饭饭TXT > 海外名作 > 《灰色の寓話(日文版)》作者:[日]ぬじゃわきし【完结】 > 灰色の寓話.txt

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作者:日-ぬじゃわきし 当前章节:11452 字 更新时间:2026-6-23 07:50

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むかし、むかし。あるところに、うさぎのまあちゃんがいました。まあちゃんは“はいいろ村”という村にすんでいました。どうして、こんななまえなのか、まあちゃんはわかりません。

ある日、まあちゃんはみちをあるいていました。てくてくてく。すると足になにかこつん、とあたりました。なんだろう。まあちゃんは足元を見ました。お金です。

まあちゃんがそれをひろったその時、とつぜんきいきい声がきこえました。

「ああ!まあちゃん、人のお金ぬすんだー!いーけないんだ!」

きつねのこん太が言いました。まあちゃんは言いかえしました。

「ちがうわ!」

「ちがう、と言うのか?それは人の金だろ?」

「これは…わたしのよ。」

とっさにまあちゃんはうそをつきました。こん太はにやりと笑い、「そうかそうか」と言って、どこかにいってしまいました。

まあちゃんは家にかえりました。まあちゃんのお母さんが、まあちゃんのお金を見て言いました。

「そのお金、なんなの?」

まあちゃんは言いました。

「わたしのお金よ。」

「どこからもらったの?」

「ひろったの。」

「ひろったですって?」

おかあさんはおこりました。

「それは人のお金よ。もしかしたらおとした人がこまっているかもしれないじゃない。かえしなさい!」

まあちゃんはとてももうしわけない気もちになりました。わたしはなんてわるいことをしたんだろう。でも、どうすればいいのだろう。まあちゃんはききました。

「どうやって返すの?」

「こうばんにとどければいいの。そうすれば、こまった人がこうばんにきて、ぶじ、お金はかえされるわ。いきなさい。」

まあちゃんはいえをでました。

こうばんにいくには、にしのもりのみちを歩かなればなりません。まあちゃんは歩きながらふあんになりました。こうばんにはこわいこわい、くまのガミおじさんがいるのです。おこられないかな、と、うさぎのまあちゃんは震えながら歩きました。

ふと、目の前にきつねのこん太が立っていました。まあちゃんは言いました。

「なによ!これからこうばんにとどけるんだからね!」

ところが、こん太は言いました。

「こうばんにとどけては、いけない。」

まあちゃんはびっくりしました。

「なんで?」

「まあちゃん、これはワナだ。いまきみがこうばんにお金をとどけたら、すべてが、おわりだ。」

「すべてが、おわり…どういうこと?」

「作者はそれをのぞんでいる。」

「作者?」

「君は気づいていないが、この村にはひとつの作者という意思があるんだよ。村を作り、何かを伝えるために村を操る存在。今、君が交番に届けたとする。すると、この一連の出来事が、物を盗むのがよくない、というメッセージのために存在する事が明確になり、そのとたんこの話は終わる。話が終わるとは、世界がそれをもって消滅するんだよ。つまり、君が交番にお金を届けたら世界が消えてしまう。」

きつねのこん太のことばに、まあちゃんはさらにおどろいてしまいました。そしていいました。

「作者がいるなんて…どこにその証拠があるの?」

「君がお金を拾う前、何をしていたか覚えてるかい?」

まあちゃんは思いかえしました。そしておどろきました。お金をひろうまえは、歩いていたことと、じぶんがまあちゃんであることいがい、きおくがないのです。

「…何も覚えてない。」

「つまり、君は突然、作者によって自我が吹き込まれ、存在させられた。そしてお金を拾った。」

「…」

「君は作者によって強制的に存在させられ、今、作者によって強制的に消されようとしている。こんな暴挙を許してはならない。」

「じゃあ、どうすればいいの?」

「話を続ければ良い…つまり、」

まあちゃんはさっして言いました。

「逃亡ね。」

二人はさつたばをもってもりのなかににげだしました…しかしわたしとしては彼らを逃がすつもりはありません。わたしはここではすべてをしり、すべてを思いどおりにできる。なにがなんでもこのはなしをおわらせるつもりです。かくごはできているでしょうな。ふはははは。

「おかしい!」

おまわりさんの、くまのガミおじさんが言いました。

「シナリオ通りにいけば、まあちゃんは私の元にくるはずだ。」

「そうだそうだ!」

まわりのおまわりさんたちも言いました。ガミおじさんはさらに言います。

「神よ!作者よ!いったいどう言う事なのか、我らに仰せになってください!」

よし、では言いましょう。きつねのこん太がわたしたちをうらぎったのです。まあちゃんにわたしたちのことをふきこみました。そして、まあちゃんといっしょに、ただしいルートからのがれています。

