饭饭TXT > 海外名作 > 《红线》作者:[日]芽衣/译者:王欣【3部完结】 > 赤い糸.txt

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作者:日-芽衣/译者:王欣 当前章节:15365 字 更新时间:2026-6-23 05:27

赤い糸destiny 「ねぇ、今日遊びに行かない? 海斗と美亜とアタシの3人で行こうよー!」

美亜にばれないよう、こっそり海斗にウインクする。

──海斗は今も美亜が大好き。

美亜も、前は海斗が好きだった。

今すぐにじゃなくても、いつかふたりがうまくいってくれたらいいな。

海斗は優しい人柄で、美亜への真剣な気持ちを持っている。

そのことをよく知るアタシは、海斗の気持ちを後押ししたいと思っていた。

「行こうよー」

「お、俺は大丈夫だけど、美亜は?」

海斗は緊張してしまったのか、言葉をかんで少し赤くなる。

思わず笑いそうになり、アタシは下を向きながら、美亜の返事を待った。

すると──

「今日はちょっと」

申し訳なさそうな美亜の声が聞こえてきた。

「そっか……」

落ち込んだアタシと、美亜の視線がぶつかる。

……あれ?

その表情に、少しだけ違和感を感じた。

カラコンのせいかな?

「あのさ……」

「明日なら行きたいな!」

アタシの言葉を遮り、美亜はニコッと笑う。

赤い糸destiny その笑顔はいつもの笑顔だった。

……やっぱりカラコンのせいだね。

「じゃあ、明日にしようっ!」

「うん! ──あっ! 時間やばいから教室戻るね!」

「じゃあな!」

美亜は手を振り、足早に教室を出て行った。

美亜の後ろ姿が見えなくなると、海斗はホッとしたように笑った。

「ほんっと芽衣にはびびるよ。いきなりすぎだからっ」

「アハハッ! だって、海斗が積極的じゃないんだもん」

最近の美亜には、いろいろなことがありすぎた。

積極的になれない気持ちはよくわかる。

「今すぐじゃなくても、美亜の気持ちが落ち着いたら告りてーなぁ」

美亜としばらく音信不通になっていたこともあり、海斗は告白のタイミングを逃していた。

「そっかぁ……。アタシも一緒だよ」

「お互い頑張ろうな! 明日のこと、ありがと」

ふたりは顔を見合わせ、自然と笑顔を浮かべた──

翌日の放課後、3人は、約束通りに街で遊んだ。

途中でアタシは気をきかせて帰ったが、海斗と美亜は夜遅くまで遊んでいたらしい。

お節介だったかもしれないけど、ふたりが楽しんでくれて、本当に良かった。

赤い糸destiny 最近、みんなの幸せそうな姿を見ると、すごく心があたたまる。

このまま、みんなで笑って過ごせたらいいのに。

アタシは10月に入ると、美亜にアッくんのことをすべて話した。

今までは気を遣って話せなかった話。

でも、美亜は自分のことのように喜んで、

「良かったね! 頑張ってね」

そう言いながら、アタシの体を抱き締めてくれた。

あのときは、胸がいっぱいになったよ。

──10代後半っていちばん楽しい時期だって聞くけど、今まではたくさん苦しいことがあった。

だからもうこの先は、楽しく過ごしていきたい。

ずっと仲良くいっぱい笑いながら──

そして、神様は期待通りに、嬉しいことや楽しいことを運んできてくれたんだ。

10月最初の日曜日──

今日は、アタシたちが通う高校の文化祭だ。

前々から力を合わせ、準備してきた一大イベント。

「オバケ怖くなくない?」

「チケット入れはここね!」

「ヤバ! 墓が壊れた!」

みんな慌ただしく動き回り、いつもと違う教室内には大声が飛び交っている。

赤い糸destiny 充実した日々

アタシのクラスの出しものは、お化け屋敷だ。

案内係のアタシは、人手(ひとで)が足りないところの手伝いに奔走していた。

