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道標 1
「この後カレー屋寄ってく?」
狭苦しくてお世辞にもきれいとは言えない部室で、汗を拭きながら亮は言った。
「おお、いいな」
家に帰ったってどうせ一人だし ?と思い、隆弘は答えた。
隆弘と亮はサッカー部に所属している。
部の成績はと言うと、地区大会で上位になれるような優秀なところではなかった。
練習を積み重ねて上位を狙うというよりも、ただサッカーが好きな奴らや、彼女欲しさにサッカーを始めたとかそんなノリでしかない部活だった。
隆弘は高校時代サッカー部だったのもあって、友達欲しさに入部してみることにした。
そこで同じ目的で入った亮と知り合った。
コンパやサークルを通じて他にも遊べる友達はできたが、親友と呼べるのは亮だけかもしれない。
行きつけのカレー屋に入ると、亮はカツカレーを、隆弘は辛さ4倍のカレー(大盛り)を注文して汗を拭きながら食べていた。
先に食べ終わった亮が言った。
「春休みになったらさ、付き合って欲しいことがあるんだけど」
「 ?何?女関係だったら勘弁してくれよ」
彼女と別れて2ヶ月が経つが合コンとかナンパとか今は遠慮しておきたい。
「俺らさ、もう3回生になるじゃん」
「ああ ?」
「来年になったら就活とか卒論で忙しくて、今しか遊べる時間がないわけよ」
「うん。それで?」
残り少なくなったカレーを堪能しながら相槌を打った。
「チャリで県内一周してみない?」
予想もしていなかった提案だけに、隆弘は水を吹き出しそうになった。
「 ?は?チャリで?」
「うん。疲れたら途中で泊まりながら行けばいいだろ」
「二人でか?」
隆弘は秘かに脈拍が上がっていたが、わざと面倒臭そうに尋ねた。
「別に、他に誘いたかったら誘えばいいし。最後に青春しておくのも悪くないなって」
少し照れているように亮は見えた。
「お前 ?熱い男だな」
「だろ」
亮から旅の話を聞いてからは、隆弘は春休みになるのが待ち遠しかった。
亮と二人だけで ?と思うと、胸の奥がきゅっと締め付けられるように軽く痛んだ。
亮のことが気になりだしたのは1年前からだった。
それまで自分は完全なノーマルだと思っていたし、肉体的にも精神的にも彼女だけで満足していたはずだ。
去年の夏休みに、男女数人で旅行に出かけたことがあった。
学生旅行に適した10人程入れる安い部屋に泊まり、お風呂は共同の大浴場を使った。
そこで亮の肉体を見てから、頭の中にはいつも彼が存在していた。
贅肉がなく筋肉のついた上半身、引き締まった臀部、股にある男の象徴、女ならともかく、男の隆弘からしても見とれてしまう程の美しい体だった。
他にも綺麗な肉体の男なんているだろう。何故か目を奪われてしまった。
それからの隆弘は、口が裂けても言えないが、亮とキスしたり下半身を弄ったりする夢を見たことがある。そんな時はいつも自己嫌悪で最悪な気分の朝を迎えることになる。
自転車で日本一周に比べれば県内一周なんて ?と思うかもしれないが、隆弘が住んでいる県は結構面積が広い。
春とは言え、南国で日差しが強いこの地を旅するとなると体力勝負になりそうだ。
隆弘と亮は出発までに地図やネットを見て何度も下調べをした。
準備は完璧とは言えなかったが、二人いればなるようになるさと隆弘も亮も思っていた。
初めは海沿いの通りに出て、北を目指すことにした。
絶好の行楽日和で海からの風が心地良い。
「最初から飛ばすなよ」
「分かってるって」
夜になると公園で簡易式のテントを組み立てて寝た。
隆弘はテントで寝るなんて小学校の時に行った合宿以来で、ワクワクしてしまった。
しかし狭い空間の中に好きな奴と二人きりで過ごすなんて、朝まで‘あっち’の方面に耐えられるかどうかも心配である。
