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第一章

作者:日-川端康成/译者:叶渭渠/唐月梅 当前章节:4489 字 更新时间:2026-6-15 18:50

山路变得弯弯曲曲,快到天城岭了,雨脚白亮亮地笼罩着杉木林,从山麓迅猛地向我袭

来。

我二十岁,头戴高中的制帽,身穿藏青地碎白花纹的上衣和裤裙,肩上挎着一只书包。

我独自一人到伊豆旅行已经是第四天了。我在修善寺温泉住了一夜,在汤岛温泉住了两夜,

然后穿着高齿的木屐攀登天城山。一路上我陶醉在重峦迭嶂、原始森林和深邃幽谷的秋色之

中,可是,有一个期待却让我的心悸动不已,催着我赶路。就在这时候,豆大的雨点开始打

在我的身上。我疾步登上曲折而陡峭的坡道,好不容易才来到山岭北口的一家茶馆,吁了一

口气,便站在茶馆门口呆住了。因为我所期待的竟然完全实现了:巡回艺人一行正在那里休

息。

舞女看见我呆呆地站着,马上让出自己的坐垫,把它翻个身,放在边上。“哦……”我只

应了一声,就在坐垫上坐下了。由于刚跑上坡道,气喘吁吁的,再加上有点惊慌,连“谢谢”

