十三歳のとき宛城から襄城へと敵中を駆けぬけた少女は、その後、どのように動乱の世を駆けぬけたのであろうか。後世の人間は想像するしかないが、歴史の一隅に荀潅がきらめかせた光芒《こうぼう》のあざやかさを思えば、彼女が父を助けて長江を渡り、晋王朝の再興に力をつくし、好ましい男と恋をしてそれをつらぬき、人生を充実と信望のうちに送ったと信じてよさそうに思われる。