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第四章

作者:日-川端康成/译者:叶渭渠/唐月梅 当前章节:6840 字 更新时间:2026-6-15 18:50

我们约定第二天早晨八点钟从汤野出发。我戴上在公共浴场旁边买来的便帽,把高中制

帽塞进书包,向沿街的小客栈走去。二楼的门窗完全敞开着,我无意之中走了上去,只见艺

人们还都躺在铺席上。我张皇失措,站在廊下愣住了。

舞女就躺在我脚跟前的铺垫上,她满面绯红,猛然用两只手掌捂住了脸。她和那个较大

的姑娘睡在一张铺上,昨晚的浓妆还残留着,嘴唇和眼角微微透出红色。这颇具情趣的睡姿

不禁让我心荡神驰。她敏捷地翻了个身,仍旧用手掌遮着脸,从被窝里滑了出来,坐到廊下。

“昨晚上谢谢您了。”她说着利落地行了个礼,我站在那里,被弄得手足无措,不知如何

是好。

那汉子和年长的姑娘睡在同一张铺上。在看到这之前,我一点儿也不知道他们俩是夫妇。

“真对不起。本来打算今天动身的,但是晚上有个宴会,我们决定推迟一天。要是您今

天非动身不可,那就在下田见面吧。我们准备住甲州屋客栈,很容易找到的。”四十岁的女人

从铺垫上抬起半截身子说道。我顿时感到像是被人抛弃了似的。

“明天再走不好吗?我不知道妈妈要推迟一天。路上还是有个伴儿好。明天一起走吧。”

那汉子说完后,四十岁的女人接着说道:

“就这么办吧。您特地要和我们同行,我们却擅自决定延期,实在对不起——明天哪怕

天上下刀子也要动身。后天是在旅途中死去的小宝宝的断七日。我早就想着要在下田做断七,

这么匆匆忙忙赶路,为的就是在那天之前到达下田。跟您讲这些真是失礼了,但我们特别有

缘分,后天也请您来参加祭奠吧。”

于是我决定推迟一天出发,走到了楼下。我一边等大家起床,一边在肮脏的账房里跟客

栈的人聊天,那汉子邀我出去散步。沿着大街稍稍往南走,有一座很漂亮的小桥。靠在桥栏

杆上,他又谈起了自己的身世。他说,他有段时间参加了东京的一个新派剧剧团。现在还经

常在大岛港演出。从他们的包袱里像一条腿似的伸出来的就是刀鞘。他还在宴会上模仿新派

剧。

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のまねをして見せるのだと言った。柳行李の中はその衣裳や鍋茶碗なぞの世帯道具なので