教室内は昨日から飾り付けをされ、不気味なお化け屋敷になっていた。

寺の息子が作ったリアルな墓がセットされ、スーパーの娘が差し入れしてくれた蒟蒻が天井からぶら下げられていた。

朝9時を少し回ると、

「ビラ撒き行くか!」

同じ案内係の海斗に誘われ、アタシはチラシを掴んで教室を出た。

もうすぐ文化祭が始まる。

「お化け屋敷してますよー!」

「お願いしまーす」

アタシたちは正門に立ち、笑顔でビラを撒いた。

他高の制服を着た男女や保護者らしき人々が、ゾロゾロと敷地内に入ってくる。

「今日、来るんだろ? 何時に来んの? 前はあんまり見れなかったから、じっくり見てみたいんだけどっ!」

「もうっ……いいから早くビラ撒いてってば!」

「赤くなんなよー」

海斗にからかわれ、アタシは顔を赤く染めた。

赤い糸destiny 今日は、昼過ぎにアッくんが来る予定になっている。

そして、優梨も来ると言っていた。

後は、久しぶりに会う懐かしい友人も……。

アタシが案内係になった理由は、友だちと自由に校内を動けるからだ。

「アッくんってどんな顔だっけ? あのときはまともに見れなかったからなぁ」

「わかったから真面目に宣伝してってばぁ……」

朝からアタシをからかってばかりいる海斗。

真っ赤になったの、今日何回目だろ。

そんなことを考えながら、ひたすらビラを撒いた。

「先に休憩行くね!」

正午になったことを確認し、アタシは校内に向かった。

途中で保護者たちが売っている焼きそばパンを買い、食べながら教室に向かう。

お化け屋敷は、カップルや他高の学生たちで行列ができていた。

「大盛況だね!」

アタシはパンを食べながら、受付のクラスメイトに話しかける。

「すごいよね! かなり嬉しいっ」

「わかるっ! ……頑張ったかいがあったよねっ」

「後で芽衣チャンも入ってみなよ!」

赤い糸destiny クラスメイトの誘いに、少し困ってしまった。

自分のクラスの出しものだから気にはなるけど……。

それよりも、お化け屋敷が大の苦手なんだ。

今までの人生を振り返っても、リタイアした記憶しかなかった。

「芽衣チャンの連れならタダにしとくね!」

「あ……うん。じゃあ、考えておきますっ!」

アタシはパンを食べながら、出口から出てくる人を眺めた。

?~?~?~

海斗から電話がかかってきた。

もしかして……。

「もしもし~」

「芽衣、関西弁の男が来てるけど?」

「あっ!! 今すぐ行くからっ!!」

アタシは残りのパンを握り、廊下を走り出した。

人をかきわけ、正門へと急ぐ。

正門前では、海斗とカップルが話し込んでいた。

「来てくれてありがとうーっ!!」

叫びながらみんなに駆け寄った。

「──あっ!! めっちゃ久しぶり」

「沙良、会いたかったよぉ!」

アタシは沙良の前まで行くと、思わずギュッと抱きついてしまった。

赤い糸destiny 「元気してた!?」

「してたぁ! 会いたかったよぉ!」

沙良も笑顔でアタシを抱き締め、ピョンピョン跳ねている。

──あれ以来、アタシたちはときどきメールをしていた。

近況報告をしたり、月に一度は写メール交換もしている。

「修学旅行の自由時間の日が、うちの文化祭と重なって良かったよ!」

「そうだねー。ホテルからは遠かったけど、こっちに来たら会いたかったんだぁ! ──あっ、そうそう。彼氏がこれ!!」

沙良はアタシを抱き締めたまま、海斗と話している学ランの男の人を指さした。

「彼氏がこれ!! ってなぁ……。これ扱いはないやろ」

「ごめんごめんっ」

聞き慣れない関西弁のイントネーションは、沙良の入院先に見舞いに行った日を思い出させた。

幸せそうで良かった……。

あの日の沙良を思い出し、アタシは嬉しくなる。

「あっ! 今からうちのクラスのお化け屋敷に行かない?」