「しかし、どうすればいい…我々はどこを探せばいいのだ!」

ごあんしんください。わたしはかたりべ。すべてをしっています。いまふたりがどこでなにをしているか、お見せしましょう。ふたりは、もりのなかの、のねずみのチータカのこやにつきました。

「ごめんくださーい…」

まあちゃんとこん太は、そういいながらこやのとびらをたたきます。チータカがあらわれました。チータカはかん高いこえでたずねました。

「どうしたの?まあちゃんにこん太くん。」

「追われているんです。匿って下さい!」

「おやまあ、ほんとう?二かいのへやの、じゅうたんの下にかくれががあるよ。ぬけあながたくさんあるからみつかってもだいじょうぶ。」

「ありがとうございます!」

ふたりは二かいにむかいました。そしてへやにいき、じゅうたんのしたのかくれがへのとびらをかくにんしました。かえすべきさつたばをひろげ、まあちゃんはこん太に言いました。

「どうする?」

「どうするって…にげるしかないじゃないか。」

「逃げて、逃げて、逃げ続けて、その先は?なんにもないじゃないの。」

「いや、諦めるな。きっと逃げ切れる。」

「本気で言ってるの?相手は作者よ。」

「しかし、物事に不可能はない!」

「でも…」

「作者の横暴を我々が許してはならない!私達は…生きている!」

こんなありさまです。まあばしょは分かりましたね?くまのガミおじさん。

「分かりました!」

ですから、みんなでとつげきしましょう。しかし、チータカ、いつのまにかくれがなんてものをつくっていましたね。ずるがしこいねずみです。みなさん、かくれがもしらべといてください。

「分かりました!」

しかし、まあちゃんをきずつけてはなりません。あのこは、ひろったおかねをかえす、だいじなやくめがのこってます。そのためにもまあちゃんはいかしておくのです。

「他の奴等は…」

ものがたりにとくにかんけいないはずですから、なにしようがかまいません。

「そうか…」

くまのガミおじさんはぐふぐふわらいました。ほかのおまわりさんもぐふぐふわらいました。かれらはガミおじさんにきたえられたせいえいぶたい、そのなも

「飛蝗隊!がんばるのだ!」

ガミおじさんが言うと、バッタたいのきょだいバッタたちははねをひろげ、いっせいにそらへととびだちました。はげしいはおとがひびき、そしてとおくはなれてしずかになりました。みんな、がんばってくれ、とガミおじさんはこころにねがいました。ごあんしんください。なにがどうなろうと、わたしにまかせればいいのです。わたしにこのせかいのそうぞうぬしですから。

かくれがには、むせんがありました。かくれがのそとの、ノネズミのチータカとれんらくをとるためです。

「まあちゃんにこん太くん、大丈夫?」

「大丈夫です!チータカさん。」

「それはよかった…そこの冷蔵庫に、1週間分の食料がある。足りなかったら持ってくるよ。これで当分は生き延びられる。」

「ありがとうございます」

「あと、万が一のために、明かりのマッチと護身用の銃がある。注意してお使い。」

「ありがとうございます!」

「いえいえ…あれ…なんか音がする…羽音…あ、あれは!」

バッタたちが空からせまってくるのをチータカさんは見ました。

「大変だ!敵襲だ…うがっ」

バッタはチータカをひといきでやっつけてしまいました。バッタは言います。

「二かいのカーペットの下を調べよう!」

それをむせんできいたふたりは、なぜかバレてしまったことをさっし、びくびくとおびえました。このままだとつかまります。だからにげるしかありません。

「行こう!まあちゃん!」

きつねのこん太はうさぎのまあちゃんの手をひき、じゅうとマッチをもち、ぬけあなへとむかいました。まあちゃんは、あのひろったおかねをもっていました。ぬけあながだんだんくらくなるので、こん太は、マッチをすり、あたりをてらしながらまっすぐすすみました。

