饭饭TXT > 海外名作 > 《诱惑的邮件(日文版)》作者:[日]未知【完结】 > 诱惑的邮件.txt

文章简介

作者:日-未知 当前章节:8520 字 更新时间:2026-6-23 02:14

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誘惑のメール

 PCでオンラインゲームをしていると、画面の右端に紙飛行機が飛んできた。メールの着信だ。

 登録サイトのメールマガジンだろうと思い軽い気持ちで確認するが、そこには差出人不明の文字。さらにタイトルには『貴方の力を見込んでのお願い』と書かれている。

「スパムか?」

 迷惑メール防止フィルターを?い潜って飛んできたのだろうか? それにしてはどこか意味深なタイトルに違和感を感じてメールを開いてみる。

『はじめまして。私アカと申す者です。本日より二週間後にある銀行の電源を落として機能をすべて停止させます。もちろん監視カメラや警報機、さらには客の携帯電話等も使用不可にします。その間に貴方は銀行から出来だけ多くのお金を奪ってください。邪魔な人間は殺していただいて構いません。報酬はあなたが奪った現金と私の方から一億お渡しいたします。良い返事をおまちしております。

                                            Y/N?         』

「なんだこいつ? 俺こと知ってるのか?」

 少し前、と言っても十数年も前の話になるが、その当時の俺は仲間内では少しばかし名前の知れた銀行強盗だった。

 しかし、一度警察に捕まり今は足を洗った身分だ。

 その怪しげなメールに疑問を感じたが、正直言って前科がある上に檻に入る前もまともな生活をしていたわけではない。まともな職に就くこともなく、給料の安い日払いのバイトで食いつないでいる状態だ。金の魅力に負けて三文字のアルファベットを入力した手はそのまま送信ボタンをクリックした。

 それから一時間ほど何もせずにじっと待ってみたけどメールが返ってくる気配を見せない。結局悪戯だったのだろうと判断してゲームを再開することにした。

 しかし、そんなものは忘れかけた頃に突然アラームを鳴らす。さらに一時間後返信はあった。

『ありがとうございます。返答次第では、あなたの口止めが必要だったのですが、そうならずに済んだようでこちらもホッとしました。それでは時期が近づきましたらまた連絡をいたします。必要なモノはこちらで用意させていただきます。明日には届くと思いますので自宅待機でお願いします』

 メールを読み終えたが、イマイチ実感が湧いてこない。その原因を考えてみると案外あっさりと思い当たる。

「ブランクがありすぎるんだ」

 勘を取り戻そうにも実際にやってみないことには難しい問題だ。初めに強盗を起こした時はまだ若かったからよかったが、今はもう三十の後半。体がついて来るか心配だった。

 しかも、一度は捕まった身だ。不安は拭いきれないが幸い時間はまだある。当日までに勘を少しでも戻せば実行可能だ。

「とりあえず、そんな先のことを考えるのはやめよう」

 今は明日来るはずのモノが何であるか? それが気になるが、憶測は出来る。おそらく銃で間違いないだろう。初めそれを手に入れるのに苦労した記憶が残っているからだ。

 テレビやドラマを見ているとどこにでも転がっているイメージは強いが実際そんなことはない。

 金があれば話は別なのかも知れないが、その金が欲しいから銀行強盗をする。金がなければそんなもモノは手に入らない。つまり相手はそれなりの人物だと考えることが出来る。

「まあ、相手が誰であっても俺は俺に出来ることをするまでだ」

 色々と考えるのも面倒になってしまったから、ゲームでもしながら明日を待つことにした。

 朝のニュースを見ながら

「最近物騒な事件が多いな」

 自分のことを棚に上げて、実際どうでもいいことを呟いてみる。それを聞いていたかの様にインターフォンの電子音が部屋に鳴り響く。

 玄関を開けると全身青い服を着た宅配業者の男性が立っていた。

「これを」

 深く被った帽子のつばをつまんでお辞儀をして驚いた猫の様な速さで去っていく。手渡された段ボールを持って部屋に戻る。

 宛先も何も書いていないしこちらもサインをしていない。これがアカからの届け物だというのはすぐに理解することが出来た。

 ダンボールが少し大きいのも気になったが、それ以上に銃が入っているにしては少し軽いがする。

「憶測が外れたか?」

 少し不安になりつつも、ダンボールを開封すると、一枚の紙と銀行通帳が入っていた。

『そのお金は好きなように使って下さい。すべて準備金だと思っていただいて結構です。下に書かれたホームページにアクセスすると銃の心配はないと思います。それでは、日が近づいたらメールを送らせていただきます』