ある。

「私は身を誤った果てに落ちぶれてしまいましたが、兄が甲府で立派に家の跡目を立て

ていてくれます。だから私はまあ入らない体なんです。」

「私はあなたが長岡温泉の人だとばかり思っていましたよ。」

「そうでしたか。あの上の娘が女房ですよ。あなたより一つ下、十九でしてね、旅の空

で二度目の子供を早産しちまって、子供は一週間ほどして息が絶えるし、女房はまだ体が

しっかりしないんです。あの婆さんは女房の実のおふくろなんです。踊子は私の実の妹で

すが。」

「へえ。十四になる妹があるっていうのはー。」

「あいつですよ。妹にだけはこんなことをさせたくないと思いつめていますが、そこに

はまたいろんな事情がありましてね。」

それから、自分が栄吉、女房が千代子、妹が薫ということなぞを教えてくれた。もう一

人の百合子という十七の娘だけが大島生まれで雇いだとのことだった。栄吉はひどく感傷

的になって泣き出しそうな顔をしながら河瀬を見つめていた。

引き返して来ると、白粉を洗い落とした踊子が道ばたにうずくまって犬の頭をなでてい

た。私は自分の宿に帰ろうとして言った。

「遊びにいらっしゃい」

「ええ。でも一人ではー。」

「だから兄さんと。」

「すぐに行きます。」

まもなく栄吉が私の宿へ来た。

「皆は?」

「女どもはおふくろがやかましいので。」

しかし、二人がしばらく五目並べをやっていると、女たちが橋を渡ってどんどん二階へ

上がって来た。いつものようにていねいなお辞儀をして廊下にすわったままためらってい

たが、一番に千代子が立ち上がった。

「これは私の部屋よ。さあどうぞご遠慮なしにお通り下さい。」

一時間ほど遊んで芸人たちはこの宿の内湯へ行った。いっしょにはいろうとしきりに誘

われたが、若い女が三人もいるので、私はあとから行くとごまかしてしまった。すると踊

子が一人すぐに上がって来た。

「肩を流してあげますからいらっしゃいませって、姉さんが。」と、千代子の言葉を伝え

た。

湯には行かずに私は踊子と五目を並べた。彼女は不思議に強かった。勝継をやると、栄

吉や他の女はぞうさなく負けるのだった。五目ではたいていの人に勝つ私が力いっぱいだ

った。わざと甘い石を打ってやらなくともいいのが気持ちよかった。二人きりだから、初

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柳条包里装着戏装和锅碗瓢盆之类的生活用品。

“我最后落到这步田地,耽误了前程,但我的哥哥在甲府出色地继承了家业。所以我是

一个多余的人了。”

“我一直以为你是长冈温泉的人呢。”

“是吗。那个年长的姑娘是我老婆。她比你小一岁,十九岁了。在旅途上第二个孩子早

产,没过一星期孩子就断了气,我老婆身体还没有复原。妈妈是我老婆自己的母亲。舞女是

我的亲妹妹。”

“哦,你说你有个十四岁的妹妹……”

“就是她呀。我实在不想让妹妹干这种营生,但是这里面还有许多缘故。”

然后他告诉我,他本人叫荣吉,妻子叫千代子,妹妹叫熏。另一个十七岁的姑娘叫百合

子,只有她是大岛人,雇来的。荣吉显得非常伤感,哭丧着脸,久久凝视着河滩。

我们回来的时候,看见洗去脂粉的舞女正蹲在路旁,抚摸着小狗的脑袋。我想回自己的

旅馆去,便说道:

“来玩吧!”

“唉。可是一个人……”

“和你哥哥一起来嘛。”

“马上就来。”

不多久,荣吉来到我的旅馆。

“她们呢?”

“她们怕妈妈唠叨。”

但是,我们才玩了一会儿五子棋,姑娘们就过了桥,噔噔地跑上二楼来。像往常一样,

她们恭敬地行了个礼,跪坐在廊下,踌躇不前,千代子第一个站起身来。

“这是我的房间。来,请不要客气,进来吧。”

玩了一个小时左右,艺人们到这家旅馆的室内浴池洗澡去了。她们再三邀我同去,可是

有三个年轻女人在,我便搪塞说,我过一会儿再去。舞女很快一个人跑上楼来,转告千代子

的话说道:

“嫂嫂说,请你去,她给你搓背。”

我没去浴池,和舞女下起五子棋来。她下得出奇地好。循环赛的时候,我不费吹灰之力

就打败了荣吉和其他女人。下五子棋,我得心应手,一般人决不是我的对手。而跟她下棋,

用不着特地留一手,心情很畅快。

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めのうち彼女は遠くのほうから手を伸ばして石をおろしていたが、だんだんわれを忘れて