80kmも自転車で走り、肉体は疲れているはずなのに嬉しくて眠れない。
ヤツとこんなに近くに居られるなんて ?。この旅がずっと続けばいいのに、と隆弘は思った。
コンビニで買った夕食を食べ終え、テントの中で寝転んでいると亮が言った。
「隆弘さー、そろそろ彼女欲しくなった?」
「まだ別れて3ヶ月足らずだぞ。当分いいよ」
「そんなこと言って。欲求不満なんじゃねえの?」
前から女なんていいと言ってるのに、亮はしつこく食い下がらない。
大好物だというチーカマをつまみながら、缶チューハイを飲んでいてご機嫌なようだ。
「亮こそ、しばらく彼女いないから溜まってるだろ」
男同士で下ネタを話すなんて有り触れているのに、亮とだと変にドキマギしてしまう。
「俺?しばらく俺の恋人はエロビさ」
「寂しいやつ」
「俺、この前見たのはさー。XXXって言って、女の子が可愛かったぜ。3回もやっちまったよ」
亮はビデオの内容を事細かに説明してくれた。
しかし隆弘にとって内容なんてどうでも良いことだった。
男がアダルトビデオを見ながらやること=オナニー。それを亮がしている映像が頭の中に浮かび上がった。
「お前、エロビ詳しいな ?」
亮のプライベートな事についてはそれ以上想像しないように努め、半ば呆れ気味で言った。
「学生のうちに見れるだけ見とくんだよ」
「ふーん。若気の至りってやつか ?」
「最近お前冷めてるな。って前からか。 ?やべ、興奮してきた」
亮が一人で熱く語っている様を見ると、今日はいつになくテンションが高いようだ。
隆弘は下半身を宥めながら、亮の話に適当に相槌を打っていた。
「そうだ」
亮はコンビニの袋から一冊の雑誌を取り出した。
「これ、男二人じゃ寂しいから買った」
「 ?あっそ」
どこから見ても成人向けのその雑誌をパラパラとめくりながら、「いいねえ」「そそられる」等と一人でブツブツ呟いていた。
「なあ」
「ん?」
「隆弘はオナニーしてる?」
急にそんな事を言うものだから、隆弘は体が飛び上がりそうな位驚いた。
「はぁ?」
「いや、他のやつらはどうかなって思っただけだよ」
20歳過ぎて軽い下ネタで怒るのも大人気ないと思い、隆弘は正直に言った。
「そりゃ、溜まったらするよ」
「よかった。お前も正常な男なんだな」
「怒るぞ ?」
オナニーの時に思い浮かべているのはお前だと言えば、どんな顔をするだろう。
あまりの気持ち悪さにテントを飛び出して、亮は自転車で逃げ出して行くかもしれない。
友達でいられなくなる悲しみに比べたなら、ずっと黙っている方が何百倍もマシだ。
どんなことがあってもこの気持ちを伝える訳にはいかないのだ。
「お前はどうなんだよ?」
隆弘は胸の動悸を抑えながら、亮にも尋ねた。
「 ?オナニーしてるのかよ」
亮の前でオナニーという単語を言うのは気が引けたが、亮だってさっき、何も考えずにオナニーと言っている。
今更これ位で恥らう自分が情けなく思った。
「やらない訳ないだろ。俺の日課だよ」
予想通りの答えが返ってきて、お前らしいなと笑った。
ところがこの後、亮があんなことを始めるとは隆弘にも予想できていなかった。
「今日もやろっかな」
亮がしらっと言うものだから隆弘は驚いた。
「は!?どこでだよ」
「ここで。男同士だから別にいいだろ」
「そういう問題か ?」
「お前もやるか?ほら」
バサッと投げられたのは一冊の雑誌。
亮はご丁寧に、もう一冊エロ本を用意してくれていた。
隆弘が本を開くと同時に、亮はズボンを下ろして座り込んだ。
「 ?酔ってんのか?」
「ああ、ちょっとな ?」
横目でチラッと見ると、トランクスをずらして中から亮自身を取り出しているようだった。
(こいつ、やる気満々だ ?)
