饭饭TXT > 海外名作 > 《竹取物语(日文版)》作者:[日]未知/翻译:星新一【完结】 > 竹取物語.txt

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作者:日-未知/翻译:星新一 当前章节:4405 字 更新时间:2026-6-22 21:36

 あとは解説で。

  解説

 ひとつの試みとして、私なりの現代語訳をやってみた。心がけた第一は、できる

だけ物語作者の立場に近づいてみようとしたこと。

 なにしろ、わが国で、はじめての物語だ。その前に、なかったとは断言できない

。しかし、わかりやすく、魅力的で、面白かったからこそ、この物語がその栄誉を

与えられているわけだ。

 もっとも、社会背景も変っている。原文に忠実なようつとめたが、自分なりのく

ふうも加え、章の終りごとに、ほどほどの補足も書いた。また、改行もふやした。

 訳していて気がついたことだが、かぐや姫が天空の外の人であった点を除けば、

なんの飛躍もない。竹からの出生、羽衣などは、それに付随したことである。

 動物が口をさくわけでもなければ、神仏もこれといった力を示さない。龍だって

現実には出現せず、霊魂もただよわず、ラストの不死の薬はぼかしたまま。

 そこが、物語として、みごとなのだ。利益や出世の話だけだったら、つまらない

話だ。といって、むやみに鬼を出し、化け物を出し、動物を動かしては、ごつごう

主義になる。

 そりゃあ、超自然的な民話も、ないわけではない。しかし、ごく短いものに限ら

れる。少し長目になると、ルール無視でごたつきかねない。

『竹取物語』では、超自然的な発想はひとつだけで、あとは人間的なドラマである

。だから、すなおに面白い。そのノウハウを知っていて書いたのだから、この作者

はなみなみならぬ人物だ。しかも、前例となる小説がなかったのだから。

 紙に筆で、この物語を一気に書きあげたのではないだろう。話すのが好きで、さ

まざまな物語を作って話し、その反応のなかから手法を身につけ、まとめて書き残

すかとの気持ちになった結果と思う。このあとで多く作られたお姫さま物語の、さ

らに先をいっているようで、私は皮肉さを感じた。

 また、描写を極端に控えているのも、特色である。四季の変化のゆたかな日本な

のに、それに関連したのが、まったくない。中秋の名月で、私は少し加筆したが。

 姫がいかに美人かの描写もなく、思いを寄せる男性たちの年齢、顔つきも不明。

心理描写だって、簡単なものだ。最後の章など「泣く」の表現が多出する。

 つまり、発想とストーリーとで、人を引き込んでしまうのだ。構成に自信あれば

こそだ。描写を押さえると、読者や聞き手は、自分の体験でその人のイメージを作

ってくれ、話にとけ込んでくれる。

 そのパワーが失われると、季節描写や心理描写に逃げ、つまらなくなる。新人の

短編の選をやっていると、はじめの部分で夏の日の描写があったりする。読み終っ

て、夏でなくても成立するのにと、点が悪くなる。美人だって、くわしく描写する

と、好みじゃないねと、そこで終り。

 蓬莱など、中国の神話を引用しているが、作者は信じていないし、それは聞き手

も同様だったからだろう。仏教も、あまり関係ない。先駆者というものは、時代に

恵まれるといえそうだ。

 訳では、もっと熟語を使いたかったが、その限界がむずかしい。蓬莱の玉の枝の

細工代の未払いの件。当時は金銭以外の物品でも支払われていた。原文は|禄《ろ

く》だが、報酬が最も適当と思った。

 ほかに原文では、返事とか|功《く》|徳《どく》とか、熟語もいくらか出てい

る。ふやせば読みやすくなるが、ムードをこわす。自分なりの判断でやるほかなか

った。

 最も参考になったのは、吉行淳之介訳『好色一代男』(中央公論社)で、訳文と

は別に書かれた「訳者覚書」の部分は読んで面白く、まさに同感だった。

 そのころの日用語を、対応する現代語になおしただけでは、つまらないものにな

る。また、なまじ現代でも通じそうな用語には、迷わされやすい。

 吉行さんは「さもなき」の形容詞に悩んでいる。「それほどでもない」としたく

なるが、調べてみると、むしろ「さも·なし」は強い否定の意味だったらしい。

 この『竹取』でも、多くの人は「ともすれば」をそのまま使っているが、現代で

は意味がずれているし、あまり使われていないのではないか。

『竹取』が『一代男』より楽だったのは、前作がなく、パロディ的な扱いがなかっ