一心に碁盤の上へおおいかぶさって来た。不自然なほど美しい黒髪が私の胸に触れそうに

なった。突然、ぱっと紅くなって、「ごめんなさい、しかられる。」と石を投げ出したまま

飛び出して行った。共同湯の前におふくろが立っていたのである。千代子と百合子もあわ

てて湯から上がると、二階へは上がって来ずに逃げて帰った。

この日も、栄吉は朝から夕方まで私の宿に遊んでいた。純朴で親切らしい宿のおかみさ

んが、あんな者にご飯を出すのはもったいないと言って、私に忠告した。

夜、私が木賃宿に出向いて行くと、踊子はおふくろに三味線を習っているところだった。

私を見るとやめてしまったが、おふくろの言葉でまた三味線を抱き上げた。歌う声が少し

高くなる度に、おふくろが言った。

「声を出しちゃいけないって言うのに。」

栄吉は向かい側の料理屋の二階座敷に呼ばれて何かうなっているのが、こちらから見え

た。

「あれはなんです。」

「あれー謡(うたい)ですよ。」

「謡は変だな。」

「八百屋だから何をやり出すかわかりゃしません。」

そこへこの木賃宿の間を借りて鳥屋をしているという四十前後の男が襖をあけて、ご馳

走をすると娘たちを呼んだ。踊子は百合子といっしょに箸を持って隣りの間へ行き、鳥屋

が食べ荒したあとの鳥鍋をつついていた。こちらの部屋へいっしょに立って来る途中で、

鳥屋が踊子の肩を軽くたたいた。おふくろが恐ろしい顔をした。

「こら。この子にさわっておくれでないよ。生娘なんだからね。」

踊子はおじさんおじさんと言いながら、鳥屋に「水戸黄門漫遊記」を読んでくれとたの

んだ。しかし鳥屋はすぐに立って行った。続きを読んでくれと私に直接言えないので、お

ふくろからたのんでほしいようなことを、踊子がしきりに言った。私は一つの期待を持っ

て講談本を取り上げた。はたして踊子がするすると近寄って来た。私が読み出すと、彼女

は私の肩にさわるほどに顔を寄せて真剣な表情をしながら、眼をきらきら輝かせて一心に

私の額をみつめ、またたき一つしなかった。これは彼女が本を読んでもらう時の癖らしか

った。さっきも鳥屋とほとんど顔を重ねていた。私はそれを見ていたのだった。この美し

く光る黒眼がちの大きい眼は踊子のいちばん美しい持ちものだった二重瞼の線が言いよう

なくきれいだった。それから彼女は花のように笑うのだった。花のように笑うという言葉

が彼女にはほんとうだった。

まもなく、料理屋の女中が踊子を迎えに来た。踊子は衣裳をつけて私に言った。

「すぐもどって来ますから、待っていて続きを読んで下さいね。」

それから廊下に出て手をついた。

「行って参ります。」

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因为只有我们两个人,一开始她离得远远的,伸长了手落子,可渐渐地她玩得出了神,全神

贯注地俯在棋盘上。她那美得有些不自然的黑发几乎触到我的胸脯。突然,她的脸涨得通红。

“对不起,要挨骂了。”说着,她扔下棋子,飞奔出去。妈妈正站在公共浴场前面。千代

子和百合子也慌慌张张地从浴池里出来,没上二楼就逃回去了。

这天,荣吉在我的房间里从早晨一直玩到傍晚。纯朴而又亲切的旅馆老板娘忠告我说,

请这样的人吃饭,不值得。

晚上,我到小客栈去,舞女正在跟妈妈学弹三弦。她看见我就停了下来,听了妈妈的话

又抱起三弦。每当她的歌声稍微高亢些,妈妈就说:

“不是跟你说不要提高嗓门的吗?”

从这边可以望见荣吉被叫到对面饭馆二楼的宴席上去了,正念着什么。

“念的是什么?”