 手紙を読み終えた後に通帳の頁を捲っていくと五という数字の後に丸が六つ。名義を確認すると「鈴木 一朗」とありきたりな名前が記されている。偽名だろう。

「依頼人はやっぱり一般人ではないのか……」

 多額の金を送りつけて、その金で銃を本人に買わせる、効率が悪いように思う。初めから銃を送ってきたら済む話ではないのだろうか? 考えても相手の心理など分かるはずもなく、他に銃を買う方法も見つからない。結局それに従う形になってしまったのは仕方がないのだろう。

 しかし、こんな大金をあっさり出す人間が何のために銀行強盗なんて依頼してきたのか? しかも、金はすべて俺もモノになる……

 考えて答えが出るほど自分の頭に自信があるわけでもない。

「とりあえず、こんなモノを送ってくるってことは本気で銀行強盗を企んでるってことだ」

 その事実があれば俺は金を手にすることが出来る。それを手にするために手紙に書かれていたページに飛んで見ることにした。

 そこはあまり凝った作りではなく、日記のようなものが書かれているだけでホームページというよりもブログといった感じだった。タイトルに「レッドゾーン」と記されている。

「ここでどうやって銃を買えっていうんだよ」

 愚痴りながらもじっくりと観察してみると、日記の更新日が二年前であることに気がついた。記事数は三十と少ないのに対して、コメントの数が四桁にも上っている。訪問者の数は桁を数える気にもなれない。

「時間はある」

 他に出来ることもないので、記事を一つ一つ読んでいくことにしたが、その内容はまさに日記。その買ったCDのことや、友達と遊んだとかその程度。更新も毎日ではなく、不定期に更新されている。

「ほんとにこんな所で銃が買えるのか?」

 依頼人が嘘をつくとは思えないが、どうにも怪しくなってきた。金まで送ってくるぐらいだからどうにかしたら銃に辿り付くはずなのだが、どうにもさっぱりだ。自分の頭の悪さを恨む。

「とりあえず、もっと細かく読んでみるか」

 まだ読んでいない所を細かく見てみると、明らかに不自然なページに行きつく。プロフィールだ。誕生日は記入されていないし年齢が不自然だ。

 しかし、これといってヒントになりそうな記述もないので他を探して見る。そこで目をつけたのは他人のコメントだ。

 そこになら若干のヒントが隠されていると思い過去のコメントを確認して行くが、そんなに甘くはなかった。最近書かれたコメントにとあるリンクがはりつけられていたので、一応そこにも飛んでみたが、そこにあったのは「自殺サイト」

 もしかしたら何か関係していかも知れないと思って少し読んでみるが「一緒に自殺しませんか?」「生きることに疲れた」「あなたの自殺お手伝いします」などと、胸糞悪くなる書きこばかりですぐさまみるのをやめる。一つだけ気になったのは、ハンドルネームは色だったり、キャラクターの名前を使用していることだ。死ぬ覚悟をしている人間でも本名は名乗りたくないのだろうか?

「贅沢な人生だ」

 そんなことを思いながらも目の前にある大金のためにパソコンとの睨めっこを再開した。

 そこから丸一日かけてようやく、タイトルの頭文字だけを抜いて更新順に読んで行くと「銃をお求めの方は数字をお探し下さいそれがヒント」

 そう書かれていることに気がついた。

「数字って言ってもな」

 ホームページには数多くの数字が飛び交っている。それら全てを引っ張り出せと言うのだろうか? 必死に頭を回転させる。

 ヒントがきっちりと順番だったのを考えると、数字もまた順番に抜き出していけばいいはずだし、固定されていていつでも変わらない文字なはずだ。つまり更新日や訪問者の数と言った要素はすべて外すことが出来る。