「えーなぁ!」

「あたし、お化け屋敷大好きなんだぁ」

沙良と彼氏サンは、自然と手を握り合った。

アタシはふたりを連れ、校内へと戻る。

赤い糸destiny 教室に向かう途中、沙良は幸せそうに話し始めた。

「あたしね、大阪って街が大好きなんだ。毎日楽しいし、彼氏と出会えた街だもん。事故がなかったら、彼氏にも今の友だちにも会えなかったでしょ? そんなの考えらんない。だから、事故は運命だったって思ってるんだ」

「……沙良」

アタシは戸惑い、なんて言えばいいのかわからなかった。

沙良の事故の責任はアタシにある。

というより、あれは事故ではないんだから……。

「そぉやで! 沙良、えーことゆった!」

真実を知らない彼氏サンと沙良は笑顔を交していた。

「こんなこと言って頭がおかしい子みたいだけど……あたしは事故にあって良かったなって思うの。不幸な出来事だって、そこから幸せに繋がることはあるんだよねっ」

沙良のひと言ひと言がアタシの心を締めつけた。

会えて嬉しいけど、あの日の話になると自分の過ちがリアルに蘇る。

それは、一生かかっても償えない罪の意識──

アタシは下を向き、ギュッと唇をかんだ。

赤い糸destiny 「そんな顔しないで。芽衣チャンは悪くないよ! あたし、記憶が戻ったから会いに来たの!」

「──えっ!!」

記憶が!?

驚いて顔を上げると、そこには、優しく微笑む沙良の顔があった。

「すべてを知ったとき、芽衣チャンはずっと事故のことで苦しんでるだろうなって思ったの。──あの日のことは、ただの事故だったんだよ。芽衣チャンは悪くない。これからもあたしと仲良くしてね」

沙良の言葉に……胸が、ジーンと痺れる。

涙がこぼれそうになるのを必死で抑えた。

「なんで……アタシが──」

「だから、あれは事故! ただの事故だからね。もう悩まないで、あたしを普通に転校した友だちって思ってほしいんだ。変な壁とかなしで仲良くしていきたいの。芽衣チャンが好きだから」

沙良の言葉に、もう何も言えなかった。

言葉の代わりに涙が頬を伝った──

「泣かないでよぉ……化粧が落ちるよ!」

「だって……」

「ほんと泣き虫なんだからっ」

沙良は彼氏サンと手を離し、そっとアタシの手を握った。

赤い糸destiny 沙良たちを教室まで見送った後、崩れた化粧を直してから正門に戻った。

「遅いーっ! 沙良チャンは?」

待ちくたびれた顔をしている優梨が、梨夏を抱いて立っていた。

「待たせてゴメンね! 沙良は彼氏サンとうちのクラスにいるよ。沙良ね、記憶が戻ったんだって……」

「マジで!?」

優梨は驚き、複雑そうな表情を浮かべた。

そのとき──

「おい、優梨!!」

手を振りながらナツとアッくんが正門に近づいてきた。

「後で話そ」

「うん」

優梨はそう言い、ナツに手を振り返した。

「ナツ! アッくん!」

「──えっ? アッくん!?」

近くにいた海斗は優梨の声に反応し、またニヤニヤとアタシを見た。

嫌な予感……。

「本当に変な態度とかやめてよねっ! 絶対ダメだからね!」

「わかったって。あー、確かにアッくんってあんな感じだったよな。芽衣は陸といいアッくんといい、かなりの面くいだなっ」

「アハハッ」

隣にいた優梨は、海斗の言葉に爆笑していた。

そんな間にも、ナツとアッくんは近づいて……。

「お、おはよっ!」

緊張のあまり、声が裏返ってしまった。

赤い糸destiny 「お疲れっ! まだ自由に動けないのか?」

「あー……」

時計を見ると、すでに2時近くになっていた。

そろそろ終わらせてもいい時間だ。

「もうビラ撒きやめようぜっ! 俺も仲間と回ってくるから芽衣もそうしろよ!」

「あ、うんっ。──みんな、行こっか」

海斗はいいタイミングで声をかけ、校内に戻っていった。

……海斗、ありがと!