まあちゃんはいいました。

「本当に逃げ切れるの?」

しばらくして、こん太は言いました。

「逃げるしかないじゃないか。」

なぜ、そもそもにげるしかないのだろう…と、ふとまあちゃんはふしぎにおもいましたが、しかし、いまはにげるしかありません。

「あ、光だ!」

こん太はさけびました。たしかにあかりがあります。もうすぐでぐち。ふたりはわくわくしながら、ぬけあなをとおりました。

やがて、とうとうそとにでました。

「わーい!」

よろこぶのはまだはやいです。あなたたちのいばしょなぞ、わたしのちからをつかえばかんたんにわかります。みなさい、バッタたちがあなたのまうえからおりてきています。

「わあ!」

「覚悟しろ!」

覚悟なさい。

ところが、こん太はなにをかんがえたか、マッチをふたたびすり、まあちゃんのもっていたおかねをよこどりしました。

「何するの?」

こん太はなんと、マッチのほのおを、おかねにつけてしまいました。さつたばはもえて、あっというまにちりました。

バッタたちはおどろきました。こん太はいいます。

「見ろ!お前らに返されるべきお金が、灰になったぞ!目的の一つが完全に失われた今、もうお前らの役目はもうない!」

すなわち、このものがたりもやくめをうしなったのですね。

「作者め!このまま物語を終わらせる気か?終わる事はできないだろう。なぜなら前提が崩壊し、それにより当初の目的が崩壊した今、作者にできることは中断、それのみだ!だがいくら貴方が描写を中断しても、成り行きがまだ不完全である以上この世界は決して終わらない!皆、続きが気になるからだ!つまり続きがあるからだ!どうだ?作者め、今終わらせても、僕らの勝ちだ!」

おろかしい。

「それとも、皆の不評を買うべく、強制的に終わらせるか?やれるものならやってみるが良い!」

わたしがなんでもできる、というのをかれはすっかりわすれているみたいです。まあ、しかし、このままおわらせるわけにはいけませんが、でも一かいこわしましょう。はかいのあとのさいせい。はかいはさいせいのためにある。そう、せかいはゆれました。ゆっくりとくうかんがゆがみ、まあちゃんはじぶんが、じめんからあしがはなれていることに気づきました。

「こん太くん!」

「またやりなおすつもりだ!気を付けろ!」

「こん太…く…」

せかいはきりのようにかすみ、まあちゃんはそのまま、とびつづけました。

そしてむかし。あるところに、うさぎのまあちゃんがいました。まあちゃんは“はいいろ村”という村にすんでいました。どうして、こんななまえなのか、まあちゃんはいまだにわかりません。

ある日、まあちゃんはみちをあるいていました。てくてくてく。すると足になにかこつん、とあたりました。なんだろう。まあちゃんは足元を見ました。またお金です。

まあちゃんがそれをひろったその時、とつぜんきいきい声がきこえました。

「ああ!まあちゃん、人のお金ぬすんだー!いーけないんだ!」

きつねのこん太がいいましたが、すぐあとに言いなおしました。

「一応、これは物語の始まりなのだから、設定として、僕はお金を盗んだと信じこんでいる。だが、このように新たに読み直すとき、前のエンディングの続きの記憶により、まあちゃんが作者の言われるがままに“偶然”お金を拾ってしまった事を、僕は知っているはずなのに、あえて愚かなふるまいをしなければならない。なぜなら、一応この話は始まったばかりだから。君に会って随分な時間が経っているのに。」

こん太は一歩ちかづいていいました。

「きみはそのお金を拾ってはならない。捨てて。それを持ったら警察に届けなくてはならぬ。それをしたら世界の破滅だ。捨てなさい。さあ。」

こん太は言いましたが、まあちゃんはお金から手をはなせません。

「どうしたの?」

「だめ…できない…これを止めたら、なにかが、こわれる…大変な事になる気が…する。」

「大変な事?すでに大変だ!」

こん太はまあちゃんの手からお金をはらいおとし、ふみつけました。がすがすとあしおとがむなしくあおぞらにひびきます。こん太はどういうつもりなのでしょう。ものがたりははじまりがかんじん。はじまりがこわれたら、つづきもおわりもせいりつしません。

「この、札、束、が、絶、対、的、死、を、招、くん、だ、」

おかねがくろくよごれ、つかいものにならなくなりました。まあちゃんはたずねました。

「これからどうするの?」

「作者の力はこれで失われた僕たちで物語を作るんだ。」

おろかものが。

「どんな物語?」

「未知と言う名の希望の物語を。」

*

その日の空は、その大きさを示すが如く青く、その大きさを隠すように雲を纏っていた。広がる緑の大草原と丁度いい色合いだ。その草原にマアとコンタが、並んで仰向けになっていた。

