第七課 地震の起こる日
(1)
大正十二年(1923年)九月一日、関東地方を震度7の大地震が襲いました。この地震によって、関東地方は大きな被害を受け、十万人の人が死に、七十万戸の家が壊れたり焼けたりしました。この地震は「関東大震災」と呼ばれ、その時の恐ろしさが今でも語り伝えられています。
ところで、九月一日という日付に注意してください。月の数と日の数を足すと、9+1で10になります。このことから、物理学者の坪井忠二さんは、「10になる日は大地震が多い?」と、ある新聞のコラムに書きました。記録を調べてみると、12月7日、11月26日などにも大地震が起こっているそうです。1+2+7、1+1+2+6、といるふうに、それぞれの数を足すと、不思議なことに答えはどれも10になります。
地震と日付の間に何か関係があるのでしょうか。
実は、この話にはちょっとしたしかけがあるのです。坪井さんは、こんな種明かしをしています。
月の数と日の数を合計して、いちばん小さい数は2です。これは、1月1日(1+1)、10月10日(1+0+1+0)など、1年のうちに4日あります?反対に、いちばん大きい数は20で、9月29日(9+2+9)の1日しかありません。ほかの日付は、すべて2から20の間に収まります。
その中で、10になる日はとても多く、全部で36日もあります。ですから、10になる日に大地震が多いのは不思議でも何でもないのです。なぜならば、その日が1年のうちでたいへん多いからです。
でも、もしこの種明かしがなければ、「10になる日は大地震が多い。」という話を聞いて、多くの人は、「確かにそのとおりだ。不思議だなあ?」と思ってしまうのではないでしょうか。
「迷信というものは、こうして生まれるのかもしれない。」と、坪井さんは言っています。
(2)
王:あっ、地震よ。窓ガラスがガタガタ鳴ってるわ。
佐藤:ほんと。揺れてるわね?でも、大きな地震じゃないわ?そんなに怖がらなくていいわ。震度2くらいかしら。ほら、もう終わったようよ。
王:ああ、びっくりした?佐藤さんはよく平気でいられるわね。
佐藤:地震には慣れているからよ?東京では、今くらいの地震はしょっちゅうあるわ?でも、たまには驚くほど大きな地震もあるのよ。
王:佐藤さんが驚くくらいなら、私なんか腰を抜かしてしまうわ。そんな地震が来たらどうしよう。
佐藤:だいじょうぶよ。最近の建物は頑丈だから。それに、大きな地震のときは慌てて外へ飛び出さないほうがいいのよ?腰を抜かしているほうがかえって安全かもしれないわ。
単語 1
起こる(おこる)
震度(しんど)
大地震(おおじしん)
襲う(おそう)
70万戸(ななじゅうまんこ)
焼ける(やける)
語り伝える(かたりつたえる)
日付(ひづけ)
足す(たす)
物理(ぶつり)
学者(がくしゃ)
コラム
記録(きろく)
ちょっとした
仕掛け(しかけ)
種明かし(たねあかし)
合計する(ごうけいする)
すべて
収まる(おさまる)
なぜならば
もし
迷信(めいしん)
あっ
窓ガラス(まどガラス)
ガタガタ
揺れる(ゆれる)
怖い(こわい)
びっくりする
平気だ(へいきだ)
しょっちゅう
腰を抜かす(こしをぬかす)
頑丈だ(がんじょうだ)
慌てる(あわてる)
かえって
安全(あんぜん)
大正(たいしょう)
関東(かんとう)
関東大震災(かんとうだいしんさい)
坪井忠二(つぼいちゅうじ)
単語 2
チューリップ
ほっとする
憎らしい(にくらしい)
犯人(はんにん)
いやだ
ビル
肺炎(はいえん)
大雨(おおあめ)
崩れる(くずれる)
工業(こうぎょう)
能率(のうりつ)
経理部(けいりぶ)
配属する(はいぞくする)
ほえる
たびたび
拾う(ひろう)
たえず
つねに
第七課 地震の起こる日