饭饭TXT > 海外名作 > 《彼岸花(日文版)》作者:[日]篠義【完结】 > 彼岸花.txt

文章简介

作者:日-篠義 当前章节:5293 字 更新时间:2026-6-23 02:14

┃━━ ﹏ ━━┃★*★.. ★*★.. ★*★.. ★*★.. ★*★.. ★*★.. ★*★.. ★

小说下载尽在 http://bbs.txtnovel.com---书香门第【duansh1204】整理

本作品来自互联网,本人不做任何负责!内容版权归作者、出版社所有。

╭╮╮

╲◤ ╭╮╮

╲◤ ╭╮╮

╲◤

台風一過で、素晴らしく秋晴れの休日だった。台風で倒れた彼岸花は、健気に起き上がって赤い花を咲かせている。絶好の洗濯日和だと、俺の旦那は朝から洗濯機を回しまくり、ただいま、干す場所がなくなって、ようやく諦めた様子だ。

 ベランダは、たくさんの洗濯物に占領されて、歩けるだけのスペースもない。そこから眼下へ目をやると、彼岸花がたくさん、田んぼの土手に咲いている。

「あれ、昔、毒やから触ったらあかんって言われたんや。」

「ふーん、ほんまはちゃうんやろ? 俺、触ってたけど死んでないで。」

「本で調べたら、毒やのうてクスリやって書いてあった。まあ、あんまり効果のある薬にはならんかったらしけどな。  ?茎と根に毒はあるけど生で食わんとあかんらしいし、吐き気とか下痢くらいなもんやねんてさ。」

 しかし、祖母は、まるで触ることで毒が回るとでも言うように、俺を戒めた。小さい頃だったから、俺も今みたいにひねくれていなくて、ちゃんと、それに従った。今でも触ったことはない。迷信ということではないが、あれは墓場に似合う花だ。毒があるから、土葬した遺体を動物が掘り出さないために植えられていた。そういう経緯があるから、彼岸花と呼ばれている。

「それ、誰に言われたん? 」

「  ばあちゃん  ?」

「元気なんか? 」

「いや、もうおらへんよ。あの人がおらへんくなって、俺は家に存在する意味がなくなったからな。」

 祖母が育ててくれている間は、それなりに家族というものが俺にもあった。それがなくなって、他の血縁者との繋がりが薄いことに気付いたのだ。別に、おかしいということはなかったが、どうしても、馴染めなかった。家族であるための儀式のような食事なんてものも興味がなかった。育ててくれた祖母には申し訳ないが、俺には、家族という関係が育たなかったらしい。

「可愛がられてたんやな、おまえ。」

 唐突に、俺の頭を撫でて、俺の旦那は、ぽつりとそう言った。

「ん? 」

 横に同じように立っている俺の旦那は、微笑んでいた。

「せやないか、それぐらい心配してもろたってことやろ? ばあちゃんは、目に入れても痛ないって思ってたんとちゃうか? 」

「せやろか? 」

「せやなかったら、おまえ、俺と、ここで暮らしてないやろ? ちゃんと人を好きになれるんは、そういう感情を誰かからもろたお陰や。」

「  また、恥ずかしいこと言いよるで  ?」

 そうかもしれない。少し壊れてはいるが、この旦那と暮らすことを認めたのは、俺だし、この旦那が一緒にいるのが当たり前で、ないことは考えられないようにはなっている。その感情は、親の遺伝子なんかでなくて、おそらく育ててくれた祖母に与えられたものだ。

 気持ちの良い風が吹いて、眼下の彼岸花が揺れている。今は、知識があって、それが毒でないことを知っている。だが、知らない時は、それを信じていた。それは、祖母に絶対の信頼があったからだ。