亮のオナニーを知りたいという気持ちと恥ずかしさが入り混ざり、動悸が激しくなる。
実は隆弘は、こんな本なんぞ見なくても一人で出来る位に勃起していた。
しかしあくまでも、エロ本を見てエッチな気分になっているふりをしなければと思った。
この興奮の原因は亮であるとは口が裂けても言えない。
女の際どい写真や淫らに絡み合うエロ漫画を見たが、内容はほとんど頭に入って来なかった。横目で亮の様子を伺っていた。
他の男の股間がそういう状態になっているのを生で見たのは初めてだった。
亮はエロ本を見ながら自身の猛々しい肉茎を握って、ゆっくりと手を上下に動かしていた。
それは、手を伸ばせば届く距離にある。
胡坐をかいてじっとしていた隆弘だったが、とうとう我慢の限界に来てしまった。
「俺も ?やってやる」
「おお、一緒にやろうぜ」
隆弘がズボンとトランクスを勢い良く下ろしたのは、勢いに任せないと恥ずかしさに負けてしまいそうだったから。
亮に体を背けるといきり立った肉棒を握り締めた。
勃起状態のまましばらく我慢していたせいか、鈴口から少量の先走りが滲み出している。
「先にイッた方が勝ちな」
亮が扱きながら言った。
「普通逆じゃないか?」
「セックスだと早漏は情けないけど、オナニーだからいいんだよ」
「よく分からん ?」
狭いテントの中では、くちゅくちゅ、と濡れたペニスと手が摩擦する音が響いて淫靡な空間が広がった。
警察に見つかれば事情聴取されるかもしれない。いやプライベートな空間だから覗く方も悪いだろう ?。
亮はエロ本を見ながら、隆弘は傍で亮のオナニーをオカズにしてそれぞれ高まっていった。
亮のこんな姿を見られるなんて、隆弘にとってはどんなビデオよりも価値があった。
隆弘は念のために昨日の夜自己処理して来たにも関わらず、数分でかなりの状態まで来てしまった。
亮も同様だったらしい。
「俺そろそろイくかも ?」
そこで隆弘はある重大なことに気付いた。
「待って。なあ、ティッシュある?」
亮の手の動きがぴたりと停止して、半分泣きそうな声をあげた。
「うそだろー。ここまでしておいて、寸止めかよ」
「あー ?そういえばカバンの中に入ってたかも」
隆弘が探すと幸運なことにポケットティッシュが幾つか見つかった。
1個を亮に放り投げ、1個は自分用に数枚取り出した。
「サンキュ。もうちょっと先だったら間に合わない所だった」
中断されたにも関わらず隆弘の勃起は全く衰えていなかった。
「俺このページでイこう」
亮は雑誌の中でお気に入りの女の子を見つけたらしく、最後を迎える準備を整えたようだった。
「先にいくからな」
亮が激しくペニスを摩擦する音が聞こえてくる。腰がもぞもぞ動いて気持ち良さそうだ。
「俺も 」
「ぁ ?」
亮が小さな声を漏らした瞬間、隆弘も奥から精液が込み上げてくるのを感じた。
ティッシュをペニスの先端から少し離して準備した。
「っ !」
次の瞬間、強烈な快感がペニスを駆け抜け、先端から勢いよく飛び出した射精を受け止めた。ティッシュを通して出たものの熱さが伝わってくる。
と言っても、小さな紙では間に合わず、零れ落ちた欲望の証を慌てて拭き取った。
二人とも絶頂を向かえ後始末をすると、何となく気まずい雰囲気が流れた。
先に口を開いたのは亮だった。
「疲れたーーー。これでゆっくり寝られるな」
「寝坊しないようにしろよ」
「その前にさ、テント開けて換気しようぜ」
「 ?分かった」
オナニーをした後、平常心に戻ると罪悪感や恥ずかしさが込み上げるものだ。
誰だって男のあの臭いの中で眠りたくはないだろう。
テント内の空気を入れ替えて気持ちを落ち着かせた。
しかし隆弘は平常心になかなか戻れず、亮が寝た後にもう一度トイレでオナニーをしてしまった。
道標 2
出発して4日目のことだった。
「これはやばそうだな」
「ああ」
だんだん雲行きが怪しくなってくる空を見ながら、寝る場所が見つかるまであと少し持ってくれと二人で祈った。
朝からどんよりとした雲に被われていたが、夕方になると激しい雷雨に見舞われた。
「テントだと雨漏りするかもしれないから、どっか泊まる?」
と提案したのは亮だった。
長旅でそろそろ疲れが溜まってきたのだろう。
「そうするか ?」
「決まり。ホテルでも旅館でも何でもいいから探すぞ」
隆弘は「ホテル」と聞いて一瞬ドキッとした。こんな非常事態に不謹慎な事を思い浮かべる自分の頭を恨んだ。
「でもこんな山の中にあるんか?」