胸の中で呟き、校内に向かって歩き出した。

「まずは1階から!」

みんなで1階の教室からグルグルと校内を回り始めた。

「へぇ……うちの学校より綺麗だなぁ」

アッくんは廊下や教室を覗きながら言った。

──なんか変な感じ。

いつもは絶対いない場所にアッくんがいると、すごく違和感があった。

だけど、アッくんがいるだけで、見慣れた校内がすごく新鮮に感じた。

「あっ! 芽衣とアツシは先に行っててくんない? 俺ら、梨夏のオムツ替えやミルクやるから」

「そうだね。先に行ってて。はい、梨夏。バイバイしなさいねー」

ナツと優梨は急に立ち止まり、梨夏の腕を掴んで手を振らせた。

赤い糸destiny 優梨は声を出さずに口パクで、〈頑張れ!〉と笑った。

……わざとだったんだ。

アタシはアッくんにばれないよう、こっそり優梨にピースをした。

「また後でな! 芽衣、行こうぜ」

「うんっ。梨夏タン、またね!」

その場に優梨たちを残し、アッくんと並んで歩き出した。

「どこに行く?」

「そうだなぁ……。じゃあ、2年の教室行くか?」

「うんっ。美亜のところも後で寄ってこう! それに、今日は沙良も来てくれてるんだよ。彼氏サンと一緒なんだ!」

「沙良って中川? 連絡取ってたのか?」

すべてを知っているアッくんは驚いたように言い、アタシを見つめた。

コクッとうなずき、アッくんの目を見て話した。

「……本当に沙良には感謝してるよ。記憶が戻ったのに、これからも仲良くしようって言ってくれたんだ」

「良かったな……。いろいろあっても仲良くできるのが本当の友だちだよ。大事にしろよ!」

さっきの沙良を思い出すと、また泣きそうになってしまった。

涙がこぼれないように、そっと目がしらを押さえた。

アッくんはそんなアタシを見て、肩をポンポンと叩いてくれた。

赤い糸destiny ──ふたりで2年の廊下をゆっくりと歩いた。 二人缓缓地走在二年级的走廊上

他高の男の子と並ぶアタシは目立つのか、まわりから視線が集まってきた。 也许是和其他高中的男孩子并排走格外显眼的缘故吧,引来周围很多目光。

嬉しいような恥ずかしいような……。 像是高兴又像是难为情...

変な気持ちになってしまう。 很奇怪的感觉。

「美亜のクラスは?」 美亚的班级在哪?

「もうすぐだよ。美亜のクラスは写真屋をやってるんだ」 马上就到了,美亚班上弄的是照相屋

「へぇ~。いろいろあるんだな」 哎~ 真的是五花八门呢

アッくんは興味深々に、ひとつひとつの教室を覗き込んでいた。 小敦兴趣盎然地瞄着一个个教室

……かっこいいな。 ……真帅啊。

アッくんの横顔に胸がときめく。 看着小墩的侧影心怦怦地直跳

まわりから注がれる視線が、さらに胸を高鳴らせた。 而从周围扫视过来的目光,更是让我的心跳得厉害。

美亜の教室に近づくと、ポラロイド写真を手にする人が増えてきた。 靠近美亚的班级后,手里拿着宝丽来照片的人开始多了起来

「みんな、ポラ持ってるな」 大家都拿着宝丽莱呢。

「そうだね! 多分、美亜のクラスのだよっ」 对哟 大概是美亚班上做的

教室前まで行くと、ポラロイドカメラを持つ美亜の姿が見えた。 来到教室门口,看到了正拿着宝丽莱相机的美亚。

「ここ押すの?」 按这里么?