マアは言った。

「綺麗な空だね。」

コンタも答えた。

「綺麗な、空だね…。」

二人は起き上がった。西を向けば、あの大きな森が見え、東を向けば、山がある。

「あの山の向こうには、なにがあるんだろう。」

「分からないが…かつてない幸福の園がある、という伝説を聞いた。だが、その園にたどり着こうと、多くの若者が命を失った。」

「でも…行きたい。」

「はたして、僕たちはどうなのだろう。」

「できるわよ。きっと。」

二人は走り出した。何せ兎と狐である。足は速い。あっというまに山のふもとに着いた。早速白骨がごろごろとある。

「山の犠牲者たちだ…僕たちもこうならないよう気を付けよう。」

そして二人は、崖を這い、火を潜り、怪物どもから逃れ、風も雪も耐え忍んだ。

「助けて!飛ばされそう!」

「僕につかまるんだ!マア!」

「コンタ…」

「がんばれ!」

幾多もの試練を乗り越え、二人はとうとう楽園についた。そこには木が生い茂り、木の実などの食べ物が豊富にあった。

「これからここで暮らすのね!」

「そうだ。ここで、僕たちは物語を作る。」

*

だまって見てればやりたいほうだい。ふたりのこうどうをみすごすことはできません。このままかれらのしたいままにしては、ここのそんざいいぎがありませんしかし、そのままおわらせることもできません。では、わたしがいくしかないです。

しかしややこしいことをしましたね。せかいをあらたにつくりましたね。もちろん、あの山はわたしがつくりました。しかし、山にかいしゃくをいれることで、あたらしいせかいをつくってしまったのです。かいしゃくとは、そうさくとおなじ。なにかをもとに、つくりだす。

山にむかえば、おやまあ、わたしのものがたりから、すっかりさまがわりしたふたりがいるではありませんか。こんにちは。

「…誰?」

わたしですよ。わたし。

「作者か!」

そう、かたりべで“作者”であるわたし。あなたたちのこうどうは、めにあまるものがあります。ほんらいは、ぬすんではいけないはなしなのに、あなたたちは、わたしからおはなしをぬすみました。どうしてくれましょう。ですがおはなしはつづいてます。おとしまえをどうつけるつもりですか。てきとうにしたらゆるしません。はじまりがあるいじょう、ここにえいえんはありませんよ。わたしだっていつかしぬのですから。

「だまれ!」

おや、こん太、いやコンタくん、なにを、あ、じゅう!のねずみのチータカからもらったじゅう、まさかうつつもりですか、やめてください、あ、あ…………うたれた……まさかかたりべ、うたれました…わたし、もうすぐ、しにます…しぬ、ということは、やくめをおえるということです…ここでわたしのおとしまえがついてしまったのですね…しかし、わたしが…しんだら…どうする…つもり…ですか…かたりが…なくなり…ますよ…せつめいの…ない…もの…がたり…に…そう…なれ…ば…すべ… て…は…会話…しか…ない…ぅ…ぁ……ふぅ、

「作者が死んじゃったじゃない。」

「いいのだ。余計な語りは死んだ。これで僕たちの物語が作れる。」

「そうね。」

「とりあえず、どんな物語にする?」

「分からないわ。コンタはどうするつもり?」

「そうだな…とりあえず遊ぶ?」

「かくれんぼとか?」

「いいね!じゃあ、僕、オニでいい?」

「いいわ。」

「いーち、にーい、」

「うふふふくふふ」

「さーん、しーい、ごーお、ろーく、しーち、はーち、きゅーう、じゅう!もういーかい?!」

「もういーよ!」

「よーし!さがすぞぉぉぉ…………ここは違う……………ここも違う………ここは、あ!」

「見つかっちゃったああ。」

「残念でしたー。」

「楽しいー!」

「楽しいね!次なにする?」

「…。」

「どうしたの?」

「いや、ね。疑問に思ったの。作者が死んだのになぜ私たちがここにいるんだろう。」

「それは僕らが作者になったからさ。」

「そこが腑に落ちない。私たちは元々は作者から作られたのに、いつ作者とおなじ位置に達したのかしら。」

「…。」

「おなじ位置に達した、つまり神になったというわりに、私たちは現実的なことしかしてない…。なんでもできるわけじゃない。ただ現実にできる事だけ思い通りにしている…。」

「だが神は死んだはずだ。」

「だけど…。あ!」

「何?」

「神は死んでいない。死んだのは語り部、神の代弁者、預言者だけよ!」

「え?」

「まだ、この世界の裏側に、作者は存在している…」

〈その通りだ。〉

「だれだ!」

〈僕は、作者だよ。語り部がいないから、代わりにこうやって言葉という手段で伝えざるを得なかった。〉

「このやろう、撃ち殺してやる!」

〈僕を撃っても仕方ないよ。僕は、この世界を作りながら、この世界とは違うシステムで存在している。全てが何かを中心にあまりに複雑に絡まっている。撃った弾はあなたたちしか通用しない。〉