「 ?知らね。いいから走るぞ」
走って5キロの所にペンションらしき木の建物を見つけた。
その頃には雨も止んでいたが、二人とも暖かいシャワーを浴びて体の冷えを何とかしたいために、ここに泊まることにした。
予約なしだったにも関わらず、フロントの中年の女性は快く対応してくれた。
「まあ!自転車で県内一周?偉いわねぇ」
「そんな、大したもんじゃないです。僕達暇なだけですから」
オーナーの女性と旅の経過などを話しながら、ここらの地域の見所等を教えてもらった。
「何か困ったことがあればいつでも言ってね」
「ありがとうございます」
部屋まで案内され、女性にお礼を言った。
一番料金が安い部屋にしたため、小さな机と椅子、それにベッドが2つ並んでいるだけのシンプルな部屋だった。
それでも今の二人にとっては有難い。
ペンションの小さなレストランで夕食を済ませた後、二人は部屋でシャワーを浴びたり本を読んだり、各々好きなことをして過ごした。
「良かったな ?。泊まれる所があって」
ベッドの上に寝転ぶととても気持ちが良かった。
テント生活もたまになら楽しいが、毎日だと足が伸ばせないので疲労が取れない。
「そうだな。ちょっと足にきたみたいだからゆっくり休みたかったよ」
そう言った亮は、いつもよりも元気がないように見える。
「なあ、隆弘 ?」
「何?」
「何でお前と二人で旅行したと思う?」
「何でって ?チャリか?」
隆弘にとって興味深い質問だったが、こういう時に冗談しか言えない。
亮はその答えを無視して話を続けた。
「俺がお前を誘ったのは、本心を見せてくれるかもって思ったからだよ」
「本心?」
「最近お前、何か俺に言いたげな素振りを見せてたし ?。前カノと別れた時だってあんまり相談してくれなかったしな」
鈍感な亮には隆弘の気持ちなんて気付かれていないと思っていたが、悩んでいることを察してくれていたなんて、少し嬉しかった。
「へ?別に何にもねえよ。あいつと別れたのも倦怠期だっただけだよ」
「そっか」
「そりゃ、一人になって寂しい時もあるけど、時間が解決してくれるって思うし」
「ならいいけど。おやすみ ?」
「おやすみ ?」
再び強い雨が降り出し、雷鳴が響き渡った。
(言えたらどんなにいいか ?)
告白して玉砕する辛さを味わったこともあるが、まだその方が早く気持ちの整理が出来るのでマシだ。
隆弘は大学で亮と友達付き合いしている限り、先には進めないのだ。
降り続く雨が隆弘の未来を暗示しているようだった。
「亮、好きだよ ?」
あどけない顔をして寝息を立てている亮に向かって小さな声で呟いた。
「 ?俺も」
ぱちっと亮の目が開き、隆弘と目が合った。
隆弘は自分の耳と目を疑った。
(まずい、聞かれてたのか ?)
「 ?まだ起きてたのか」
「雷が煩くて眠れなくて」
「確かに凄い音だな」
亮の言った「俺も」が気になるが、友達として好きという意味だろう。
「隆弘もこっち来て寝るか?」
亮と同じベッドで寝る?考えただけで胸が熱くなってしまう。
隆弘は数秒迷ったが、大きなエネルギーを使って断った。
「 ?やだよ。男二人なんて」
子供の頃に欲しいおもちゃを我慢した時の苦しみを思い出した。
どんなに我侭を言っても欲しいと想い続けても、世の中には手に入らないものがあるのだ。
亮の発言を軽く受け流す隆弘に向かって亮は言った。
「俺、隆弘の気持ちに気付いてたよ」
「俺の気持ち ??」
(まさか、あの事がばれるはずは ?)
すーっと顔から血の気が引いてゆく。
「何でかって言うと ?誰よりも、俺が隆弘のことを見てたから」
いつものおちゃらけた様子の亮ではなく、真剣に言葉を選ぶようにゆっくりと話した。
「 ?意味わかんねえよ」
動悸が激しく極限まで緊張が高まっていた隆弘は、そう言うのがやっとだった。
「まだ分からない?」
亮はベッドから起きると寝ている隆弘に口付けをした。
「っ ?!」
「こういう事」
体中の神経が唇に集まった。
亮がようやく離れた時には、隆弘は放心状態で思考が停止していた。
「う、嘘だ 」
今起こった現実が信じられなかった。
1%も望みはないと思っていた。
現に大学には何百人もの男子学生がいるが、その中で男が好きという人は誰一人知らない。まあ、居たとしても周りには隠しているのだろうけど…。
「こんな事していいのか ??」
「 ?両思いなら悪いわけがないだろ」
両思い、と言った亮の顔も照れ臭そうだった。
(こいつもこんな表情を見せてくれるのか ?)