たからだ。『一代男』に「兵部卿の|匂《にお》い袋」なるものが出てくるが、だ

れもブランド名と思うだろう。それが源氏物語をふまえたものとはねえ。

 吉行さんが、あえて『一代男』を手がけたのは、なぜか。作者の西鶴が花鳥風月

に反逆し、面白さの原点に戻ろうとした点にあるらしい。

 訳のむずかしさは、外国文の翻訳体験者がいろいろ書いているので、ほどほどに

しておく。

 ここで参考にさせていただいた書名を並べ、感謝いたします。

中河與一訳注『竹取物語』角川文庫

 昭和三十一年初版。私には読みやすかったが、旧字旧かなで、若い人にはどうだ

ろう。それなりの感情が伝わってくるけど。

野口元大校注『竹取物語』新潮日本古典集成

 これは原文を主とし、校注がくわしく、もとのままを味わいたい人には、適切な

内容だと思う。

川端康成訳『竹取物語』日本の古典 河出書房新社

 昭和四十六年刊。これは川端訳というより、監修というべきだろう。若い人の文

らしく、そのかわり自由な調子がある。

田中保隆『竹取·落窪物語』古典文学全集 ポプラ社

 学校図書館協議会の選定図書で「です·ます」調である。

三谷栄一編 鑑賞日本古典文学『竹取物語·宇津保物語』角川書店

 右の五冊、それぞれ感心させられる個所が多かった。ほかにも現代語訳のあるこ

とは知っていたが、あまり手をひろげなかった。

 文学辞典、百科辞典にも、それぞれ解説はのっている。私の場合、研究者として

でなく、作者に感情移入するのがねらいだったので、くわしいことは略す。

 数十年前に、チベットの民話の中国語訳の本が出て『竹取』と類似部分があると

話題になったらしい。ここに一冊の本がある。

金子民雄訳 オコーナー編『チベットの民話』白水社 昭和五十五年。

 英国での出版は一九〇六年。かなり古い。まえがきで、中国とインドからの物語

が多く、ねをあげている。地方色ゼロとも評している。語り手としては巧みな種族

らしいが。

 ヒンズー教の影響か、動物のからむ話が多い。中国で『竹取』の原形が発見され

ない限り、日本からの流入と判断するのが常識だ。

『竹取』はストーリーが主で、どこの土地でも通用する話なのだ。私も自作を何回

も流用されているので、よくわかる。私の作品は中国語にいくつも訳されているか

ら、いまのチベットで民話あつかいで話されているのではなかろうか。

 アメリカ産らしいジョークを読み、面白いと思った。半年ほどしてモスクワから

雑誌の編集者が来て、うまい日本語で同じジョークを話した。面白くて作者不明だ

と、いかに早くひろまるかの、いい例だろう。

 それにしても、月とはふしぎな天体である。太陽系の惑星で、これほど大きな比

率の衛星はない。しかも、見かけの大きさが太陽と同じ。そのため、日食や月食が

起る。

 中秋の名月の特色は、前日もその次の日も、月の出の時刻にあまり差がないこと

。ほかの季節だと一日ちがうと五十分の差があることもある。

 生命の発生も、大海のなかではなく、入江のような場所で、潮の満干によってで

はないかと思う。人体をはじめ、生物のバイオリズム(周期)は、月に関連してい

る。

 その満干だが、地中海では差がほとんどなく、エジプト文明、ギリシャ文明など

では、月の影響とは気づかなかった。メソポタミア文明も同じだが、なにかの力を

想像してだろう、占星術をうみ出した。

 しかし、有史前の日本では、マレー系、南方海洋系の渡来民族もまざっていたは

ずだ。理解とまではいかないが、なにかを感じていたかもしれない。貝塚が各地に

残っているし。根拠のない仮説ではあるが。

 いくらかでも月や宇宙や空想に、そして物語の世界に、親しみを抱いていただけ

ればと、あまり解説風でない文章を書いたわけです。

|竹取物語《たけとりものがたり》

|星《ほし》|新《しん》|一《いち》=訳

平成14年1月11日 発行

発行者 角川歴彦

発行所 株式会社角川書店

〒102-8177 東京都千代田区富士見2-13-3

shoseki@kadokawa.co.jp

(C) Shin-ichi HOSHI 2002

本電子書籍は下記にもとづいて制作しました

角川文庫『竹取物語』昭和62年8月10日初版発行

        平成10年4月10日10版発行

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本书由书香门第论坛整理制作

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