「ええ風やな? 」

「せやな。買い物行かんでええんか? 」

「たまには外食せーへんか? 」

「俺は別にかまへんけど  片道二時間とかは、いややからな。」

「そこまで行けへん。」

「ほんなら、一時間か? 」

「まあ、そんなとこやな。夕方、洗濯物取り込むまで待ってくれ。」

 ハタハタと風ではためいている洗濯物は、まもなく乾くだろう。今日は、秋分の日で、彼岸だったかと気付いた。

「墓参りとかええんか? 」

 旦那も気付いたのか、そう言い出した。

「  覚えてない  」

 俺の生家の墓は、近所にあるのだが、もう二十年以上行ったことがないから正確な場所がわからない。それに、あそこにあるのは、ただの骨だ。あそこに祖母がいるわけではない。

「ばあちゃん、どんな人? 」

「普通。」

「  ?それ、人の評価として、どーなん? 」

「普通に、ごはん作って、普通に、朝起こしてくれて、普通に、「おかえり」って迎えてくれたから、普通や。」

「俺かてやってるやんけ? 」

 普段、旦那が俺を叩き起こし、食事の用意をして、「おかえり」 と、出迎えてくれる。ただし、決定的に違うところがある。

「おまえ、俺を嫁にした段階で、普通やないやろ? 」

「あー確かに、一般的ではあらへんわな。ははははは  しゃーないやろ、おまえ、俺の理想の嫁やったんやからさ。性別うっかりしただけやんけ。」

 からからと旦那は笑って、奥へ入った。それを見送って、また、眼下へ目をやる。ひとつ、旦那には言えないが、俺は、この花が好きな理由がある。たまたま調べて知った花言葉に、俺は、ちょっと笑った。忌み嫌われる花なのに、そんな健気な言葉が載せられているのが、とてもおかしいと思ったからだ。たぶん、一生言うことはないだろうが、俺が秋に死んだら、あの花を棺おけ一杯に入れて欲しいと頼みたい。

?

花言葉は、「想うのはあなた一人」と「また会う日を楽しみに」 だからだ。

(第二篇)撒娇

少し涼しい夜だった。ふう、と、肩の力を抜くように息を吐いて、だらだらと家路を辿る。あまりにも暑い日が続いたので、こういう夜は有難い。ちょうど、半月ぐらいの丸い月が、山の上にあって、それが少し雲にかかっている。日中に、雨が降ったから、そのせいでもあるのだろう。

 もう歩いている人間のない道は、静かで、とても気持ちが良い。

盆休みなかったから、そろそろ草臥れてるな、俺  ?

 サービス業なので、盆休みというものは、基本的にはない。旦那も、公務員だからないので、わざと、その時期に休みは取らないのが、いつものことだ。だが、どうしても家族がある人間は墓参りだとかの用事があるから、何日かは休みを取る。いつもより、ちょっと忙しくなるので、大抵が残業だ。

 この週末は、きっちりと休もうと思いつつ、歩いていたら、前から足音がした。ふと、前方に顔を向けたら、気楽な格好の俺の旦那がいた。

「おかえり。」

「なんや? コンビニか? 」

「いいや、ええ月夜やから、迎えがてらに散歩してたんや。」

「お疲れさん。」

「それは、俺の台詞ちゃうか? 」

「そうか? わざわざ、迎えに来てもろたんやから、俺が言うほうがええんちゃうか? 」

 二人して、距離を縮めて向かい合った。月夜だから、相手の顔が良く見える。風呂に入ったらしく、少し髪が濡れている、俺の旦那は、へらへらと笑っている。

「涼みがてらに散歩してただけや。礼を言われるほど、たいそうなこととちゃう。」

 くるりと、旦那は向きを変えて、俺と並んで歩き出す。そうでっか、と、俺も同じように歩き出す。しばらくして、並んでいて触れた手が、ゆっくりと沿うように延ばされて、俺の手を掴まえて握りこんだ。

「おい。」

「ええやないか。これがしたかったから、迎えに来たんや。  お手手繋いで、みな、かえろーや。」

 調子っぱずれの歌を歌い、花月は、ふらふらと、その手を振っている。ええ年して往来でするこっちゃない、と、ツッコんだものの、俺も手を外すつもりはない。

 とても良い月夜なので、ふたりで一緒に、それを感じるというのは、とても楽しいことだ。ついでにいえば、こういうことをしたがる時の花月は、甘えたい気分であるらしい。いくつになっても、甘えたい気分というのはなくならない。いつもは、俺が甘えているが、たまに、花月も甘えたくなるらしい。身体を重ねるようなものではなくて、ちょっとした触れ合いをして、それが楽しいと思うような簡単な甘え方だ。

涼しなったから、人肌が恋しくなるんかなあー  ?