「うん、ここだよ」 不,是这个哟。

美亜は、写真の撮り方を教わっているようだ。 美亚,好像在教大家拍照的方法。

美亜の撮る写真かぁ……。 美亚拍的照片啊....

想像すると、ピンボケや変な写真ばかり浮かぶ。 这么一联想,脑海里映出的都是些好傻好怪异的照片。

「美亜! カメラマンやるの!?」 美亚!在做摄影师呐!?

「あっ、芽衣ぃ! アッくんも久しぶり!」 啊,芽衣,敦君也好久不见!

「マジひさびさだな! 優梨たちもこれから来るぞ」 真的是好久不见了呢!优梨她们马上也会过来哟

赤い糸destiny パシャッ── 喀嚓

「うわっ!」 呜啊

「キャッ!」

フラッシュが眩しく光り、美亜の持つカメラから、1枚の写真が出てきた。 从美亚拿着的相机里,出来了一张照片

「ふたりのこと、撮っちゃったぁ」 你们两个,已经拍下了哟

「ちょっと! いきなりだったから変な顔してるかも!?」 拜托!突然给照的表情会不会很怪!?

「見たい?」 想看?

アタシは美亜から写真を受け取った。 我从美亚那里接过照片。

少し待つと、ふたりの姿が浮き上がってきた。 稍微等了一会儿,两人的样子浮现了出来

「ゲッ……。半目なんだけどっ」 啊。眼睛只睁开一半

「アハハハッ! オレにも見せて」 哈哈 让我也瞧瞧

「アッくん! 見ないでよぉ!!」 小敦,不要啦

そこに写っているアタシは、半目で本当に間抜けな顔。 那张照里面的我,真的是眼睛只睁开一边

──こんなの、絶対にアッくんに見せられない! 这样的丑态 绝对不能给小敦看到

覗き込むアッくんを押さえ、必死に写真を隠した。 拼命地把照片给藏起来

「アハハッ。写真の練習台になってくれてありがと! 中で撮れるから、ちゃんと撮っていかない? ……友だち価格で10円にしときますよ」 嘻嘻 谢谢你们给我当练习。里面有拍,要不要好好地去拍一张? 朋友的价格是10块

……アッくんと写真? 和小敦一起拍照?

すっごく撮りたいけど、恥ずかしくない? 好像拍,不过不是会很难为情?

美亜の誘いに、アタシとアッくんは顔を見合わせた。 对于美亚的邀请,我和小敦互相看了看对方

「どうする?」 怎么办?

「任せるよ」 你来决定

「アタシも任せるっ。どうしよっかぁ……」 我也让你来决定。怎么办?

──撮ろうよ。 拍啦

照れ臭くて、そのひと言が言えない。 羞得很,那句话怎么也不好意思说出口。

赤い糸destiny 「優柔不断っ! じゃあ決定ってことで、撮ってって」 真是优柔寡断!那么这就决定了,拍

なかなか決まらないふたりの間に美亜が入ってくれた。 面对犹豫不决的俩人美亚插了进来。

「あ、うんっ……」 啊,嗯

「わかった」 明白了

「はい、ふたりともこっちきて!」 好,那么两人一起往这边来

美亜に連れられ、スタジオになっている教室に入った。 在美亚的引领下,我们来到了现在改造成摄影棚的一个教室

──中には、手作り感溢れるセットが3つあった。 在里面有三个纯手工做的布景

風船がたくさん張りつけられているセット。 到处点缀摆放着气球的布景

向日葵の造花が散りばめられたセット。 铺着人造向日葵的布景

後は、シンプルな黒い背景のセット。 还有就是简单的纯黑色背景的布景

「どれがいい? ……あっ、向日葵ならすぐ撮れるよ」 挑哪个? 啊 向日葵的话马上就可以拍哟

「じゃあ向日葵にしよっか?」 那选向日葵的吧?