 じゃあどこの数字から抜き出せばいいのか? ホームページを作る時初めに何をするか? それらを踏まえてプロフィールの数字か引っ張り出して見ることにした。

 すると

「62、85、13、210、24、103、25、13、69、32、42、83、13、15、13、23、21、55、13、43、85、13、9、1、6」

 という数字が姿を見せた。

 この数字を元に謎を解き、兵庫県にある神戸までやってきた。

 住所の通りに足を運ぶと、一件のゲームショップにたどり着く。

「ほんとにこんな所に銃が売ってるのか?」

 とりあえず店に入って中を一通り観察する。これと言って変わった所のない普通の店内。不安になりながらもレジに立っていた若い女性に声をかけた。

「あのー、すいません。「レッドゾーン」をみて来てみたんですけど……」

「えっと? 何のことですか?」そう返って来るかと覚悟したが、見事に予想を裏切ってくれた。

「あら、珍しい感じのお客さんね。店長呼んでくるからちょっと待っててね」

 慣れた感じのウインクを投げてからカウンターの後ろに引っ込んで行く。しばらくしてから奥から熊みたいな図体をした男性が現れた。

 さすがに驚いて黙っていると、先に熊が口を開いた。

「ご注文は?」

「はい?」

 威圧感のある低い声に裏返った声が出てしまう。さらに一言目が直球すぎてかなり焦る。

「機種の希望はあるのか? 知んのならサイズと弾数を言え。俺が選んでやる。金さえ出せば何でも売ってやるさ」

 相手が冷静だった分、こちらもすぐ様落着きを取り戻す。 

「じゃあ、小型でなるべく軽めのがイイ。弾数は問わないよ。とにかく使いやすいのを頼む」

「わかった。それじゃあ少しまってろ」

 何やら呟きながら奥に引っ込んで行く熊と入れ違いに先ほどの女性店員が戻ってくる。そこで始めて名札に目をやると『美和希』と書かれている。本名か? ってかなんて読むんだ?