気持ちを封印しようと決めていた隆弘に対して、勇気を出して告白してくれた亮に、感激して胸が熱くなった。
嬉しいのに素直になれない自分がいる。
「女以外と付き合うなんて初めてだな ?。俺どうすればいいのか分からないよ」
「俺だって ?。まあ、ぼちぼちやればいいんじゃないの」
亮に再び唇を塞がれた瞬間、理性が吹き飛んだ。
強く抱きしめ舌を激しく絡め合わせた。
甘ったるい空気の中で求め合っているのは確かだが、それ以上体を満たす方法を二人とも知らない。
しばらくの間ただ抱き合っていた。
先に沈黙を破ったのは亮だった。
「また二人でやるか」
「なっ何を?」
テントの中で亮とオナニーをしたのはつい3日前。
冷静に考えたら普通の男同士なら一緒にオナニーなんてするはずがないな、と隆弘は思った。
「何って分かってる癖に。今度はエロ本なんていらないけどな」
「お前なあ ?」
「今度は俺が出してやる」
隆弘が既に股間を盛り上げて興奮していたことに亮は気付いていた。
亮はズボンの上から隆弘のパンパンになっている股間を擦った。
「あ ?」
「きつそうだから脱がすぞ」
「おい、やめろって ?」
「処女じゃあるまいし、恥ずかしがるな」
露出したペニスが亮の手で包まれる。
亮の手が欲望に触れていると考えただけで硬さが増し、先走りを漏らした。
繊細な女性の手でされるのとは少し違うが、熱い男の手で 隆弘の感じる部分を知り尽くしているようだった。
熱い手がゆっくりと動き出した。
一擦り毎に腰が抜ける程の快感が走る
「隆弘、この前のオナニー気持ち良かった?」
「ああ。お前が隣でやってると思うとすぐにイッタよ」
性感はどんどん高まっていった。
亮も日頃、自分のを扱いているだけあってツボを心得ている。
「どう?」
亮が尋ねた。
「気持ちいい ?まじで ?」
隆弘が目を閉じて快感に身を任せている様を見て、亮は満足そうな笑みを浮かべた。
隆弘のペニスをしっかり捕らえ、上下に扱きあげた。
今にも暴発しそうなまでに亀頭が膨らんでいる。
思わず「もうだめ」と言ってしまう隆弘。
「いっぱい出していいよ」
我慢の限界に来た隆弘は自分を解放した。
「うっ ?うおっ ?」
激しくヒクつかせながら、亮の手の中にたっぷり吐精した。
隆弘が約1年間、隠し続けていたものが全て溢れ出した気がした。
「お前上手すぎ ?。どこで覚えてきたんだ」
「どこって自分ので ?」
言うや否や、隆弘は亮を押し倒し夢中でキスをした。
強引に舌を差し入れ 亮の舌に絡めた。
今までにしたどんなキスより刹那的で脳の奥に痺れを感じた。
(やっと手に入れた ?)
「いつもの隆弘じゃないみたい ?」
切なそうな顔で言うからますます愛しくなる。
確かに今まで隆弘は、亮と接する時に受け身がちだった。けれど今は違う。
震える手でトランクスを下ろし、亮の本能の部分を確かめた。
亮のものを見た瞬間ゾクッと鳥肌が立った。
猛々しく直立し、周りには幾筋もの血管が浮き出て、美しく官能的だった。
「手加減しないからな」
隆弘は亮の剛直を口に含み、ありったけの愛を込めて弄った。
隆弘が裏筋を舌先で擦ると、ビクンと跳ねて 亮は、くっ ?うっ ?とかすかに声を出して、隆弘の仕打ちに耐えていた。
「お、俺さ ?」
喉から搾り出すような亮の声が聞こえた。
「何?」
「男ともそうだけど、女にもフェラされたことないんだ」
あんなにエロい亮に経験がないなんて意外だ。
「そうなのか?」
「だから今日が初めて ?。まさか、こんなに気持ちいいとは」
隆弘は時折、亮の鈴口から我慢の液体が流れ出るのを感じた。
「だろ。これから沢山やってやるから」
亮の下半身がもぞもぞと動き出し、呼吸の感覚が短くなってきた。
肉茎は例えようのない快感に包まれて、爆発しそうだった。
「で、出る ?止めろっ!」
それでも隆弘は止めなかった。
数秒後、隆弘に包まれながら、亮は勢い良く射精してしまった。
再びシャワーを浴び終わった頃、雨はすっかり止んでいた。
「俺ら、これからどうすればいいんだろ」
「知らねー。まあ帰ってから考えようぜ」
今回の自転車旅行のようにこれから先、二人の間には何が起こるか分からない。
大嵐が来るかもしれないし、怪我をして挫折してしまうかもしれない。
でも困った時は傍にこいつがいる。
そう思うと、先の見えない未来も何となく明るく見えた。
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