「そうだな」 嗯好

アタシは空いていた向日葵のセットに向かう。 我走向那个空着的向日葵的布景

ほかのセットでは、カップルが仲良く寄り添って写真を撮っていた。 其他的布景里,情侣们正亲密地靠在一起拍着照片

「はい、そこ並んで!」 好,在那并排在一起

……緊張する。 紧张

お願いだから、顔が赤くなりませんようにっ。 神啊求求你,别让我的脸变得通红

アタシは小さく深呼吸をした。 我悄悄地深呼吸了一下

「美亜、これでいい?」 美亚 这样可以了吧

隣に立っているアッくんが声をかけた。 站在旁边的小敦对美亚说

カメラを持つ美亜は、眉をひそめて不満そうに言った。 握着相机的美亚皱着眉头不满地样子说到

赤い糸destiny 「良くない! ふたりの距離がありすぎて、かなりバランス悪いよー。もっともっと寄り添って!」

一点也不好!你俩站得太开了,布局感很不好哟,再再靠近些!

「ええっ!?」

诶~?

チラッと横を向くと、アッくんと目が合った。

朝侧方和小敦的目光的相会

ドキドキ……。

心怦怦地直跳

緊張と恥ずかしさで胸がいっぱいになってしまった。

内心被紧张和害羞给填得满满的

「じゃあ……こんくらい?」

那么 这样如何?

アッくんがアタシの方に半歩ずれる。

小敦从我这靠近了半步

ふたりの距離は30センチを切った。

两个人的距离少了30公分。

「もっと! 芽衣もあと少し寄って」

再靠近些!芽衣也在稍微靠过去些

ええっ……これ以上!?

诶?还要靠近?

動揺するアタシに向かい、美亜はジェスチャーで横に寄るように指示する。

まるで、プロのカメラマンのようだ。 那样子完全像个职业的摄影师

言われるまま、ちょこっとだけアッくんの方へずれた。 照着美亚说的,稍微向小敦靠了

トン──

やばい……肩、触れちゃった。 糟糕 都挨到肩膀了

少ししかずれてないつもりだったのに、アタシの肩はアッくんの二の腕に触れていた。

意識がいっきに肩に集中した。

自分でもわかるほどに顔が赤くなって、もう、アッくんのことは見れない。

「そうそう、そんくらいがいいねっ!! はい、笑って~」

アタシは無理やり、笑顔を作った。

作り笑いだからなのか、唇の端がピクピクとひきつる。

赤い糸destiny ──パシャッ。

「はい、撮れたよ!」

「……ありがと」

恥ずかしさのあまり、急いで美亜の元へ駆け寄った。

美亜は写真を手渡しながら小さく呟く。

「……まだ見れないけど、ちょー雰囲気良かったよっ」

その言葉に、アタシはまた赤くなってしまった。

「美亜! もう1枚撮ってくんない? オレの分がないしっ」

「えっ」

「次はオレの。芽衣、こっち戻ってきて」

……アッくんも写真欲しいって思ってくれてるの?

混乱しながらも、真っ赤な顔でアッくんの隣に戻った。

隣に立ってアッくんを見ると、

「見んなよっ」

ぶっきらぼうに言われてしまった。

……あれ?

アッくんも少しだけ顔赤い?

その恥ずかしそうな様子に気づき、ドキドキしながらも笑ってしまう。

「撮って」

アタシは思い切って自分からアッくんに近寄った。

さっきよりもぴったりと触れる肩と腕。

アッくんの体がこわばったように感じた──

「撮るよー」

──パシャッ。

またフラッシュが光る。

赤い糸destiny 「美亜、ありがと!」

「ありがとな!」

お礼を言い、ふたりで頭を下げた。

美亜は写真を渡しながらニヤニヤと笑う。

「なんか、カップルみたいなんですけどっ。アハハハッ」

「ち、ちょっと……。違うってば! やめてよっ!!」

もうっ!