 ぶらぶらとハイツまで歩いて、前後になって階段を上った。その時も、手は繋がっていて、玄関を入ると手は離れた。

「おかえり。」

「ただいま。もう、ええんか? 」

「とりあえず、メシの支度せなあかんからな。」

「さよか、えらい呆気ない。」

「いや、メシ食ったら、ちょっとベタベタさせてもらう。ほんで、週末の予定なんてものを話し合おうやないか。」

「ああ、俺も、それ、考えとったんよ。」

 どかどかと廊下を進みつつ、俺は、ネクタイを外し、スーツを脱ぐ。それを花月が、ほいほいと取り上げている。

「涼しいとこへでも行こか? ほんで、たまには、ええメシでも食うぐらいでどうやろ?」

「ええんちゃうか? 」

 居間に辿り着いた途端に、ズボンとワイシャツも脱いで、パンツ一丁で、どかりと居間に座り込む。ぼおーっと一息ついたら、すかさず、軽いものが食卓に用意されて行くのが見えた。

「そこで寛いでんと、メシをちゃっちゃっと食え。」

「はいはい ?え?  うなぎ? 」

「うん、うなぎやけど、茶漬けやからさ。冷たい緑茶をかけて、わさびで食べ。」

 小ぶりのどんぶりの中身は、大葉と茗荷とうなぎが載っていた。そこに、わさびが、どかっとトッピングされて、ペットボトルの冷たいお茶をかけられる。さらさらと喉越しよく通っていくと、わさびが効いていて、さっぱりしていた。付け合せは、きゅうりともずくの酢の物で、これも、あんまり酸っぱくない。

 さらさらと十分とかからず、それを食べると、どんぶりを食卓に置いた。疲れているから軽いものだが、ちゃんと夏バテ用になっているのが、なんともいえない気遣いだ。

「ごっそさん、おおきに。」

「そらよかった。」

 食卓に、何気なく置いた俺の手に、俺の旦那は手を添わせる。どうやら、今日の甘え方は、手を繋ぎたいらしい。

「たまには、腕枕したろか? 」

「それ、ええな。ひとつ、頼むわ。」

「けど、本格的なんは、明後日まで待ってくれ。」

「おう、待たしてもらうで。」

 俺のする腕枕は、あまり本来の腕枕ではない。上手でないので、腕がしびれてしまうからだ。枕の下を通して、花月の頭は枕の上だ。それでも、それで満足ではあるらしく、花月は、ほっと息を吐く。女性のように柔らかい胸はないから硬いのだが、心音がはっきり聞こえて心地良い、と、言う。

 たまに、甘えられるのは悪くない。お互いがお互いに寄り添える相手だから、一方通行ではない証拠だと思う。

「とりあえず、風呂入れ。そうでないと、汗臭くてかなわん。」

「  せやろな。俺、自分でも臭いもんな。」

 あはははは ?と、添わせていた手を離して、ふたりして立ち上がる。そろそろ涼しい夏の夜。

┃━━ ﹏ ━━┃★*★.. ★*★.. ★*★.. ★*★.. ★*★.. ★*★.. ★*★.. ★

小说下载尽在 http://bbs.txtnovel.com---书香门第【duansh1204】整理

本作品来自互联网,本人不做任何负责!内容版权归作者、出版社所有。

╭╮╮

╲◤ ╭╮╮

╲◤ ╭╮╮

╲◤

目录
设置
设置
阅读主题
字体风格
雅黑 宋体 楷书 卡通
字体大小
适中 偏大 超大
保存设置
恢复默认
手机
手机阅读
扫码获取链接,使用浏览器打开
书架同步,随时随地,手机阅读
首 页 < 上一章 章节列表 下一章 > 尾 页