这句话也卡在喉咙里没能说出来。我和舞女面对面坐在一起,慌忙从衣袖里掏出了香烟。舞

女把同行女子面前的烟灰缸移过来,放到我的近旁。我还是没有说话。

舞女看上去大约十七岁。她梳着一个我叫不上名字的大发髻,式样古旧而又奇特,使她

那沉静的鹅蛋脸显得非常小,但却匀称柔美,感觉就像稗史里面头发画得异常丰厚的姑娘的

画像。舞女的同伴中有一个四十多岁的女人,两个年轻姑娘,还有一个二十五六岁的汉子,

穿着印有长冈温泉旅店商号的短褂。

舞女这一行人至今我见过两次。第一次是在我前往汤岛的途中,她们正要去修善寺,是

在汤川桥附近相遇的。当时有三个年轻姑娘,舞女提着鼓。我频频回过头去看她们,一股旅

人的愁情油然而生。然后是在汤岛的第二天晚上,她们来到了旅馆。我在楼梯当中坐下,聚

精会神地观看舞女在大门口的走廊上跳舞。——那天在修善寺,今天晚上在汤岛,那么明天

大概要越过天城岭往南去汤野温泉。在天城山二十多公里的山路上一定能追上她们。我就这

样浮想联翩匆匆赶路,没想到为了避雨,在茶馆里和她们相遇了,我的心砰砰直跳。

过了一会儿,茶馆的老大娘把我领到了另一个房间里。这房间大概平常不用,没有安门窗。

2

がなかった。下をのぞくと美しい谷が目の届かないほど深かった。私は膚に粟粒をこしら

え、かちかちと歯を鳴らして身震いした。茶を入れに来た婆さんに、寒いというと、

「おや、だんな様おぬれになってるじゃございませんか。こちらでしばらくおあたりな

さいまし、さあ、おめしものをおかわかしなさいまし。」と、手を取るようにして、自分た

ちの居間へ誘ってくれた。

その部屋は炉が切ってあって、障子をあけると強い火気が流れて来た。私は敷居ぎわに

立って躊躇した。水死人のように全身青ぶくれの爺さんが炉端にあぐらをかいているのだ。

瞳まで黄色く腐ったような目を物うげに私の方へ向けた。身の回りに古手紙や紙袋の山を

築いて、その紙くずのなかに埋もれていると言ってもよかった。とうてい生物と思えない

山の怪奇を眺めたまま、私は棒立ちになった。

「こんなお恥ずかしい姿をお見せいたしまして…。でも、うちのじじいでございますか

らご心配なさいますな。お見苦しくても、動けないのでございますから、このままで堪忍

してやって下さいまし。」

そう断ってから、婆さんが話したところによると爺さんは長年中風を煩って、全身が不

随になってしまっているのだそうだ。紙の山は、諸国から中風の療法を教えて来た手紙や、

諸国から取り寄せた中風の薬の袋なのである。爺さんは峠を越える旅人から聞いたり、新

聞の広告を見たりすると、その一つをも漏らさずに、全国から中風の療法を聞き、売薬を

求めたのだそうだ。そして、それらの手紙や紙袋を一つも捨てずに身の回りに置いて眺め

ながら暮らして来たのだそうだ。長年の間にそれが古ぼけた反古の山を築いたのだそうだ。

私は婆さんに答える言葉もなく、囲炉裏の上にうつむいていた。山を越える自動車が家

を揺すぶった。秋でもこんなに寒い、そしてまもなく雪に染まる峠を、なぜこの爺さんは

おりないのだろうと考えていた。私の着物から湯気が立って、頭が痛むほど火が強かった。

婆さんは店に出て旅芸人の女と話していた。

「そうかねえ。この前連れていた子がもうこんなになつたのかい。いい娘(あんこ)に

なって、お前さんも結構だよ。こんなにきれいになったのかねえ。女の子は早いもんだよ。」

小一時間経つと、旅芸人たちが出立つらしい物音が聞こえて来た。私も落ち着いている

場合ではないのだが、胸騒ぎするばかりで立ち上がる勇気が出なかった。旅慣れたと言っ

ても女の足だから、十町や二十町遅れたって一走りに追いつけると思いながら、炉のそば

でいらいらしていた。しかし踊子たちがそばにいなくなると、かえって私の空想は解き放

たれたように生き生きと踊り始めた。彼らを送り出して来た婆さんに聞いた。

「あの芸人は今夜どこで泊まるんでしょう。」

「あんな者、どこで泊まるやらわかるものでございますか、旦那様。お客があればあり

次第、どこにだって泊まるんでございますよ。今夜の宿のあてなんぞございますものか。」

はなはだしい軽べつを含んだ婆さんの言葉が、それならば、踊子を今夜は私の部屋に泊

まらせるのだ、と思ったほど私をあおり立てた。

雨足が細くなって、峰が明るんで来た。もう十分も待てばきれいに晴れ上がると、しき

3

朝下望去,美丽的山谷深不见底。我的皮肤上起了一层鸡皮疙瘩,牙齿格格打颤,浑身发抖。

我对送茶进来的老大娘说了一声:“真冷啊!”“啊呀,少爷浑身都湿透啦。到这儿来烤烤火吧,

来,把衣服烤烤干。”说着,她拉起我的手,把我领到自己的居室。

那个房间装着地炉,一打开拉门便有股强烈的热气扑面而来。我站在门槛边踌躇了。一

位像溺死的人那样浑身青肿的老大爷盘腿坐在炉边。他倦怠地朝我这边望望,那双眼睛像是

烂了似的,连瞳孔都呈现黄色。在他的身边,旧信和纸袋堆积如山,简直可以说他是被埋在

这些废纸里的。我木然呆立着,望着这个山中怪物,实在无法想象他还是个活人。

“让您瞧见这副模样……不过,他是我的老伴儿,您别担心。他样子难看,但是已经不

能动弹了,请您忍耐一下吧。”

老大娘这样打了个招呼。据她说,老大爷患中风多年,最终全身不遂。这成堆的纸便是

寄自各地有关治疗中风的信件,以及从各地购来的药品的纸袋。老大爷向全国各地打听中风

的疗法,求购成药,不管是从路过山岭的旅人那里听来的,还是在报纸广告上看到的,他从

不曾漏过。这些信和纸袋,他一件也不扔掉,都堆放在身边,望着它们过日子。年复一年,

这些破旧的废纸就堆积如山了。

听了老大娘的话,我无话可说,便把身子俯在地炉上。越过山岭的汽车震动着房子。我

心想,秋天就这么冷,不久山岭将被大雪覆盖,为什么这位老大爷不下山去呢?从我的衣服

上升腾起一股水蒸气,炉火旺得使我头晕脑胀的。老大娘出了店堂,和巡回女艺人闲聊起来。

“哟,上次带来的姑娘已经这么大了吗?变成漂亮姑娘了。你也很好啊。这么标致!姑

娘家长得可真快呀。”

将近一小时之后,传来了巡回艺人准备动身的声响。我也坐不住了,但只是感到焦躁不

安,却没有勇气站起身来。我想,虽说她们习惯了旅途,但毕竟是女人的脚力,即使落后她

们一二公里,跑一段路也能追上;可是坐在火炉旁,我仍旧心烦意乱的。不过舞女她们不在

身旁,我的幻想反而像得到了解放似的,开始活跃起来。我向送走她们的老大娘问道:

“那些艺人今天晚上住在什么地方呢?”

“这种人嘛,谁知道住在什么地方?少爷。哪儿有客人,就住在哪儿呗。哪会有今天晚

上一定的住处啊?”

老大娘的话语带着极其轻蔑的口吻,甚至煽起了我这样的念头:既然如此,今天晚上就

让舞女到我的房间里睡吧。

雨脚变小了,山岭明亮起来。虽然老大娘一再挽留我,说再等十分钟,天就放晴了,可

是我怎么也坐不住了。

4

りに引き止められたけれども、じっとすわっていられなかった。

「爺さん、お大事になさいよ。寒くなりますからね。」と私は心から言って立ち上がった。

爺さんは黄色い眼を重そうに動かしてかすかにうなずいた。

「旦那さま、旦那さま。」と叫びながら婆さんが追っかけて来た。

「こんなにいただいてはもったいのうございます。申しわけございません。」

そして私のカバンを抱きかかえて渡そうとせずに、いくら断わってもその辺まで送ると

言って承知しなかった。一町ばかりもちょこちょこついて来て、同じことを繰り返してい

た。

「もったいのうごさいます。お粗末いたしました。お顔をよく覚えております。今度お

通りの時にお礼をいたします。この次もきっとお立ち寄り下さいまし。お忘れはいたしま

せん。」

私は五十銭銀貨を一枚置いただけだったので、痛く驚いて涙がこぼれそうに感じている

のだったが、踊子に早く追いつきたいものだから、婆さんのよろよろした足取りが迷惑で

もあった。とうとう峠のトンネルまで来てしまった。

「どうもありがとう。お爺さんが一人だから帰ってあげて下さい。」と私が言うと、婆さ

んはやっとのことでカバンを離した。

暗いトンネルに入ると、冷たい雫がぽたぽた落ちていた。南伊豆への出口が前方に小さ

く明るんでいた。

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