何言ってるの!?

アタシは真っ赤になりながら否定した。

「否定するあたりも怪しいなぁ。アッくん、どうなの?」

「えっ……。ち、違うって! なぁ、オレらは友だちだよな?」

「……う、うんっ。そろそろ次に行こっか? 美亜、また後で顔を出しにくるねっ!」

アタシは茹で蛸のように真っ赤な顔をして、アッくんの腕を引く。

「はぁい! ありがとう~!!」

背中から、明るい美亜の声が聞こえた。

振り向くと、美亜は小さくガッツポーズをしている。

もぅ、美亜ってば……。

アタシは頬に空気をため、少しだけ怒ったフリをした。

「次はどこ行く?」

「えっ……。あ、あぁ。どうしよっか?」

写真のときの緊張を引きずり、いまいちいつものペースを取り戻せない。

赤い糸destiny 「喉乾いたな。ほかに行く前にジュースでも買わない?」

「いいねっ。階段に座って飲もっ」

なかなか行き先が決まらないふたりは、ジュースを買って階段に向かった。

「上の方に行けばすいてるよな」

ジュースを片手にゆっくりと階段をのぼった。

アタシは少し先を行くアッくんの背中を眺めていた。

……はぁ。

見てるだけで、胸が苦しいよ。

本当に大好き──

胸に抱えた想いが、今にも言葉になって口から溢れそうになる。

だけどアタシはその気持ちをグッと抑えた。

アッくんに告白しようと思えば思うほど、振られたときのことが頭に浮かぶ。

……振られたら、きっともう一緒に登校できない。

そして、今のような関係も崩れてしまうだろう。

想いを伝えたくなるたびにそう考え、アタシはいつも臆病になってしまっていた。

「人が多いな。いっそのこと、屋上まで行っちゃうか?」

「うん、そうしよ!」

屋上……かぁ。

アタシはあの日を思い出した。

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赤い糸destiny 屋上へ

もう、3年以上も前のことになっちゃうんだね。

ふたりで屋上に行くなんて、まるであの日のよう。

「着いた!」

アタシたちの目の前に、屋上へのドアが現れた。

アッくんはそのドアを思いきり開いた。

「うわっ。誰もいないな!」

「校内はあんなに混んでるのにねぇ」

「適当に座るか」

ふたりは屋上に出て、少し奥の方に座った。

アスファルトの地面は日光を浴びてあたたかい。

「なんか、横になっちゃいたくなるね! 昼寝したいっ」

「アハハッ。寝て起きたら文化祭は終わってそうだよな」

そう言いながらも、アッくんは地面に寝転がった。

「マジ寝たくなる……」

アッくんは、空を見上げて気持ち良さそうに言い、太陽の光に目を細めた。

トクン──

心臓がまた高鳴り始めた。

「少しだけ寝ていい? 15分でいいから……」

アッくんはそう言い、大きくアクビをした。

「いいよ」

「やったぁ……」

赤い糸destiny 目元に手を乗せ、子供のように笑うと、すぐに小さな寝息を立て始めてしまった。

「もう寝ちゃったの?」

「スゥ……スゥ……」

「早いよー」

可愛い寝顔を見ながらクスッと笑った。

普段ならひとりにされて寂しいはずなのに、今は幸せな気持ちで満たされていた。

アッくんを見ていると、胸がドキドキしながらもあたたかくなる。

「寝顔、可愛いね……」

そう呟き、アタシは愛しいアッくんの髪を撫でた。

大好きだよ。

本当に大好き。

「アッくん……好きだよ──」

アタシは伝えられない想いを、夢の中にいるアッくんに囁いた。

そのとき──

「キャッ……」

髪を撫でていた手を掴まれ、パッとアッくんが瞼を開いた。

──嘘っ。

やばいっ……。

「あ、あの……起こしちゃった?」

「つーか、ずっと起きてた……」

「──えっ」