「ミカヅキって読むの」

 俺が名札を見ているのに気付いたのか答えてくれる。

「いい名前ですね」

「ありがとう。それでいい買い物は出来た?」

「ああ、いい買い物だと思うよ。まだ現物を見ていないけどアノ人は信頼できそうだ」

 笑いながらミカヅキさんは言う。

「そう、そう感じたならあなたは人を見る目はないわ」

「ごもっともで」

 その後は二人で有名なロールプレイングゲームの話をしていると、有名ゲーム機の箱を抱えて熊が再び姿を見せる。

「用意出来たぞ。今から取引の話だ」

「ああ、ありがと。それでいくらだい?」

「待て。焦るな。とりあえず説明してやる」

「すいません。それじゃあ説明お願いします」

「まず最初に機種だが、ワルサーPPKだ。残数は八、かなり有名な機種で使い勝手も言うことはない」

「それなら俺でも知ってるよ。007で有名だ」

「そう、その通りだ。それと予備の弾を五十つける。それで百万だ」

 高いか安いかは全く判断がつかないが、すぐさま返事を返す。

「わかった。交渉成立だ」

 あらかじめ用意していた現金の一束を熊に渡して五十八の人を殺せるゲーム機を持って店を後にした。

 銃を手に入れた直後にタイミングよくアカからメールが届いた。襲撃する予定の銀行の所在地と時間。

「下見でもしとくか」

 ブランクがある分その穴は埋めなくてはいけない。場所を見ておくのはイメージもしやすくなる。

 いざ行ってみると意外に近い場所だったので驚いた。住所から県内だとわかっていたが頑張れば徒歩で行ける距離だ。

 少し得をした気分で中に入ってみる。店内の規模はそこまで広くない。右にATMが並んでいて、左には受付がある。どこにでもある支店銀行だ。

 大よその雰囲気を掴んでからATMで金を五十万程下ろす。何事もなかったかのように銀行の自動ドアを抜けて帰った。

 銀行を襲うまでまだ一週間ほど残っていたが、その日々は瞬くまに過ぎていった。金があると何でも好き勝手出来る。最低一億という金への欲が増した。

 強盗当日、カレンダーを何十回と確認してから自宅を出る。

 服装はいつもと変わらない。腰に差さっている銃以外は。

 銀行の機能を停止させるのは午後二時ちょうど。

 少し時間があるので歩いて行くことにした。行きかう人は何も知らずにケタケタと笑いながら俺の隣をすれ違って行く。当たり前のことだ。

「あの人銃もってるかも」

 そんなこと考えて道を歩く人間がどこにいるだろうか? まずいない。何とも平和な国だ。

 いや、危機感が足りないだけかも知れないが。

 急いで歩きすぎたのか十分前に銀行に到着する。

 内心は結構な緊張を伴っていうが平静を装って中に入る。

 平日なのに銀行内には結構多くの人がいる。客が慌てふためいて逃げようとすると厄介だが、それは電源を落とすことによってすべて解決される。

「大丈夫だ」

 一言つぶやいてから、時間になるのを待つ。ただ待っていても時間がもったいないと感じて、今の状況を把握することにする。

 店内には三十人ほどの客がいる。入れ替わりもあるが、大体そんなところだ。

 ちらりと時計を見ると着いてからまだ二分しか経っていない。緊張のし過ぎだろう。一秒がこんなに長いと思ったのは初めてだ。その後に数十分は一秒を争うだろうことを考えると不思議な話だ。

 一秒も無駄に出来ない。何かしらのミスを犯したら命取りになる。

 もし失敗して再び警察に捕まることになれば? その時は一生あの檻の中で生活しなくてはいけないだろう。考えただけでも死にたくなってくる。

 失敗することばかり考えていても仕方がない。それに失敗するはずなんて無いのだ。自分にそう言い聞かせる。

 しかし、本当に電源が落ちるのだろうか? それの確認方法がわからないが何かしらの動きはあるはずだと思い、それを待つことにする。無ければそれで帰ればいいのだ。

 ふと時計を見ると残り一分。頭の中でカウントダウンを始める。頭の中の数字がゼロになると同時に銀行内が暗くなる。咄嗟にこれが合図なのだと気が付く。

「動くな!」

 そう言って銃弾を一発放つ。店内の空気が凍るのを肌で感じる。

「これに金を入れろ」

 受付の女に銃を突き付けて用意していた鞄を投げつける。

「は、はい」

 その女はすぐさま金を入れ始める。それを見て、銃を客に向ける。そこで一人の男が俺の前に立ちはだかった。

「君! やめたまえ。こんなことして何になる。どうせ……」

 男が喚いている最中にためらいなく引き金を引き頭をぶち抜く。一度同じことをしていると案外あっさりと出来るものだ。それに、邪魔なら消しても構わないと言われてるしな。

 その時二人組の客がクスクスと笑っている。

「お前ら何笑ってんだよ」

 若干イラつきながらも、冷たく銃口をそちらに向ける。

「いや~レッドさんも粋なことしてくれるかと思ってね。イベントってこのことだったんだな」

「ほんとに。まさか銀行強盗で死ねるとはね。全財産払っただけのことはあるよ」

 こいつらが何を言っているのか理解できない。

「お前ら何の話してるんだよ?」

 きょとんとした顔をこちらに向けて当たり前のように言い放つ。

「え? あなたこそ何言ってるんですか? 今日ここに集まった人は皆自殺志願者でしょ?」

 その言葉に呆然とする……自殺志願者だって?

 頭の中を整理しようとすると同時に外から忌まわしい電子音が聞こえてくる。赤いランプがそこで止まった。

「警察? 知らせたにしては早すぎる。いや、そうか。なんだ。そう言うことか」

 全てを理解して目がATMを捉える。見事なまでに電源が付いている。受付の女に命令して入口の自動ドアの電源を落とさせた後にシャッターも下ろす。

 それから、ここにいる奴ら全員の頭をぶち抜いて行く。どいつもこいつも幸せそうな顔をしながら魂を抜かれていく。死神にも天使にもなった気分だ。

 中には命乞いをしている奴もいた。おそらく銀行に用があった普通の客だろうと思ったが

「お互い運がなかったんだ」

 心の中でつぶやき弾を放つ。受付の女以外全ての人間から魂を抜き終えてからようやく、シャッターを破ってきた警察が突入してきたが、すべてがスローモーションだ。

「おいおい。なんだよコレ」

 笑いながらつぶやき、それを自分の頭に突きつけて引き金を引いた。最後に見えた花畑でもなけで雲の上でもない。真っ赤な景色。そして訪れた闇だ。

 ★

「赤松店長。本当にありがとうございます」

「いや、アイディアは君だろ。俺はエスコートしたまでだよ彼の自殺を言う形をね。それだけ億という金が転がり込んできた。こちらこそ感謝だよ。妹の仇を殺すためとはいえ、良く思いつたなこんなこと」

「いえ、俺はもう一度あいつが捕まればそれで良かった。まさか死んでくれるとはね」

 そう言って彼らは銀行に設置されている監視カメラの映像を眺めていた。

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