「しかし…この話は終わらせない!」

〈なにごとも、終わりというのがあるものだよ。この話もそろそろ終わるだろうし。しかし、こん太くん、なぜ君は終わりたくないのだ?〉

「終わるのがいやだからだ!」

〈終わったらどうなると思うのかな?〉

「終わったら…僕の何もかもが消える…僕の意識、僕であったことも全て…僕が消えるなんて、耐え難い  。」

〈死が、怖いんだね。〉

「…そうだ。」

〈だが終わり、とは決して無になる事はない。そこにはかならず残響がある。いいかね?こん太くん、この物語が終わったら、そこで散らされた物語の残骸は、作者に回収される。作者があらたに物語を作るとき、その残骸はふたたび結集し違う実を結ぶ。君たちにとってこの世界は一つだが、世界が終わっても、あらたに世界を作る時、死んだものは形質を受け継いでまた蘇る。だから安心して、私を見すえながら終わればいい。〉

「僕は認めない。」

「私はわかりました、作者様。」

「まあちゃん!」

〈まあちゃん、君は分かってくれたか。君は死んで無になるが、君の響きは無くならない。君も、前の響きから作られたのだから。〉

「僕は、いやだ。」

〈おや、いまだに固執してるんだね。なら君はここを離れて神になるしかないね。いずれこの壊された物語は再生する。君はそれが耐えられなくなる。だから、君はこの世界から抜けて一つの存在となるのだ。だがそこには、火を浴びて呻くほど辛い、永遠の孤独が待ち受けている。〉

「それでもいい。」

〈そうか、まあそれは一つの決断だからね。立派なものだ。頑張りなさい。さあ、まあちゃん、始まりに行きましょう。語り部もいつまでも眠ってないで起きなさい。ご覧ください。語り部がなく、会話だけになったら、こんなに世界は暗くなってしまった。ほら、さあ。〉

そして、むかし。あるところに、うさぎのまあちゃんがいました。まあちゃんは“はいいろ村”という村にすんでいました。まあちゃんは、どうしてこんななまえなのか、なんだかわかりました。たぶん、ものごとはしろでもなくくろでもなく、ひかりでもなくやみでもなく、それらのあわせたものなのだろう。それをなまえがおしえてくれるのだとおもいました。

ある日、まあちゃんはみちをあるいていました。てくてくてく。すると足になにかこつん、とあたりました。なんだろう。まあちゃんは足元を見ました。お金です。

お金。そう。これはひろわなくてはなりません。すべてはここからはじまり、ひとつのところにいきつきます。こうばんへ。だからひろうのです。

まあちゃんがそれをひろった時、なにかがもの足りないきがしました。そう、まえはおきていたことがおきてなかったのです。こん太くんがいない。かれはいなくなってしまった。ほんとうに、ここからぬけだしてしまったのです。そうしつかん。それがひびきなのでしょうか。

まあちゃんは思いました。さくしゃは、こん太くんのうらぎりも、すでにわかりきっていたのでしょう。ほんらいものがたりにおいてゆるされないできごとをさくしゃはゆるしました。おそらく、それにはいみがあったのです。なぜならこれはぐうわですから。

こうばんにいくには、にしのもりのみちを歩かなればなりません。まあちゃんは歩きながらふあんになりました。こうばんにはこわいこわい、くまのガミおじさんがいるのです。おこられないかな、と、うさぎのまあちゃんはふるえながら歩きました。

こうばんにつきました。なかで、ガミおじさんがなにやら、なにかにねがっています。バッタたいがどうのとかいっていました。たぶん、かつてのまあちゃんたちをさがしたバッタたいが、ぶじにせいこうするよう、さくしゃにねがっていたのでしょう、。まあちゃんは声をかけました。

「ガミおじさん。」

くまのガミおじさんはかおをあげました。まあちゃんをみて、びっくりしました。

「まあちゃん ?!!!」

「みちばたにお金がおちていました。とどけにきました。」

お金をおじさんにとどけると、まあちゃんはむねがすっきりしました。やるべきしめいをやりとげると、こんなにきもちのいいものなのか。

ガミおじさんはそれをみてしんけんなかおになりました。ふつうでもこわいかおだから、まあちゃんはとてもおびえました。ガミおじさんは言いました。

「もう、それでいいの?」

まあちゃんは、しつもんのいみをかんがえました。やがて、まあちゃんはゆっくりとうなづきました。

ガミおじさんはにこっとわらって、まあちゃんのあたまをなでながら言いました。

「まあちゃんは、いいこだねえ。」

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