしまったのだ。

まもなく、茶屋の婆さんが私の別の部屋へ案内してくれた。平常使わないらしく戸障子

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