トンネルの出口から白塗りのさくに片側を縫われた峠道が稲妻のように流れていた。こ
の模型のような展望の裾のほうに芸人たちの姿が見えた。六町と行かないうちに私は彼ら
の一行に追いついた。しかし急に歩調をゆるめることもできないので、私は冷淡なふうに
女たちを追い越してしまった。十間程先きに一人歩いていた男が私を見ると立ち止まった。
「お足が早いですね。――いい塩梅に晴れました。」
私はほっとして男を並んで歩き始めた。男は次ぎ次ぎにいろんなことを私に聞いた。二
人が話し出したのを見て、うしろから女たちがばたばた走り寄って来た。
男は大きい柳行李を背負っていた。四十女は小犬を抱いていた。上の娘が風呂敷包み、
中の娘が柳行李、それぞれ大きい荷物を持っていた。踊子は太鼓とそのわくを負うていた。
四十女もぽつぽつ私に話しかけた。
「高等学校の学生さんよ。」と、上の娘が踊子にささやいた。私が振り返ると笑いながら
言った。
「そうでしょう。それくらいのことは知っています。島へ学生さんが来ますもの。」
一行は大島の波浮の港の人たちだった。春に島を出てから旅を続けているのだが、寒く
5
“老大爷,多多保重啊,天快冷了。”我由衷地说了一句,站起身来。老大爷费力地动了
动黄浊的眼睛,微微点了点头。
“少爷!少爷!”老大娘喊着追了过来,“您给这么多,实在不敢当。真对不起啊。”
她抱住我的书包,不肯交还给我。我再三推却,她也不答应,说要把我送到那边。她跟
在我身后,小跑着走了一百多米,嘴里念叨着同样的话:
“实在抱歉啊,没有好好招待您。我会牢牢记住您的样子,下次您路过的时候再谢您。
下次一定要来呀,可别忘了。”
我只是留下一个五角钱的银币,她却如此大惊小怪,感动得眼泪都快流出来了。可是我
一心想尽快赶上舞女,老大娘步履蹒跚,让我十分为难。终于来到了山岭的隧道口。
“太感谢了。老大爷一个人在家,您请回吧。”听我这么说,老大娘才总算把书包递给我。
走进阴暗的隧道,冰凉的水滴嘀嘀嗒嗒地落下来。前方,通往南伊豆的出口微微闪着亮
光。