“那是——谣曲呀。”

“念谣曲?奇怪。”

“他是个多面手,谁料得到会唱出什么。”

这时,一个四十岁左右的汉子打开隔扇,请姑娘们去吃饭。他租借了小客栈的房间,经

营着一家鸡肉店。舞女和百合子一起拿着筷子到隔壁的房间去吃店里剩下的鸡肉火锅。她们

返回这边房间的时候,鸡肉店老板轻轻拍了拍舞女的肩膀。妈妈露出骇人的面容,说道:

“喂,不要碰这孩子!她还是个黄花闺女呢。”

舞女喊着“大伯,大伯”,求鸡肉店老板给她读《水户黄门漫游记》。可是他很快就站起

身走了。舞女不好意思直接对我说“接着给我读下去呀”,所以她一个劲儿地求妈妈,好像要

妈妈替她求我似的。我怀着期待的心情,拿起了故事书。舞女果然轻快地靠到我身边。我一

开始读,她就把脸凑过来,几乎贴到我的肩膀,表情十分认真,闪闪发亮的眼睛一眨也不眨,

专注地凝视着我的额头。这似乎是她请别人读书时的习惯动作。刚才和鸡肉店老板也几乎是

脸贴着脸。这个我一直在看着。她那双又黑又亮的大眼睛,闪动着美丽的光芒,这是她全身

最美的地方。双眼皮的线条美得无法形容。而且她笑起来像朵花似的。用“笑起来像朵花似

的”这句话来形容她,是最恰当不过的了。

不久,饭馆的女侍接舞女来了。舞女穿好衣裳,对我说道:“我马上就回来,请你等着,

接着给我读下去。”

然后走到廊下,垂下双手行了个礼。

“我去啦。”

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「決して歌うんじゃないよ。」とおふくろが言うと、彼女は太鼓をさげて軽くうなずいた。

おふくろは私を振り向いた。

「今ちょうど声変わりなんですからー。」

踊子は料理屋の二階にきちんとすわって太鼓を打っていた。その後姿が隣り座敷のこと

のように見えた。太鼓の音は私の心を晴れやかに踊らせた。

「太鼓がはいるとお座敷が浮き立ちますね。」とおふくろも向こうを見た。

千代子も百合子も同じ座敷へ行った。

一時間ほどすると四人いっしょに帰って来た。

「これだけー。」と、踊子は握りこぶしからおふくろの掌へ五十銭銀貨をざらざら落とし

た。私はまたしばらく「水戸黄門漫遊記」を口読した。彼らはまた旅で死んだ子供の話を

した。水のように透き通った赤ん坊が生まれたのだそうである。泣く力もなかったが、そ

れでも一週間息があったそうである。

好奇心もなく、軽蔑も含まない、彼らが旅芸人という種類の人間であることを忘れてし

まったような、私の尋常な好意は、彼らの胸にもしみ込んで行くらしかった。私はいつの

間にか大島の彼らの家へ行くことにきまってしまっていた。

「爺さんのいる家ならいいね。あすこなら広いし、爺さんを追い出しとけば静かだから、

いつまでいなさってもいいし、勉強もおできなさるし。」なぞと彼ら同士で話し合っては私

に言った。

「小さい家を二つ持つておりましてね、山のほうの家はあいているようなものですも

の。」

また正月には私が手伝ってやって波浮の港で皆が芝居をすることになっていた。

彼らの旅心は、最初私が考えていたほどせちがらいものでなく、野のにおいを失わない

のんきなものであることも、私にわかって来た。親子兄弟であるだけに、それぞれ肉親ら

しい愛情でつながり合っていることも感じられた。雇い女の百合子だけは、はにかみ盛り

だからでもあるが、いつも私の前でむっつりしていた。

夜半を過ぎてから私は木賃宿を出た。娘たちが送って出た。踊子が下駄を直してくれた。

踊子は門口から首を出して、明るい空を眺めた。

「ああ、お月さま。ー明日は下田、うれしいな。赤ん坊の四十九日をして、おっかさん

に櫛を買ってもらって、それからいろんなことがありますのよ。活動へ連れて行って下さ

いましね。」

下田の港は、伊豆相模の温泉場なぞを流して歩く旅芸人が、旅の空での故郷としてなつ

かしがるような空気の漂った町なのである。

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