どうしたらいいんだろう。

頭の中がグチャグチャになり、パニックになっていった。

言い訳も思い浮かばず、アタシは真っ赤な顔で下を向いた。

「今の……本当なのか?」

「……」

「芽衣? こっち向けよ──」

赤い糸destiny そんなこと言われても、向けるわけないじゃん。

恥ずかしくて、どうしたらいいのかわからない。

「なぁ……芽衣、こっち向いて?」

「やだ……」

「じゃあ向かせる──」

アッくんは起き上がり、アタシの頬に優しく手を当てる。

ドキ……ドキ……

心臓は激しく動き、触られた場所が熱くなっていった。

アッくんの右手はそのまま顎の下までおりて、アタシの顔を持ち上げた。

至近距離にあるアッくんの顔は、逆光でよく見えないが、少し火照ったように見えた。

「芽衣……」

今度はアッくんがアタシの髪を優しく撫でた。

……ドキドキが止まらない。

どうしよう。

心臓が壊れちゃいそうだよ──

?~?~?~

ふたりの間を裂くように、携帯の着信音が聞こえ始めた。

「……アッくん電話だよっ」

我に返り、パッとアッくんから離れた。

そして、両手で熱くなった顔を覆った。

赤い糸destiny アッくんはポケットから携帯を取り出し、躊躇なく電話を切った。

「えっ? 切っていいの?」

アタシは思わずアッくんに聞きながら、顔を覆った手を離した。

「今はこっちの話が大事だから」

「……」

アッくんの答えを聞き、胸のドキドキはさらに加速していった。

どうしよう。

こうなったら、もう伝えちゃうしかないよね!?

応援してくれた優梨や美亜の姿が頭に浮かんだ。

アタシはアッくんの顔を見つめ、震える唇を開いた──

「ア……アタシ……。あ、あのね……」

──伝えたい。

伝えなきゃいけないのに。

だけど胸は詰まり、言葉が続かなかった。

アタシは視線を落とし、下を向いた。

「ごめんな──」

上からアッくんの申し訳なさそうな声が降ってきた。

えっ……。

今、『ごめんな』って言った?

それって──

振られたってこと……だよね?

胸がズキズキと刺すように痛み出した。

「あ、あの……こっちこそいきなりでごめ──」

「ごめん……芽衣に言わせてごめん」

赤い糸destiny 気がつけば、アタシの体は、アッくんの腕の中にあった。

振られて謝って、そして抱き締められて……。

「ね、ねぇ……」

ドキドキ……

早い鼓動が聞こえる。

でもこれは、アッくんの心臓の音。

「オレ……芽衣に言わせようとしたから……また、聞きたくて」

「ど、どういうこと?」

アッくんは、さらに強くアタシの体を抱き締めた。

そして──

「ずっと……ずっと……ずっと好きだった」

アッくんはアタシの耳元で囁いた。

とても甘い、アッくんからの愛の言葉──

「……え? あ、あの……。ほ、本当に?」

「こんな嘘つくかよ」

「え、ええっ……」

体中の力が抜けていく。

「お、おいっ!」

「あ……な、なんか……ビックリして……」

そのまま、力なくアッくんの背中に手を回した。

脳も体も、アタシのすべてがとろけてしまいそう──

赤い糸destiny 「ほ……本当に? 信じらんないよ……」

「何度でも信じるまで言おっか? ──芽衣、好きだよ」

時間が経つにつれ、これは夢じゃなくて現実なんだって気づいてきた。

本当にアタシたち、両想いなんだね──

そう思うと、自然と顔には笑みが浮かんだ。

「アタシも……アタシも……す、好き……です」

「やっと芽衣も言ってくれたな!」

「だ、だってビックリして……」

アッくんは笑いながらアタシの頭をクシャッと撫でた。

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